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カテゴリー「末梢神経」の16件の投稿

2009年11月 9日 (月)

新生児の声帯麻痺

Neonatal Vocal Cord Paralysis
NeoReviews Vol.10 No.10 2009 e494

 新生児の声帯麻痺についての論文です。新生児声帯麻痺は、乳児期の急性、慢性の呼吸異常の重要な原因である。両側声帯麻痺の乳児は正常な啼泣にもかかわらず、著明な呼吸不全を呈しており、重症例では緊急の気管切開が救命のため必要なこともある。片側の声帯麻痺は大抵、乳児の声異常の大きな原因となるが、呼吸不全は軽度である。声帯麻痺の多くは、心臓手術の際に左反回神経を傷つけたためにおきる医原性のものである。声帯麻痺はまた先天的、神経疾患によってもおきる。声帯機能不全は大抵時間とともに良くなるが、完治は年単位である。声帯麻痺をもつ乳児は、誤嚥や人工呼吸器機関の遷延、呼吸疾患、慢性の摂食障害などの危険がある。軟性の気管支ファイバーや直接喉頭鏡を用いた定期的声帯機能の一連の検査は、気道を観察するのに、経過とともに麻痺が改善していくのをみるのに重要である。声帯麻痺の乳児はまた将来の内科的、外科的な治療の必要を決めるためにも頻回の観察が必要である。

2009年11月 5日 (木)

隔世世代に認めた家族性一次性手根管症候群

Familial primary carpal tunnel syndrome with possible skipped generation.
Eur J Pediatr. 2009 Sep 5.

隔世世代に認めた家族性一次性手根管症候群についての論文です。手根管症候群はは正中神経の絞扼性の神経障害で、小児にはまれである。家族性の手根管症候群はさらにまれで、家族性の全身性疾患と関連がある。常染色体優性遺伝形式の一次性の家族型もまれであるが、存在する。今回家族内で2世代にわたって手根管症候群を呈した。両側の手の痛みと麻痺を呈した6歳の男児を提示する。この報告では、常染色体優性の遺伝子により伝わる家族性の手根管症候群の興味深い遺伝形式と多様な表現形、浸透率の低下を示している。私たちが知る限り、隔世世代におきた家族性の両側性手根管症候群の最初の報告である。

2009年10月15日 (木)

重症疾患多発ニューロパチー(CIP)

Critical illness polyneuropathy: A rare but serious adverse event in pediatric oncology
Pediatr Blood Cancer. 2009 Sep 16.
 重症疾患多発ニューロパチー(CIP):小児腫瘍領域におけるまれだが重篤な副作用についての論文です。CIPは小児の腫瘍患者における重症敗血症、多臓器不全にともなって起き、四肢まひや呼吸器離脱の妨げの原因となる。今回ATLの青年期の患者が、敗血症の後にCIPになり、人工呼吸器とカテコラミン投与が必要となった。鑑別診断としてビンクリスチン関連ポリニューロパチー、ギラン・バレー症候群、CIDPなど、小児期急性白血病時におきる神経障害があがる。

※重症疾患多発ニューロパチー(CIP)は、敗血症や多臓器不全,全身性炎症反応症候群(SIRS)に伴って発症するaxonal motor-sensory polyneuropahtyもしくはmyopathyのことである。CIPに伴う筋力低下は遠位筋優位で,感覚障害の合併もありうるが,意識障害のため感覚障害の評価は難しいことも多い。電気生理学的検査では,CIPは軸索型でCMAP,SNAPとも低下するが,伝導速度の低下は見られない。

2009年9月21日 (月)

迷走神経性失神のαアドレナリン作動薬による治療

alpha-Adrenoceptor agonists for the treatment of vasovagal syncope: a meta-analysis of worldwide published data.
Acta Paediatr. 2009 Apr 21.

迷走神経性失神のαアドレナリン作動薬による治療についての論文です。この研究は迷走神経性失神のαアドレナリン作動薬による効果を調べるための無作為試験である。基準に従い、対象を医療電子データベースから抽出した。無作為試験はJuniの評価によって行われ、メタ分析はReview Manager 4.2 softwareを用いて解析した。効果の評価は経過期間中の失神の再燃や治療後の起床試験の反応で行った。結果は、オッズ比、95%信頼区間、p 値で出した。全部で6つの無作為試験があった。Funnel Plot分析により、ありうるpublication biasを示していた。6つの無作為試験のメタアナルシスでは、165人の治療群と164人のコントロール群が含まれていた。迷走神経性失神のαアドレナリン作動薬は、プラセボより効果的であった(OR = 0.21, 95% CI: 0.06-0.77, p = 0.02)。加重独立t-testにより、ミドドリンに対する反応の荷重平均割合は、エチレフリンよりかなり高かったということがわかった。現在報告されている無作為試験では、αアドレナリン作動薬は迷走神経失神に対して効果的であると示している。ミドドリンはエチレフリンと比較して、よりよい選択といえる。

2009年8月20日 (木)

複合性局所疼痛症候群小児に対する腰椎交感神経ブロック

Lumbar sympathetic blockade in children with complex regional pain syndromes: a double blind placebo-controlled crossover trial.
Anesthesiology. 2009 Aug;111(2):372-80.

複合性局所疼痛症候群小児に対する腰椎交感神経ブロックについての二重盲験クロスオーバー研究です。交感神経ブロックは複合性局所疼痛症候群の小児で治療法として用いられるが、痛みを取り除く効果やメカニズムについてデータがない。この研究の目的はリドカインの腰椎交感神経と静脈注射への投与の効果を比較することである。一般麻酔科医のもとで、片側下肢の複合性局所疼痛症候群の小児に腰部交感神経管にそってカテーテルを挿入した。二重盲検プラセボコントロールクロスオーバーで、患者はリドカインの静脈投与と腰部への生食投与、もしくは腰部へのリドカインと生食静脈注射をおこなった。自発ならびに誘発痛頻度、感覚閾値をこの二つの投与前後で比較した。結果は10-18歳の23人が対象となった。静脈注射に比べ腰部交感神経へのリドカイン投与のほうが異痛の平均痛み強度は減少した。触刺激にでは平均 -1.4, 95% 信頼区間 [CI] -2.5 to -0.3、針刺激の時間的加重では平均 -1.3, 95% 信頼区間 -2.5 to -0.2であった。腰部交感神経投与でまた、触刺激、針に対する異痛、針痛み強度が明らかに減少した。リドカイン静注は、投与前に比べて、自発、誘発痛強度測定において明らかな差はなかった。一過性の投与では持ち越し効果は認めなかった。この研究の背景のもとで、これらの結果は痛みが異常交感神経遠心路活性を介しておきているという直接的な証拠となった。

2009年6月15日 (月)

 小児領域での感覚異常性大腿神経痛

Meralgia Paresthetica in the Pediatric Population: A Propos of 2 Cases.
J Child Neurol. 2009 May 20.

 小児領域での感覚異常性大腿神経痛についての論文です。感覚異常性大腿神経痛は外側大腿皮神経の単神経症である、小児ではきわめて希である。2人の女児、11歳と13歳が2-3週間隔で大腿部の片側のチクチク感と痛みを呈した。一般身体所見では、軽度の肥満があり、神経所見では二人とも痛みと大腿四頭筋の知覚低下もしくは過敏以外は正常であった。11歳の方の筋電図では罹患した側の外側大腿皮神経の伝導速度の低下を認めた。11歳の方は、食餌療法とトピラメートによりうまく治癒した。13歳のほうは最初の保存的治療後には症状は消失した。感覚異常性大腿神経痛はおそらく小児領域では見過ごされている。初期治療は保存療法であるが、トピラメートは感覚異常性大腿神経痛の治療に有効である。さらなる広汎な研究で、病理学的観点からこの効果的な治療の評価が必要である。
 

2009年5月26日 (火)

GDAP1関連神経症の重篤かつ頻度の高い徴候としての声帯麻痺と横隔膜不全

Vocal cord paresis and diaphragmatic dysfunction are severe and frequent symptoms of GDAP1-associated neuropathy.
Brain. 2008 Nov;131(Pt 11):3051-61. Epub 2008 Sep 23.

 GDAP1関連神経症の重篤かつ頻度の高い徴候としての声帯麻痺と横隔膜不全についての論文です。シャルコーマリートゥース病(CMT)の脳神経障害は希であるが、声帯麻痺を主徴とするCMTがある。GDAP1遺伝子変異によるCMTは声帯麻痺と横隔膜麻痺との関連があるという報告がある。GDAP1変異をもつ患者のこれらの合併する頻度を調べるために、この病気の8家系から9人の患者の声帯と呼吸機能を評価した。8人で嗄声や大声で話せなくなったりした。ひとりは呼吸不全徴候を認めた。末梢性横隔神経伝導速度、軟性喉頭鏡、呼吸機能検査、ポリソムノグラフィー測定を行った。伝導速度と神経生検では軸索型のCMT(つまりCMT2型)であった。軟性喉頭鏡にて4人で左声帯麻痺を4人で両側の声帯麻痺を一人で正常だった。拘束性呼吸障害が声帯麻痺を呈する8人で認め、全員が車椅子利用であった。これら8人で横隔神経異常が神経生理学的検査により判明した。正常の声帯ならびに呼吸機能患者は臨床経過も軽症であった。この研究でGDAP1変異のあるCMT患者は四肢筋の筋力低下のため重症な障害を呈し、喉頭ならびに呼吸筋合併により、明らかな上肢近位筋の筋力低下が進行する病気経過の末期におきるというということがわかった。初期かつ左声帯麻痺の合併は左反回神経がより長いためであり、長さ依存の神経変性であることが推察される。GDAP1関連神経障害において平均余命が呼吸不全により決まることから、呼吸機能は注意して調べるべきことである。

2009年5月21日 (木)

難聴と腎線維症を合併した8歳女児のCIDP

Chronic Inflammatory Demyelinating Polyradiculoneuropathy, in an 8-Year-Old Girl, Complicated by Deafness and Kidney Fibrosis.
J Child Neurol. 2009 Feb 23.

難聴と腎線維症を合併した8歳女児のCIDPについての論文です。経過と臨床所見、電気生理学的検査所見に基づいて、著者はCIDPを呈した8歳女児について報告する。病気は難聴と腎線維化を伴った。メチルプレドニゾロンと静注グロブリン治療を行い、mycophenolate mofetilで後療法を行ったところ、神経所見はすぐに改善した。聴覚の改善はあまり認めなかった。CIDPの病因ははっきりとはしておらず、腎病変(糸球体、間質)を合併するCIDPが多いことから、CIDP患者には腎合併症の精査も行うべきである。

新規免疫抑制薬mycophenolate mofetilは, 真菌由来化合物であるmycophenolic acid(MPA)の経口的バイオアベイラビリティを改善する目的で合成されたプロドラッグで, 腎移植後の難治性拒絶反応の治療薬である

2009年5月15日 (金)

小ヒートショックプロテイン27遺伝子の新規フレームシフト変異を持つ小児におきた3種混合ワクチン後の重篤な神経症

Severe Neuropathy After Diphtheria-Tetanus-Pertussis Vaccination in a Child Carrying a Novel Frame-Shift Mutation in the Small Heat-Shock Protein 27 Gene
Journal of Child Neurology, 05/13/09

 小ヒートショックプロテイン27遺伝子の新規フレームシフト変異を持つ小児におきた3種混合ワクチン後の重篤な神経症についての論文です。小ヒートショックプロテイン27遺伝子と小ヒートショックプロテイン22遺伝子の変異はCMTタイプ2ならびに遠位型遺伝性運動ニューロパチーと関係がある。今回、末梢ニューロパチーと家族内表現多様性のあるイタリアの家族において小ヒートショックプロテイン27遺伝子の変異を見つけた。新規へテロフレームシフト変異(c.476_477delCT )が見つかり、遺伝性ニューロパチー関連の遺伝子における点変異は除外された。発症者は重篤な幼少時発症の末梢ニューロパチーを呈し、末梢神経の一次性の病原性と二次的に破傷風トキソイドが病原性を示したと推定された。これは小ヒートショックプロテイン27遺伝子のナンセンス変異に由来する最初の報告であり、その臨床像、神経病態、神経病理所見について議論する。

2009年4月11日 (土)

中国の巨大軸索ニューロパチーの家系における臨床的、遺伝的研究

Clinical and Genetic Studies in a Chinese Family With Giant Axonal Neuropathy.
J Child Neurol. 2009 Mar 18.

中国の巨大軸索ニューロパチーの家系における臨床的、遺伝的研究についての論文です。この研究の目的は、巨大軸索ニューロパチーの女児を調べ、彼女の家族内にGAN遺伝子の変異がないかどうか調べることである。GAN遺伝子のコードされているエクソンをPCRによって発端者である少女と彼女の両親からのゲノムDNAから増幅し、精製後直接シークエンスを行った。発端者は典型的な神経症状と病理学的異常を呈していた。この少女はGAN遺伝子の2つのヘテロのミスセンス変異を呈していた。一つはエクソン2の224 T>A変異で、彼女の母親はこの変異のヘテロと正常型を持っていた。もう一つはエクソン10の1634G>A変異で彼女の父はこの変異のヘテロと正常型を持っていた。両方の変異をもつことで、ギグアキソニン蛋白のアミノ酸に変化が起きた。この家族において、GAN遺伝子の224 T>A ミスセンス変異と1634G>Aミスセンス変異が少女の巨大軸索ニューロパチーの表現型を引き起こした。彼女の両親はこの変異の保因者のため症状はなかった。

2009年3月24日 (火)

CMT1Xの少年の中枢神経機能障害

Persistent CNS dysfunction in a boy with CMT1X.
J Neurol Sci. 2009 Apr 15;279(1-2):109-13.

 CMT1Xの少年の中枢神経機能障害についての論文です。X連鎖のシャルコーマリートゥース病(CMT1X)は遺伝的脱髄性神経症でギャップジャンクション蛋白コネキシン32(Cx32)をコードするGJB1遺伝子の変異により生じる。GJB1変異のなかには、一過性の中枢神経異常をきたしたという報告がある。今回CMT1Xにより中枢神経異常をきたしたと思われる少年を報告する。5歳のときに、臨床的、電気生理学的、MRI、遺伝的検査により評価した。この患者の発達は、5か月時まで正常であった。その後の発達はゆっくりで5-10ヶ月でお座りなし、12か月ー2歳で言語がなかった。また左顔面筋力低下を認めた。5歳児に体幹不安定、失調、構音障害を認めた。認知は正常であった。彼は足先の軽い筋力低下と内在筋の委縮を認めた。MRIは異常であった。電気生理学的検査では運動神経伝導速度の低下と感覚反応の低振幅化を認めた。遺伝子的検査ではGJB1の新規ミスセンス変異(アミノ酸54N>H置換)を認めた。構音障害と失調を特徴とする持続的な中枢神経異常を呈した患者を経験した。CMT1Xの患者で似たような一過性中枢神経異常を呈したという報告がある。これらのCNS所見は新規のCx32変異の直接的な結果であると思われる。

2009年3月17日 (火)

linezolidによる末梢神経炎

Peripheral neuropathy in an adolescent treated with linezolid.
Pediatr Infect Dis J. 2009 Feb;28(2):149-51.

 linezolidによる末梢神経炎についての論文です。MRSAが増えるに従い、小児にもLinezolid(LZD)の使用が増えてきた。末梢神経炎はLZDのまれな副作用であり、長期投与で頻度が増す。今回LZD治療による4ヶ月後の末梢神経炎を呈した小児とLZD関連神経炎について文献的な考察を報告する。長期にLZDを受けた小児は神経炎に注意しなければならない。

 Linezolid(LZD)はオキサゾリジノン系に属する新規抗菌 薬 で,日 本 で は 2001 年 vancomycin(VCM)resistant enterococci(VRE)の治療薬として承認された。

2009年3月 8日 (日)

小児の良性再発性滑車神経麻痺

Benign recurrent sixth (abducens) nerve palsies in children.
Arch Dis Child. 2009 Jan 8.

小児の良性再発性滑車神経麻痺についての論文です。滑車神経麻痺は頭蓋内圧上昇、腫瘍、外傷によっておきる。第3センターからの報告では、5-16%のケースは病因がわからず良性のものと考えられている。実際、良性の麻痺が再燃する。滑車神経麻痺の253人の小児患者を後方視的に調べたところ、30人が良性の滑車神経麻痺で、9人が再発した。新規発症した滑車神経麻痺の小児の約13%が良性で、脳MRIの所見の有無に関わらず、その経過と他の全ての神経所見を評価していく必要がある。

2008年12月25日 (木)

シャルコーマリートゥースタイプ1A(CMT1A)の小児の手の合併症

Hand involvement in children with Charcot-Marie-Tooth disease type 1A.
Neuromuscul Disord. 2008 Dec;18(12):970-3.

シャルコーマリートゥースタイプ1A(CMT1A)の小児の手の合併症についての論文です。CMT1Aは、脱髄性の神経症で進行性の筋長依存性の筋力低下と筋萎縮を呈し、最初に下肢から侵され、その後手の筋力低下や障害が出てくると考えられている。今回CMT1A患者さんの手の筋力、機能、疾患関連症状について調べた。2-16歳の84人のCMT1A患者に、手の内在筋力と外在筋力を動力測定法により、その機能をNine-Hole Peg 検査により、病気関連症状を問診と診察により調べた。手の筋力低下や機能不全は病気の最も初期段階からみとめた。手の筋肉の強さや機能値は小児期で年齢を重ねると増加する傾向がみられたが、正常までなることはなかった。書字や手の筋力低下、痛み、しびれなどのような日常の手の障害はまた年齢とともに悪化した。CMT1Aの小児の手の機能は全年齢で障害を受けるが、初期では過小評価されやすく、治療が遅れがちになる。

CMT1Aというと足のイメージがありますが、手も初期から徐々に侵されるのですね。

2008年11月25日 (火)

ミトフシン2遺伝子変異と関連する小児期発症の軸索型遺伝性運動感覚ニューロパチー

Histopathological findings in hereditary motor and sensory neuropathy of axonal type with onset in early childhood associated with mitofusin 2 mutations.
J Neuropathol Exp Neurol. 2008 Nov;67(11):1097-102.

 ミトフシン2遺伝子変異と関連する小児期発症の軸索型遺伝性運動感覚ニューロパチーの病理所見についての論文です。神経病理学的な異常の特徴を調べるとMPZ, GJB1, GDAP1, MTMR2, SH3TC2, PRX, FGD4, LMNAといった遺伝子変異によりおきる遺伝性ニューロパチーの遺伝的背景がわかる。今回、ミトフシン2遺伝子変異をもつ6人の患者から9つの腓骨神経生検を行い、その形態的異常を調べた。6人全てが小児期発症の軸索型の軽度~重度の運動感覚ニューロパチーを呈した。またみんな髄鞘化された神経線維の著明な減少を認めており、主に大径線維において著しかった。これらの変化は最初の生検から7-19年後に行った2回目の生検でより著しく認めた。神経病理学的所見として軸索変性はみとめたが、オニオンバルブはある程度残存していた。軸索のミトコンドリアは正常より小さく、丸く、異常に凝集していた。この変化は異常ミトコンドリアが、融合したり分裂したりした結果であろう。これらの臨床的病理学的異常はミトフシン2関連ニューロパチーの診断に特徴的な所見である。

2008年9月16日 (火)

小児における急性運動性軸索性ニューロパチー

Serologic marker of acute motor axonal neuropathy in childhood.
Pediatr Neurol. 2008 Jul;39(1):67-70.

小児における急性運動性軸索性ニューロパチーの血清マーカーに関する論文です。ギランバレー症候群は二つのサブタイプに分けられ、一つは急性脱髄性多発性神経炎で、もう一つは急性運動性軸索性ニューロパチーである。ガングリオシドに対する抗体であるGM1、GM1b、GD1a、GalNAc-GD1aは成人での急性運動性軸索性ニューロパチーの血清マーカーとして知られている。ギランバレー症候群における日本の小児における先行研究では急性運動性軸索性ニューロパチーは抗GM1IgG抗体との関連があった。この所見についてさらに大規模な研究を行った。今回の研究ではGM1(34%)、GM1b(22%)、GD1a(25%)、GalNAc-GD1a(13%)のIgG抗体が32人の日本のギランバレー症候群の44%に認めた。抗体が陽性の患者は、陰性の患者に比べて、しばしば先行する下痢(71% vs 11%, P = 0.001)、急性運動性軸索性ニューロパチー(64% vs 11%, P = 0.003)、回復の遅れ (健康まで回復: 29% vs 78%, P = 0.011; 小徴候はあるも走るのは可, 64% vs 11%, P = 0.003)を認めた。臨床症状は抗ガングリオシド抗体陽性の大人と一致した。抗ガングリオシド抗体テストは何回も神経伝導速度を測定したくないギランバレー症候群の小児患者の予後を予想するのに有用であろう。