最近のトラックバック

カテゴリー「腫瘍」の9件の投稿

2009年10月16日 (金)

乳児の頭蓋内メラノサイトーシスのエコー所見

Ultrasonographic detection of intracranial melanocytosis in an infant.
Pediatr Radiol. 2009 Sep 9.

乳児の頭蓋内メラノサイトーシスのエコー所見について論文です。皮膚のメラノサイト母斑の皮膚外病変をもつ乳児に、たまたま脳エコーを行った。大脳、小脳の実質に小さな球形のエコー領域を認めた。その後MRIをとってみたところメラノサイト特有の所見が認められ、皮膚神経メラノーシスと診断した。

2009年9月28日 (月)

家族性の血球貪食性リンパ組織球症の臨床的、神経学的所見

Familial hemophagocytic lymphohistiocytosis: clinical and neuroradiological findings and review of the literature.
Childs Nerv Syst. 2009 Aug 1.

家族性の血球貪食性リンパ組織球症の臨床的、神経学的所見のまとめです。家族性の血球貪食性リンパ組織球症(FH)はまれな先天的多臓器病で、活性化リンパ球と組織球のコントロールできない増加と浸潤を特徴とし、多量の炎症性サイトカインの分泌を伴う。これにより肝臓、脾臓、リンパ節、骨髄、中枢神経といった多臓器に影響を与える。今回の研究の目的は、脳症の特徴と、全身のCTや脳MRI、MRスペクトグラフィーによるFHLタイプ3の小児の神経放射線的所見を明らかにすることである。14か月の女児が、全blown型FHLで中枢神経合併症として顔面神経まひを呈した。脳MRIでは、皮質下と脳室周囲白、左視床、小脳、脳幹に異常信号エリアを認めた。陽子MRスペクトでは、コリンのピーク、乳酸のピークを認めず、グルタミン/グルタミン酸の上昇を認めた。さらにNAAの上昇を認めた。造血幹細胞移植後のフォローMRIでは異常信号の大幅な減少とMRスペクトの代謝異常信号の正常化を認めた。つまりFHLが活性化しているときのMRIによる脳の異常信号と代謝的変化は、治療により元に戻る。

2009年9月 5日 (土)

脳腫瘍患者への抗てんかん薬の使用

The use of antiepileptic drugs in pediatric brain tumor patients.
Pediatr Neurol. 2009 Sep;41(3):192-4.

脳腫瘍患者への抗てんかん薬の使用についての論文です。抗てんかん薬は脳腫瘍の小児でよくつかわれる。これは後方視的研究では、2000年から2007年の2つの小児病院での脳腫瘍の小児における抗てんかん薬の慢性使用についてまとめた。抗てんかん薬の使用は脳腫瘍334人中32人(10%)に使用された。ほとんど(94%)はテント上の腫瘍で、その78%はグリアの腫瘍であった。70%は側頭葉腫瘍であった。最もよく使われたてんかん薬はフェニトイン(14人)とオキシカルバマゼピン(7人)であった。最初の抗てんかん薬は、効果がないか副作用、相互作用のために、たいていは変更となった。経過観察最後では、ほとんどの抗てんかん薬はオキシカルバマゼピンとレベチラセタムであった。レベチラセタムは、追加治療が必要でない小児よりも化学療法や放射線療法をおこなった小児でよくつかわれる傾向にあった。新世代の抗てんかん薬(オキシカルバマゼピンとレベチラセタム、ラモトリギン)を始めた患者は、旧世代の抗てんかん薬(バルプロン酸、フェニトイン、フェノバルビタール)を使う患者よりも、その後も同じ薬を使い続ける傾向が見られた。新しい抗てんかん薬特に薬ごとの相互作用がないものは、脳腫瘍やけいれんの小児にとって第一選択薬に適していると考えられた。

2009年8月17日 (月)

ビタミンD欠乏性くる病と関連するガングリオ神経芽腫

Ganglioneuroblastoma-associated vitamin D deficiency rickets.
J Pediatr Hematol Oncol. 2009 Jul;31(7):502-4.

ビタミンD欠乏性くる病と関連するガングリオ神経芽腫についての論文です。ビタミンD欠乏症はくる病の最も多い原因で、おもに母乳栄養で浅黒い肌の、日光のあまり当たらないアフリカやアジアの小児に主に生じる。今回1.5歳の南イタリア生まれのアフロイタリアン男児が典型的なビタミンD欠乏性くる病にかかり、私たちの所に受診した。その男児はビタミンDのサプリメントなしで8か月間おもに母乳栄養のみで過ごした。南イタリアでのビタミンD欠乏性くる病はまれなため、さまざまな検査を受け、腹部のガングリオ神経芽腫が見つかった。私たちの知る限りは、ビタミンD欠乏性くる病に合併したガングリオ神経芽腫はこれまでに報告がない。この二つのまれな病気の関連性は偶然かもしれないが、がんに対するビタミンDの予防効果があることは、ビタミンDの欠乏がこの患者においてガングリオ神経芽腫の進行に影響を与えたとも思われる。

2009年7月14日 (火)

小児腫瘍患者の神経痛におけるプレガバリンの効果

Efficacy of pregabalin in neuropathic pain in paediatric oncological patients
European Journal of Paediatric Neurology
Volume 13, Issue 4, July 2009, Pages 332-336
 小児腫瘍患者の神経痛におけるプレガバリンの効果についての論文です。小児の固形腫瘍ならびに白血病の患者における化学療法による疼痛の治療にプレガバリンの効果と安全性を評価した。オープンラベル研究で、30人の固形腫瘍もしくは白血病患者で末梢神経痛があり、小児を対象とした。8週間150-300mg/日のプレガバリンによって治療した。28人が8週間経過観察できた。86%の患者で、強い長引く痛みは軽減された。中央VASスコアは8週間で、ベースラインより59%減少した。副作用はほとんどなく、一過性であった。プレガバリンによる治療は、痛みを大幅に減少させる治療である。小児においてプレガバリンの使用はこれまでは、適応外使用であった。しかしこの薬は安全で効果的であり、小児の腫瘍患者の神経痛に対し、かなり広範囲の治療スペクトラムを持つ。

2009年2月 4日 (水)

Lhermitte-Duclos 病

Three adolescents with Lhermitte-Duclos disease.
J Clin Neurosci. 2009 Jan;16(1):124-7. Epub 2008 Nov 14.
Lhermitte-Duclos 病に関する論文です。
Lhermitte-Duclos 病はまれな良性の小脳腫瘍をきたす疾患で、小脳ガングリオン細胞における過成長により顆粒細胞とプルキンエ細胞が置き換わることが特徴である。Lhermitte-Duclos 病はCowden症候群と関連がある。今回3人のLhermitte-Duclos病の青年を経験し、うち二人はCowden症候群を合併した。MRIでは皆典型的なタイガーストライプパターンを呈した。Cowden症候群は2次性の粘膜病変とPTEN/MMAC1遺伝子変異より診断された。青年発症のLhermitte-Duclos 病は、成人発症と同じ表現形と遺伝子型を持つようだ。病変の全摘出術が初期治療として勧められる。Lhermitte-Duclos 病の患者はCowden症候群を呈するかどうかできるだけ早く見つけ出し、遺伝的スクリーニングを行うことを強く勧める。

Lhermitte-Duclos 病:小脳半球に限局した腫瘤を形成し,緩徐な発育を示す稀な疾患として知られている。
Cowden症候群:80%にPTEN遺伝子異常を認める常染色体優性疾患である。ただし多くは孤立性である。特徴的病変として顔面の外毛根鞘腫、四肢角化症、乳頭腫、粘膜ポリープ、Lhermitte-Duclos 病である。消化管ポリポーシスは若年性ポリポーシスやポイツイェーガー症候群との鑑別が大切である。また乳癌、甲状腺癌、子宮内膜癌など合併するため、癌化に注意して観察していかなければならない。

2009年2月 2日 (月)

小児の成長ホルモン(GH)治療と脳腫瘍の再燃、進行の危険

Growth hormone treatment and risk of recurrence or progression of brain tumors in children: a review
Childs Nerv Syst. 2009 Jan 14.

小児の成長ホルモン(GH)治療と脳腫瘍の再燃、進行の危険についての論文です。脳腫瘍は小児の固形腫瘍のなかでも最も頻度の高い一つである。患者の生命期間は治療法の改善により改善されたが、治療関連の死亡率や腫瘍自体での死亡率がより重要になっている。有名な原因の一つにGH分泌不全があり、患者はリコンビナントのGHを必要とし、その使用頻度も増えている。脳腫瘍の小児ではGH療法は腫瘍の再発や進行のリスクや2次癌のリスクを増すと考えられている。頭蓋内腫瘍のある児、既往のある児にGHで治療する際の腫瘍再発のリスクや腫瘍進行の最新情報を現在の文献から紹介する。このレビューでは著者は脳腫瘍患者へのGH治療は安全だと結論付けている。GH療法は中枢神経腫瘍の再発や進行、白血病(新規か再発)、頭蓋外非白血病腫瘍のリスク増加と関係はない。

 GH療法を始めるときに、腫瘍の問題に関して話すことがあります。その際に有力な文献として参考にしていきたいですね。

2008年12月13日 (土)

原発性中枢神経腫瘍のフランスのデータベース

Clinical epidemiology for childhood primary central nervous system tumors.
J Neurooncol. 2008 Nov 20.

 原発性中枢神経腫瘍についての論文です。この研究はFrench Brain Tumor Data Bank (FBTDB)主導で行われ、すべてのフランスでの原発性中枢神経腫瘍(PCNST)を把握する目的で行った。この研究では、新規診断された小児患者で(0-19歳)、2004年から2006年にFBTDBで記録している組織学的にPCNSTと診断された人たちを対象とした。全てのフランスの神経病理、脳神経外科教室がこの研究に参加した。脳外科医と神経病理医は社会人口統計学的、臨床的、放射線的、解剖病理的な情報を含むデータファイルを完成させた。約1017ケース(533男児と484女児)の新規診断の小児PCNSTが登録され、52%がグリオーマ、他の神経上皮系腫瘍が31%、頭蓋咽頭腫が5%、胚細胞腫瘍、髄膜腫、神経鞘腫が約3%であった。腫瘍摘出が83.3%で行われ、16.7%が生検のみであった。組織分類、サンプルの低温保存、年齢、性、腫瘍の場所、手術方法を詳細に調べた。これは、PCNSTの臨床的、放射線的、組織学的データを集積したヨーロッパでは始めてのデータベースである。FBTDBの長期目標として国際的な登録制度とネットワークを作って、臨床的、基礎的研究を組み入れ、すべてのPCNSTに罹患した小児と成人患者の健康状態を評価できるようになることである。
   
 小児血液疾患のように、これからはいろんな小児の病気が登録制度にして、その診断、治療と予後をデータベース化し、医療水準の標準化ができるようになればいいなと思います。田舎にいると経験的治療が多くなってしまいがちです。反省。

2008年11月 2日 (日)

神経芽腫の出生前後の危険因子

Prenatal and perinatal risk factors for neuroblastoma.
Int J Cancer. 2008 Sep 17;123(12):2885-2890.

 神経芽腫の出生前後の危険因子についての論文です。神経芽腫は小児のまれな胚細胞の腫瘍でそのリスクファクターはよくわかっていない。私たちはネスティド・ケース・ コントロール研究を用いて、出生前と後の新生児期のリスクファクターを1973年から1995年までに診断した245人の神経芽腫患者さんで調査した。患者さんごとに5人のコントロールが出生簿から選び、性と年齢をあわせた。リスクファクターとして、妊娠中の母の貧血(オッズ比2.95、95%信頼区間1.53, 5.69)、新生児期の呼吸不全 (オッズ比 = 3.61, 95% 信頼区間: 1.41, 9.24) 、低アプガースコア(1分値で7点以下)がオッズ比 = 2.23, 95% 信頼区間: 1.41, 3.52であった。またこれらのリスクは1歳以前に診断された人のみに限られていた。出生前、出生後、新生児期の仮死は乳児の神経芽腫と関係があるも、1歳以上でが関係がなかった。

 1歳未満の神経芽腫にはこんなリスクファクターがあるんですね。直接は結びつきにくいですね。