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カテゴリー「睡眠」の9件の投稿

2009年10月 8日 (木)

乳幼児睡眠異常症のリスク要因

Risk factors and consequences of early childhood dyssomnias: New perspectives.
Sleep Med Rev. 2009 Oct;13(5):355-61. Epub 2009 Jan 29.

乳幼児睡眠異常症のリスク要因についての論文です。睡眠異常は乳幼児でかなり見過ごされている。ここでは乳児期に起きる睡眠異常の要因の経験に基づいた統合モデルを提唱する。このモデルでは、子供の睡眠時間に対する自律性を妨げるような両親の行動が、睡眠異常症をおこす最初の背景にあるとしている。たとえば小児が寝付くまでの両親の添い寝や寝たあとの添い寝などである。このモデルではまた小児期の慢性的な睡眠不足の結果にもふれている。少なくとも3つの発達要素が関係している。行動社会的能力、認知機能、全身状態である。3.5歳以前に夜間睡眠時間が少ない小児は、11時間きちんと寝ている児に比べ、6歳時点で多動・衝動スコアが高く、認知機能は低い。さらに乳幼児期に短時間睡眠が続くと6歳時点での肥満頻度が上がる。最後に最適な小児発達のために乳幼児期に少なくとも10時間は寝るようNational Sleep Foundation Pollは提案している。

2009年4月23日 (木)

小児のナルコレプシー

Narcolepsy in childhood.
Sleep Med Rev. 2009 Apr;13(2):169-80. Epub 2009 Jan 18.

小児のナルコレプシーについての論文です。ナルコレプシーは、中年によく診断される慢性疾患である。しかしながら最初の徴候はしばしば小児期、思春期に現れる。ナルコレプシーの小児ケースではしばしば過小評価され、見逃されている。この事実により、診断の遅れという臨床的見地から診断の遅れの理由やどんな種類の診断補助検査が考えられるかといった疑問が現れた。この研究の目的は、ナルコレプシーの小児期の臨床的いくつかの特徴を明らかにし、睡眠検査やHLA検査、脳脊髄液のハイポクレチン測定といった初期診断のための補助診断検査の役割を決定し、小児期における最もよくある誤診について注意を向けることである。幼少時のカタレプシー発作を繰り返させば、二次的に起こった原因を除外するために詳細に臨床的神経画像的、遺伝的検査を行うべきである。典型的な徴候(日中の過度の眠気、カタプレキシー、睡眠麻痺、入眠時もしくは覚醒時幻覚)のほかに、肥満や夜間過食などのいくつかの別の特徴が明らかになった。また学校の成績の悪さや感情障害などもよく合併していた。治療は学校での問題が進む前にできるだけ早く行うとよく、学校と家庭での密接な連絡が必要である。

2009年4月18日 (土)

小児の閉塞性睡眠時無呼吸の検査治療のまとめ

Interventions for obstructive sleep apnea in children: A systematic review.
Sleep Med Rev. 2009 Apr;13(2):123-31. Epub 2008 Dec 6.

 小児の閉塞性睡眠時無呼吸の検査治療のまとめです。閉塞性無呼吸はいびき、息のしづらさ、睡眠関連の低酸素症、中途覚醒を特徴とし、小児の約3%に認める。小児の閉塞性無呼吸の治療として薬物療法、行動療法、機器療法、外科療法の効果についてまとめた。書誌データベース、関連のある議事録、試験一覧を調べた。客観的(ポリソムノグラフィーでのアプネアIndex、呼吸障害インデックス)に閉塞性無呼吸と診断され治療された小児を対象にした無作為試験をまとめた。1690の関連研究が見つかった。基準を満たす5つの試験では、7つの異なる治療について調査していた。それはステロイド鼻腔投与、アデノイド扁桃摘出、上顎延長術、温度制御高周波アブレーション、口腔装置、CPAP、BiPAPであった。ステロイド鼻腔投与は、プラセボと比べて、かなりアプネアIndexを減らした。温度制御高周波アブレーションとアデノイド扁桃摘出術は呼吸障害Indexを減らすのに同程度効果があった。CPAPとBiPAPはアプネアIndexを減らすのに同程度効果があった。口腔装置の効果については、十分な証拠はなかった。閉塞性無呼吸の治療研究は広く行われているが、それらの使用に関する十分な証拠はない。より一般的か推奨以前にさらなる研究が必要である。

2009年3月 4日 (水)

睡眠障害により幼稚園1年目には不適切かどうかわかる

Kindergarten Children's Failure to Qualify for First Grade Could Result From Sleep Disturbances.
J Child Neurol. 2009 Feb 2.

 睡眠障害により幼稚園1年目には不適切かどうかわかるという論文です。毎年幼稚園1年目の7-15%の児が1年目としてまだふさわしくないということがわかっている。今回睡眠障害が学齢成熟の因子になるかどうか、また神経認知能力や行動と関係があるかどうか調べた。148人の幼稚園児を対象とした。この中には教育専門家により1年目としては早いと診断された50人も含んでいる。1年目に達した98人は小児は、コントロールとした。すべての小児とその親は睡眠に関する質問紙に記載し、認知行動評価とともに1週間の睡眠覚醒研究を行った。1年目に達しない小児グループでは総睡眠時間がかなり短く、睡眠効率が減少し、夜間覚醒時間が増えていた。睡眠異常と認知行動スコアとの間に強い関係があった。結論として1年目に達しない小児はかなり劣った睡眠パターンを呈した。睡眠異常は認知、感情の不成熟と関係を認めた。

 ということは睡眠リズムがしっかりしていない児は幼稚園1年目レベルに達していないといことかな。

2009年3月 3日 (火)

Kleine-Levin症候群

Kleine-Levin syndrome.
Pract Neurol. 2009 Feb;9(1):42-5.

Kleine-Levin症候群についての論文です。Kleine-Levin症候群は、別名Rip van Winkle病として知られているもので、まれな睡眠障害である。主に10代の男児が罹患し、その特徴は間欠的過眠、行動認知異常、過食、時に過剰性行動を呈する。それぞれのエピソードは1-2週間続き、それ以外の期間は患者は無症状である。明らかな原因はわかっていないが、下垂体の機能不全が疑われている。再燃は数週~数ヶ月ごとにおき、この状態が数十年以上続き、自然に治る。効果的治療はないが、気分安定薬であるリチウムやメチルフェニデート、モダフィニルのような刺激薬が試されている。

その昔過眠の子がいて、この症候群を疑ったことがありました。QOLがとっても悪い病気という印象でした。結局繰り返さずすぐに治りました。たぶん違ったのだと思います。

2008年11月28日 (金)

パラソムニア

Parasomnias of childhood.
Curr Opin Pediatr. 2008 Dec;20(6):659-65.

パラソムニアについてのレビューです。開業医院でのパラソムニアの子供の診断と治療をする医師の能力を高めることを目的とする。学校前の子供の80%以上が寝ボケなどのパラソムニアを経験する。睡眠の持続の制御が不安定なため、夢遊病や夜驚などを来たす。カタスレニアや夜間のうめき声は大人でも認めるパラソムニアでありしばしば小児期に発症する。睡眠始動、常同運動、睡眠麻痺、錯乱覚醒、夢遊病、夜驚、夜尿、悪夢のような小児のパラソムニアについて述べた。こららのイベントは両親にとってかなりの悩みや心配となる。ほとんどのパラソムニアは問診のみで診断できるが、なかには正確な診断や背景にある誘因を調べるのに夜間のポリソムノグラフィーが必要なこともある。夜間ポリソムノグラフィーの所見を述べる。夜驚や錯乱覚醒、夢遊病は痙攣と見間違う。鑑別点をのべる。多くの小児パラソムニアには遺伝的な素因がある。行動療法を含めた治療法についてまとめる。不幸なことにエビデンスに基づいた提言はまだ無く、夜尿の治療はいまだに試行錯誤状態である。

 外来をやっているとたまに寝ぼけや夜驚の相談があります。なかにはてんかんと紛らわしいものもあり、終夜脳波をとる例もあります。

2008年9月17日 (水)

小児の睡眠時周期的四肢運動

Correlates of periodic limb movements of sleep in the pediatric population.
Pediatr Neurol. 2008 Jul;39(1):33-9.

 小児における睡眠時周期的四肢運動の関連要因についての論文です。睡眠時周期的四肢運動は小児においては臨床的に過少診断されている。ポリソムノグラフィーは最も正確な診断検査である。小児のポリソムノグフラフィーに関する情報は乏しく、今回ポリソムノグラフィーを用いて睡眠時周期的四肢運動の有病率や関連要因について評価してみた。睡眠時周期的四肢運動は982回ポリソムノグラフィーを施行したところ77人に認められた。有病率が7.8%で男子のほうが多かった(47男児:30女児)。平均年齢は9.4歳(+/- 4.2)で、BMIは24.1(+/- 12.3)であった。平均睡眠時間は395.4分(+/- 73.4)であり、REM睡眠は16.6%(+/- 6.7%)、深睡眠は22%(+/- 10%)であった。睡眠効率は93.8(+/- 9.83)で、睡眠時周期的四肢運動指数は9.78(+/-7.9)で覚醒時の周期的四肢運動は4.5(+/- 8.4)であり、覚醒指数は27.8( +/- 12.4)、呼気終末二酸化炭素濃度は48.9 +/- 10.5 mm Hgであった。合併症として77人中睡眠時無呼吸は36人(46.8%)ADHDは10人 (13%)、片頭痛は7人 (9.1%)、けいれんも7人 (9.1%)、自閉症関連疾患は、 5人 (6.5%)、ナルコレプシーは7人 (9.1%)であった。血清フェリチンは29人で減少していた(平均26.1 mug/L) 。今後の研究ではポリソムノグラフィーで見つけた小児の偶発的な睡眠時周期的四肢運動の意味を明らかにすることである。

 調べたところによると足むずむず病は有名ですが、今回の睡眠時周期的四肢運動(PLMS)は、睡眠時に親指、足関節の背屈運動であり、周期的 (規則的) におこる不随意運動です。足むずむず病は入眠前)の疾患に対し、PLMSは入眠後の疾患です。浅いノンレム睡眠で起りやすく、深いノンレム睡眠やREM睡眠では殆どみられません。PLMSは中途覚醒の原因となるが、中途覚醒が少なければ日中傾眠の原因にはなりません。夜間後半から早朝にかけて軽減ないし消失し、カフェインや疲れで増悪します。nasal CPAPによる睡眠時無呼吸の治療開始後、無呼吸が減少したにも関らず、不眠や過眠が改善しない時には、 PLMSの出現や増悪が原因かもしれません。この時はPLMDの治療をします。ランドセンなどが効くそうです。

periodic limb movement index(/hour)=number of PLMS per hour of sleep=total number of PLMS / (TST(min)/60min) ; greater than 5 is considered pathologic; 5 to 24 mild, 25 to 49 moderete, ≧ 50 severe

arousal:覚醒

2008年9月 5日 (金)

REM睡眠

Rapid Eye Movement Latency in Children and Adolescents
Pediatric Neurology 39, 3, 2008, Pages 162-169

小児、思春期におけるREM睡眠時間についての論文です。

REM睡眠の時間は発達とともに変化していくが、年齢、性、睡眠異常におけるREM睡眠時間についてはよく知られていない。私たちは以下のような仮説を立てた。(1)REM睡眠時間は正常児において年齢によって異なり、若いほど短い。(2)小児におけるREM睡眠は大人のものとは異なる。(3)ナルコレプシーや閉塞性無呼吸といった睡眠異常では、REM睡眠の正常な発達パターンを障害する。調査票には後方視的に終夜ポリソムノグラフィーによって測定されたREM睡眠時間や他のパラメーターが含むようにした。98人のコントロール、90人の閉塞性無呼吸、13人のナルコレプシー患者が含まれていた。REM睡眠における年齢、性では統計的な重要な差はなかった。しかしながらREM時間は年長児のグループ内ではより年長ほど短いという逆相関を認めた。健康な小児ではREM睡眠は大人より長かった。正常なコントロール患者さんでは、閉塞性の無呼吸患者やナルコレプシー患者より長かった。

正常な子どもほどREM睡眠は長いのですね。

2008年8月26日 (火)

足むずむず病

Early manifestations of restless legs syndrome in childhood and adolescence.
Sleep Med. 2007 Nov 15. [Epub ahead of print]

 小児と思春期の足むずむず病(restless legs syndrome :RLS)の初期症状についての論文です。小児と思春期の初診時にRLSの診断基準には完全には合致しないが、その後のフォローアップでそう診断された小児と思春期患者さんの症状を調べる。小児の睡眠神経専門病院で治療している一つの大病院の小児科のRLSの全ての患者を後方視的に検討した。診断基準にあったりあわなかったりする18人の子供と思春期患者をカルテ審査により対象とした。一人以外みんなポリソムノグラフィーを実施していた。10人の女児と8人の男児で、全ての患者が臨床的に睡眠障害を初期にはわずらっていた。最初の睡眠障害は平均10.3歳でRLSと診断されたのは平均14.7歳であった。感覚性のRLSでは、慢性睡眠障害は平均3.1歳で始まり、10ファミリーでは乳児期に発症している。18人中16人が入眠困難で8人が睡眠持続障害であった。10人が成長痛の既往があり、13人がRLSの家族歴があった。PSGにて17人中11人が1時間に5回、睡眠中に足を周期性に動かした。合併症として7例にパラソムニア、13人にADHD、4人にODD、6人に不安障害、5人にうつ病を認めた。血清フェリチンは18人中16人で50以下であった。18人中平均11.6歳で睡眠障害がRLSの診断前に先行した。多くは周期性下肢動異常(PLMD)といった診断やRLSのprobable or possibleといった診断をされていた。RLSではこれらの状態が長期間続くようだ。合併症をよく認め、parasomnias, ADHD, ODD, anxiety, and depressionであるが、それぞれが20%以上の人に認めた。この仕事により2003年のNIHの小児RLSの診断基準ができた。

 足むずむず病は初期は睡眠障害から始まるんですね。そんな感じがします。比較的長期間こんな状態が続いてから診断基準を満たすようになるんですね。睡眠障害のせいか、合併症も多いみたいです。早めに見つけて治療するのが大切なんですね。

initial consultation:初診
chart review:カルテ審査
Comorbidities:合併症