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カテゴリー「免疫」の15件の投稿

2009年12月16日 (水)

小児の腫瘤形成性脱髄性病変によるADEMに対する脳外科的治療

An uncommon illness with a rare presentation: neurosurgical management of ADEM with tumefactive demyelination in children.
Childs Nerv Syst. 2009 Dec 1.

小児の腫瘤形成性脱髄性病変によるADEMに対する脳外科的治療についての論文です。この研究は州ごとのADEMの罹患率有病率を調べ、 Blair E. Batson Children's Hospitalにおいて腫瘤形成性脱髄性病変を治療した3小児の経過について調べることである。ICD-9-CMに基づく病院カルテと臨床データベースによる分析を行った。2001年から2007年までの20歳以下の小児のADEMの罹患率は0.4人10万人/年で、2008年における有病率は8.6人10万人/年であった。3人の患者が腫瘤形成性脱髄性病変を呈した。症例1は失調と複視が3週続き、症例2は突然発症の昏睡で、症例3は4カ月間増悪する疲労感と四肢のぎこちなさであった。髄液検査では、診断に至らなかった。MRIでは、症例1で橋内に非対称性のT2でHigh、症例2で大きくまばらな信号変化を持つ側頭葉病変でまわりに浮腫を伴っていた。症例3ではリング状に増強された多くの小さな脳病変であった。症例1のMRSではADEMに認める変化を認めた。症例2は、頭蓋内モニターリングをして、頭蓋内圧亢進に対する治療を要した。症例2と3ではADEMを証明するために皮質生検を行った。3人ともステロイド治療でよくなった。15か月フォローしたが、症例1と2では症状やMRI病変はなくなったが、症例3はさらなるMRI病変を呈し、麻痺も増悪した。これらの症例では適切な神経放射線的評価、急性の頭蓋内圧亢進の治療、脳生検が未診断のADEMと腫瘤形成性脱髄性病変の小児の診療計画に中心的な役割を果たしていた。

.Seizureのタイトル

診断がてんかんから精神性非てんかん性けいれんへの変化(患者の経験と新しい診断への理解)
BECCTの神経心理的側面
ケトン食療法中のけいれん減少指標として血清βヒドロキシ酪酸は尿中ケトン体より有効である。
5HT3受容体を介したけいれん感受性変化:NOによる調節
イギリスにおけるレノックスガストー症候群小児の治療としてルフィナミド対トピラマート、ラモトリギンの費用効用分析
てんかん小児におけるゾニサミドの効果と耐容性(後方視的研究)
側頭葉切除手術
てんかんの同胞の生活
くも膜下出血患者におけるレベチラセタムの効用
バルプロ酸抵抗性小児欠神てんかんの危険因子
レベチラセタム静注が効いた持続部分てんかん
軽症胃腸炎関連けいれん22人のまとめ
子宮内の抗てんかん薬暴露と出生児の頭囲に関する住民を対象とした研究

2009年12月10日 (木)

髄液ネオプテリンとクリオピリン関連周期性症候群

Cerebrospinal fluid neopterin and cryopyrin-associated periodic syndrome.
Pediatr Neurol. 2009 Dec;41(6):448-50.

 髄液ネオプテリンとクリオピリン関連周期性症候群についての論文です。クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)は、NLRP3遺伝子の変異による自己免疫疾患に含まれ、を呈し、重症な臨床症状をもつ慢性の乳児神経原性皮膚関節症候群である。多種のプテリンが、中枢神経免疫反応に関与しているが、髄液中のプテリンとCAPSの関係の研究はない。2歳小児が髄液中のネオプテリン分析を行ったところCAPSの重症の非典型的タイプだと分かった。彼は当初、進行性神経病に似た神経徴候のみを示した。血液、髄液の分析では、ルーチンの炎症マーカーは陰性で、髄液中のネオプテリンのみ高値であった。その後、患者は関節炎と再発性発熱を呈し、遺伝子検査によりCAPSの確定診断となった。ネオプテリンは期間中最も変化する指標であった。小児神経科医は、説明のつかない神経症状があるときは炎症性、免疫関連の病気を念頭に置かなければならない。今回の症例は、とりわけ神経疾患においていつもの髄液検査が問題のないときに免疫関連疾患のスクリーニングとして髄液のネオプテリンレベルを測定する意義を示した。

クリオピリン関連周期性症候群(cryopyrin-associated periodic syndrome:CAPS)は,インターロイキン-1 の過剰産生を伴うまれな遺伝性炎症性疾患で、生後ないし、乳幼児期から発症する発熱や激しい炎症を繰り返す。CINCA症候群、Muckle-Wells症候群、家族性寒冷蕁麻疹が含まれる。

Am J Hum Genetのタイトル

テロメアの短縮により老化関連の変性欠損をおこす
細胞遺伝学異常とまれな多型により統合失調症、双極性障害、うつ病の候補遺伝子としてABCA13が見つかった
LRRC50の欠失ならびに点変異がダイニンアーム欠損による原発性線毛運動障害を起こす
遺伝子型コールとハプロタイプのフェージング連立がゲノムワイド関連解析の精度を高め偽陽性を減らす。
個人ゲノム情報における寿命リスク予想の使用(不確定性の予測)
常染色体劣性の完全先天性夜盲患者に認めたTRPM1変異
CNTNAP2とNRXN1は常染色体劣性Pitt-Hopkins様症候群様精神遅滞患者に変異を認め、ショウジョウバエの共通シナプス蛋白のレベルを決定する
トリコヒアリン遺伝子の多型はヨーロッパ人における直毛と関係する。
αチュブリン亜型であるTUBA8の変異により視神経低形成+多小脳回を起こす。
常染色体優性の網膜色素変性症は、U4/U6 snRNAsの巻き戻しに必要な遺伝子であるSNRNP200の変異により起きる
脊髄小脳失徴症タイプ31は、5塩基繰り返し挿入(TGGAA)n.と関連がある。

2009年12月 2日 (水)

失調のない急性眼筋麻痺としての単独眼瞼下垂と抗GQ1b免疫グロブリンG陽性

Isolated Ptosis as Acute Ophthalmoplegia Without Ataxia, Positive for Anti-GQ1b Immunoglobulin G.
Pediatr Neurol. 2009 Dec;41(6):451-2.

失調のない急性眼筋麻痺としての単独眼瞼下垂と抗GQ1b免疫グロブリンG陽性についての論文です。
抗GQ1b抗体症候群は、眼筋麻痺を特徴とする広範囲の病気とされている。抗GQ1b抗体は、ミラーフィッシャー症候群、急性眼筋麻痺をきたすギラン・バレー症候群、単独の眼筋麻痺と強く関連があるとされている。急性の眼筋麻痺は外眼筋、内眼筋の麻痺のさまざまな組み合わせとして現れる。今回の報告では、眼筋麻痺として単独の眼瞼下垂のみを呈した症例を示す。両側の眼瞼下垂、反射喪失、抗GQ1bIgG抗体陽性といった所見から、この症候群であることが分かった。診断と治療にはさらなる調査が必要である。

Dev Med Child Neurolの最近のタイトル
 健康小児の体性感覚ミスマッチ陰性電位
 正産児ならびに早産児の摂食時における表面筋電図の使用
 自発的頭蓋内低血圧
 体性感覚ミスマッチ陰性電位(神経発達研究における新しい道具)
 神経免疫疾患における認識行動と精神的特徴
 極低出生体重児の6歳における食行動発達
 もやもや病:切るか切らないかが唯一の問題ではない 小児神経科医の視点から
 新生児脳梗塞正産児における3か月時の手の運動は、後の片麻痺を予測する
 重度の片側小脳低形成の予後
 ハリス神経運動とアルバータ乳児運動スケールの比較予測的妥当性
 プラダーヴィリ症候群の乳幼児期の表現形の移り変わり
 先天性片麻痺に対する経頭蓋磁気刺激の役割
 よだれの影響度尺度 発達障害児におけるよだれの影響の測定
 超低出生体重児の音韻発達
 妊娠中後期の胎児発達は乳児期の発達と関連する
 バクロフェン髄注
 Worster-Drought症候群(重度で持続する摂食言語障害にもかかわらず認知度が低い)
 進行性知的神経的退行をもつ小児におけるミトコンドリア病の臨床的特徴
 脳性片麻痺の小児おける両手発達は片手より両手のほうがよい

MMN(mismatch negativity:ミスマッチ陰性電位)という事象関連脳電位は、前注意的情報処理に関連する記憶過程を反映する。

予測的妥当性 predictive validity. そのテストが,後に評価されるある成績とどの程度の相関があるか.

影響度尺度(Impact Scale):リスクの影響の重大さを数値で表す。

2009年11月16日 (月)

初回卒中様臨床的画像的特徴を呈する多発性硬化症

Multiple Sclerosis With Initial Stroke-Like Clinicoradiologic Features: Case Report and Literature Review.
J Child Neurol. 2009 Sep 30.

初回卒中様臨床的画像的特徴を呈する多発性硬化症についての症例報告と文献レビューです。17歳の男児が突然の持続する局所の神経症状を呈した。MRIでは患者の臨床所見に対応する場所において、エンハンスされない白質病変を示し、FLAIRとDWIは高く、ADC-Mapは低下していた。より小さな症状のない部分の異常もまた認めた。患者の病歴、画像所見、治療に対する入院後の経過から脳卒中の診断となった。しかしながら重度の神経症状から急速に回復したことと、その後の血清所見の結果から、脱髄が強く疑われた。思春期の多発性硬化症の発症は試験的な診断治療アプローチが必要なことがあり、特に初回脱髄イベントが臨床的も画像的にも急性の脳卒中と似ているときには、なおさらそうである。できるだけ早くに診断をつけて、迅速で適切な治療を行うためにあらゆる努力が望まれる。

2009年11月10日 (火)

ベーチェット病(小児の血管病変の治療)

Behcet disease: treatment of vascular involvement in children.
Eur J Pediatr. 2009 Sep 13.
ベーチェット病(小児の血管病変の治療)についての論文です。ベーチェット病は、いかなるサイズの動脈と静脈に影響を与える一次性の血管炎である。
今回、血管病変をもつ7人の小児患者の治療戦略について報告する。7人全員が16歳以前にベーチェット病の国際基準を満たした。一人のみ女児であった。血管病変は以下のとおりである。2人で表在の静脈塞栓、2人で動脈もしくは静脈の塞栓、一人が肺動脈の瘤を伴う動脈病変、二人が中枢神経における静脈洞の塞栓であった。ベーチェット病診断後の血管病変期間の中央値は4カ月で(3-24ヶ月)、3人の患者で診断と同時であった。全員でコルヒチンとステロイドを投与された。静脈系における塞栓を伴う人はアザチオプリンを追加し、一方肺動脈もしくは冠状動脈病変を伴うときは、シクロフォスファミドを全量で150-180mg/kgを静脈もしくは経口投与し、その後アザチオプリン6カ月にした。肺動脈病変を持つ患者以外全員が、良好に抗凝固療法のコースを終えた。これらの患者は少なくとも18カ月の期間観察され、血管病変の再発を来たしたものは誰もいなかった。一人はさらなる治療を要する重症のブドウ膜炎を発症した。結論として、血管病変はベーチェット病の患者で注意深く観察しなければならない。効果的な治療は現在の患者を病状のない状態にすることが可能である。

2009年11月 4日 (水)

多発性硬化症の思春期のLDHアイソザイム

Lactic dehydrogenase isoenzymes in adolescents with multiple sclerosis.
Pediatr Neurol. 2009 Oct;41(4):259-62.

 多発性硬化症の思春期のLDHアイソザイムについての論文です。多発性硬化症は免疫による脱髄疾患で高い致死率がある。今回、髄液中のLDHとLDHのアイソザイム濃度を多発性硬化症のバイオマーカーとして使えるかどうか調べるために、1999年から2005年まで私たちの小児医療機関に入院した多発性硬化症の全患者を対象としてまとめた。研究対象は多発性硬化症(診断のため髄液検査をしている)の3人の思春期患者と、また再発性の視神経炎(病気の経過中に髄液検査をしている)の一人である。アイソザイムパターンは多発性硬化症患者全員で異常で、2人でLDH2、3、5が正常より高値、一人でLDH4が正常より低値であった。しかしながら同じ2人の患者で必ずしもLDH2,3,5が異常に高いわけではなかった。視神経炎の患者もまた、他の人と同じ特徴の異常LDHアイソザイムパターンを呈していた。多発性硬化症は髄液の異常LDHアイソザイムパターンをとるようである。この所見の重要なところは、将来診断として使える可能性があることである。

2009年10月14日 (水)

平山病の青年における両側遠位上腕委縮と高IgE血症

Symmetric Atrophy of Bilateral Distal Upper Extremities and HyperIgEaemia in a Male Adolescent With Hirayama Disease.
J Child Neurol. 2009 Sep 24.
平山病の青年における両側遠位上腕委縮と高IgE血症についての論文です。平山病はまれな神経筋疾患で発症ピークは15-17歳の若年男児である。今回、2年前より両側遠位上腕委縮を呈した青年を報告する。感覚障害は訴えなかった。電気生理学的な所見ではC7からT1の運動神経障害が明らかとなった。頸のMRIでは、頚部伸展時にC5-T5の椎骨レベルの後部脊髄硬膜鞘の高信号領域を認めた。彼は血清の総IgE値が高値であり、平山病における増悪因子と考えられた。この変わった神経筋疾患の初期診断と治療は運動神経へのダメージを避けるために重要なことである。この報告を通して、平山病の初期進行防止のために小児神経科医が大切な役割を果たしていることを強調したい。

2009年9月17日 (木)

特発性視床下部機能異常に対する免疫療法

Immunoglobulin therapy in idiopathic hypothalamic dysfunction.
Pediatr Neurol. 2009 Sep;41(3):232-4.

特発性視床下部機能異常に対する免疫療法についての論文です。特発性視床下部機能異常は3-7歳におきるまれな病態です。重度の視床下部、脳幹機能異常により25%の患者さんが亡くなる。この病気は自己免疫疾患、もしくは何らかの腫瘍随伴症候群と考えられている。現在有効な治療法は報告されていない。患者は、過食、過眠が7歳のころから急速に進行し、高体温、低体温、洞性徐脈、高ナトリウム血症、低ナトリウム血症、持続性の高プロラクチン血症、甲状腺機能低下、GH欠損症を認めた。9歳時に特発性視床下部機能異常の診断となり、免疫グロブリン療法を行った。免疫グロブリンを4週ごと2g/kgの9コース行った。行動の改善と低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、洞性徐脈は消失した。内分泌的異常と体温異常は持続した。特発性視床下部機能異常の後期に免疫グロブリンを投与することで、すべてではないが、いくつかの症状が改善した。この病気の自己免疫的な機序が推測され、初期段階での治療はもっと有効だと思われる。初期治療の有効性を証明するために、この病気のさらなる理解が初期での診断に必要である。

2009年9月14日 (月)

慢性炎症性脱髄性神経炎に対するシクロスポリンによる治療

Cyclosporin treatment in three children with chronic inflammatory demyelinating neuropathy.
Pediatr Neurol. 2009 Sep;41(3):223-5. 
慢性炎症性脱髄性神経炎に対するシクロスポリンによる治療についての論文です。慢性炎症性脱髄性神経炎は後天的な小児の多神経炎である。経口プレドニゾロン、静注メチルプレドニゾロン、静注γグロブリンが主な初期治療法である。これらの治療に抵抗性の場合、他の免疫抑制療法が用いられる。今回、慢性炎症性脱髄性神経炎の3小児に対するシクロスポリンの経験を述べる。多毛症以外の副作用はなかった。シクロスポリン治療は、標準的治療が効果がなかったときに慢性炎症性脱髄性神経炎に対して効果的で安全な治療法である。シクロスポリンはまた乳児では安全に使える薬である。

2009年8月15日 (土)

乳児横断性脊髄炎の持続勃起症

Priapism in infantile transverse myelitis.
Arch Neurol. 2009 Jul;66(7):894-7.

 乳児横断性脊髄炎の持続勃起症についての論文です。横断性脊髄炎は脊髄の自己免疫性神経疾患で、乳児を含むあらゆる年代に起きる。今回、乳児の横断性脊髄炎で持続勃起症というめずらしい症状を呈したので報告する。ジョンスホプキンス横断性脊髄炎センターで1歳未満の3人の乳児である。コルチコステロイド静注、γグロブリン静注、理学療法、リハビリテーションを行った。持続勃起症と横断性脊髄炎を呈した乳児の臨床的予後を調べると、3人とも急速に進行する四肢麻痺を呈し、障害をきたし、一人では死に至った。横断性脊髄炎乳児における持続勃起症は、迅速で積極的な治療を要する重度の炎症と神経障害を意味すると思われた。