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カテゴリー「発達遅滞」の23件の投稿

2009年11月24日 (火)

Worster-Drought症候群

Worster-Drought syndrome: poorly recognized despite severe and persistent difficulties with feeding and speech.
Dev Med Child Neurol. 2009 Oct 12.

Worster-Drought症候群(重度で持続的な摂食、言語障害にもかかわらずあまり知られていない)についての論文です。Worster-Drought症候群(WDS)もしくは先天性核上麻痺は、延髄筋の持続する運動異常で、初期脳発達の非進行性障害による嚥下、摂食、言語、唾液コントール異常を引き起こす。それ自体は脳性まひに含まれる。このスタディの目的は、WDSの小児の身体的、神経精神的な特徴を調べることである。42人のWDSの小児(26人が男児、16人が女児、平均年齢が7歳10カ月、SD3歳1カ月、2歳6カ月から16歳5カ月)が標準プロトコールを用いて前方視的に調べた。全員が重度の延髄機能障害を持ち、42人中36人が摂食障害、38人中23人が喃語で、コミュニケーションを増やしてもあまり変わらなかった。認知面での合併障害もあり(平均言語IQが59)で、行動異常(40人中12人でADHD)、社会コミュニケーション障害(42人中8人で自閉症)、てんかん(39人中12人でてんかん)もあった。延髄機能障害の重症度と合併障害により、正確な評価方式を使うことが難しかった。WDSのは重度で持続的な延髄障害を呈し、他の脳性麻痺と同様に合併障害もある。言語予後は大抵悪い。予後を改善するには早期の診断と背景となる神経学的評価により、発達の介入と長期計画を進めるとよいだろう。

2009年11月21日 (土)

アスペルガー症候群の免疫アレルギー反応

Immune allergic response in Asperger syndrome.
J Neuroimmunol. 2009 Oct 17.

アスペルガー症候群の免疫アレルギー反応についての論文です。アスペルガー症候群は、言語障害はなく、認知能力の保たれた社会性の障害を特徴とする自閉症の一種である。自閉症の生物学的機序は、いまだ解明されていないが、免疫バランスの異常と自閉症の関係には議論はあるが一定の証拠がある。アトピーの家族歴を含む臨床所見、血清IgE所見、皮膚テストによると、アトピーの存在は健康な対照群に比べてよりアスペルガー群で高いことがわかった。この所見はアトピーはしばしば自閉症の一群で認め、アレルギー性の炎症はアスペルガー症候群の重要な所見であるということを意味している。

2009年11月 8日 (日)

レット症候群の寿命

Longevity in Rett Syndrome: Analysis of the North American Database.
J Pediatr. 2009 Sep 19.

レット症候群の寿命についての論文です。今回の目的はレット症候群の寿命について大規模コホートにより調べることである。研究デザインは北アメリカレット症候群データベースによりアメリカとカナダのレット症候群の大規模コホートにおける寿命を調べた。このデータベースは1928人の情報を含み、典型的なレット症候群が85.5%、非典型的なレット症候群が13.4%、レット症候群ではないがMECP2遺伝子の変異例が1.1%である。カプランマイヤー分析で寿命を解析した。初期の10年での集団は最近の集団よりも高い生存率で、ほとんどが中年まで生きていた。典型的なレット症候群と非典型的なレット症候群で全体の生存率を比較すると、典型的なレット症候群のほうが、観察期間での致死率が高かった。
レット症候群でMECP2遺伝子変異が同定された群とされていない群で生存率を比較すると、されていない群のほうが致死率は高かった。この分析ではレット症候群での寿命における強いエビデンスができ、レット症候群の女性たちの長期にわたるケアの計画の必要を示せた。初期の10年での集団で認めた不釣り合いな生存率の高さは、診断前に死んでしまうということが原因と思われ、また非典型的なレット症候群で認めた不釣り合いな生存率の高さは、非典型的な理由がより軽症である(たとえば喋れたり、遅発発症)ということが原因であると思われた。

2009年11月 6日 (金)

277人の双生児における自閉症の特徴と一致

Characteristics and concordance of autism spectrum disorders among 277 twin pairs.Arch Pediatr Adolesc Med. 2009 Oct;163(10):907-14.

277人の双生児における自閉症の特徴と一致についての論文です。自閉症スペクトラム疾患(ASD)の遺伝的特徴を調べ、卵性、性別、ASDの特異的診断による双生児間での他の特徴を調べることが目的である。研究デザインは横断研究で、アメリカにおけるインターネットによる自閉症登録者で調査した。277人(210人の二卵性、67人が一卵性)の双生児のペアで18歳以下で、少なくとも一人はASDであるペアを対象とした。卵性と性別での違いでの双生児の診断、自然歴、標準化自閉症スクリーニングの結果の一致を調べた。ペアでのASDの一致率は二卵性で31%で、一卵性で88%であった。双生児男女別でみると、女性一卵性では100%、男性一卵性では86%であり、男子男子の二卵性では40%に対し、少なくとも一人が女性の二卵性では20%と低かった。双生児の片方がASDと診断されてから次が自閉症と診断される割合は、一卵性のほうが二卵性より7.48倍高かった。自閉症と診断された二卵性双生児では一卵性よりも早異年齢から親は心配し、より早く知的障害と診断される。一卵性双生児では、双極性障害やアスペルガー症候群を合併しやすく、とくに後者での一致率は高い。親の報告による自閉症スクリーニングの結果では、90%以上でASDとされた。二卵性に比べ一卵性のほうがASDの一致率が高いことが今回のデータで明らかになった。全体的に高機能精神疾患の合併、アスペルガー症候群の一致率が二卵性よりも一卵性で高いのはまた、いろいろなASDにおいても異なる遺伝性があることを示唆する。一人のASDをもつ一卵性双生児の家族に対しては、もう片方は12カ月過ぎてからASDと診断されることはないといえる。またインターネットのASDの親の報告は信頼できる。

2009年11月 3日 (火)

小児期での血清抗胎児脳抗体では自閉症を予測できない

Childhood serum anti-fetal brain antibodies do not predict autism.
Pediatr Neurol. 2009 Oct;41(4):288-90.

小児期での血清抗胎児脳抗体では自閉症を予測できないという論文です。自閉症の自己免疫仮説は、母の抗体の子宮内の経胎盤曝露と生後での抗体産生によるというものである。
自閉症の子供をもつ幾人かの母親はヒト胎児脳に対する特異抗体を持ち、これが普通の子を持つ母親と彼女らとの違いであると以前の研究では言っている。今回ウェスタン免疫ブロット法を用いて、自閉症の子供が、正常コントロール群と比べてヒト胎児脳に対する抗体活性を持っているかどうか調べた。自閉症小児と正常対照群では、36、39、61、73kDaにある活性バンドに注目して、血清IgG分画と脳アクチン分画を集めてきたところ、それらの活性に大きな差はなかった。よって母親とは違い、3-12歳の小児で測定した抗ヒト胎児脳抗体活性は、自閉症のバイオマーカーとはならないようである。

2009年10月17日 (土)

スミスマグニス症候群の3歳以下での神経発達

Neurodevelopment of children under 3 years of age with Smith-Magenis syndrome.
Pediatr Neurol. 2009 Oct;41(4):250-8.

スミスマグニス症候群の3歳以下での神経発達についての論文です。スミスマグニス症候群における初期の神経発達機能に関するデータは限られている。スミスマグニス症候群の3歳以下の11人(平均19か月、5-34か月)に、標準スコアを用いた多施設前方視評価を行った。全体的に認知機能、表出言語、運動能力、全身の筋緊張低下、口運動異常、中耳障害において中等度から重度の遅滞といったスコアを示した。社会能力は平均的で、平均以下であった日常生活動作、コミュニケーション、運動能力に比べ、かなり高値を示した。平均行動レベルは非自閉症レベルであった。さらに詳しく分析すると、幼児では乳児に比べ認知機能、表出言語、適応行動でかなりスコアは低かった。それは同年代と比較たとき、乳児期よりも幼児期の方がより遅れていると考えられる。1歳以下の乳児では認知機能、言語、運動能力は平均もしくは遅延であるが、年齢相当の社会スキルと最低限の不適応な行動がみられだけである。2-3歳では、楊枝は常に認知、表出言語、適応行動、運動で遅延しており、軽度から中等度の自閉傾向を認める。この研究において、年齢を合わせてしまうと発達、行動異常が目立たなくなる。初期の神経発達の特徴がわかると診断や適切な介入ができる。

2009年9月27日 (日)

4年間のオキサンドロレンのターナー症候群女児の重度の算数学習障害に対する治療効果

Effects of Treatment with Oxandrolone for 4 Years on the Frequency of Severe Arithmetic Learning Disability in Girls with Turner Syndrome.
J Pediatr. 2009 Jul 28.
4年間のオキサンドロレンのターナー症候群女児の重度の算数学習障害に対する治療効果についての論文です。ターナー症候群の女児における算数能力のアンドロゲン治療による効果を調べた。対象は10歳から14歳の44人の女児で、4年間アンドロゲンであるオキサンドロレンとプラセボを服用してもらった。全員が成長ホルモンとエストロゲン補充療法を併用した。重度の学習障害の女児の数を、WRAT-3算数、読書評価テストで年ごとに調査し、4年で、WIAT NOSと読書テストで評価した。WRAT-3において重度の算数障害の数は、1年2年では投与群とプラセボ群で似通ったものであった。3年、4年では投与群はプラセボ群よりも重度の学習障害は少なくなった(year 4: 0/22 vs 5/21, P = .02)。4年時のWIAT NOSでは投与群はプラセボ群よりも重度の学習障害は少なくなった(3/21 vs 8/20, P = .09)。WIAT NOSエラー分析では、投与群での改善は掛け算と割り算での改善と関係があるとされた。WRAT-3読書テストでの重度の学習障害の頻度は、投与群とプラセボ群では各年代似通っており、4年でのWIAT読書テストでもそうであった。ターナー女児に4年間アンドロゲンを投与すると重度の算数障害の頻度を少しだけ減らすことができるが、読書能力には効果がない。

2009年9月22日 (火)

26週以前に生まれた児の11歳時点での神経発達障害

Neurodevelopmental disability through 11 years of age in children born before 26 weeks of gestation.
Pediatrics. 2009 Aug;124(2):e249-57. Epub 2009 Jul 27.

 26週以前に生まれた児の11歳時点での神経発達障害についての論文です。今回、26週以前に生まれた児の11歳時点での神経発達障害と6-11歳での所見の変化について調べた。対象は1995年に生まれた307人の児で、うち219人を11歳時点で評価した。153人のクラスメートもコントロールとして同時に評価した。小児は認知能力と臨床所見を標準化テストを用いて評価した。コントロールのデータを用いて平均と重度の認知障害(-2SD以下)の基準を決めたところ、11歳時点で超早産児の40%とコントロールの1.3%が重度の認知障害(-2SD以下)であった。オッズ比が50で、CIが12-206であった。また17%の超早産児が脳性麻痺で、中程度もしくは重度の神経運動障害が10%、視力障害が9%、聴力障害が2%に認めた。それらを合わせると、45%の超早産児が重度の機能的障害を持っているのに対し、コントロールでは1%であった(OR: 61 [95% CI: 15-253])。これは女児よりも男児で顕著であった(OR: 1.8 [95% CI: 1.0-3.1])。また25週生まれと比較して、23,24週生まれでは顕著であった(OR: 1.8 [95% CI: 1.0-3.1])。重度の機能的異常の有病率は6歳時点で46%で、11歳時点で45%であった。選択的ドロップアウトを正すための多重補完により、超早産児の50%が、11歳時点では障害がないと推測された。超早産児は正産児に比べて、11歳時点での神経発達障害のハイリスクであるといえる。障害の有病率は6歳から11歳まで変化はなく、障害の軽快、悪化はあまり認めなかった。

2009年8月18日 (火)

Y染色体と自閉症の関係

Association of Y Chromosome Haplotypes With Autism.
J Child Neurol. 2009 Jul 15.
Y染色体と自閉症の関係についての論文です。自閉症は明らかに男児のほうが多い。この研究ではハプロタイプ分析により考えうるY染色体の効果について調べた。今回、ヨーロッパ、アメリカ出身の146人の自閉症の患者と102人のコントロールにおいて、Y染色体上のニューロリジン4、トランスドゥシンベータライク1、 eukaryotic translation initiation factor 1a遺伝子の12のSNPを調べた。 自閉症ならびにコントロール群で、12のSNPは9つのY染色体のハプロタイプを決めていた。2つのよくあるハプロタイプは、自閉症群もコントロール群も同様に認めたが、いくつかのハプロタイプは自閉症群で、多くもしくは少なく認めた。自閉症群とコントロール群でのハプロタイプの分布は、Clump softwareのMonte Carlo testでは、かなり異なっていた。この結果は自閉症にY染色体が関連していることを示唆していた。

2009年5月22日 (金)

妊婦のコルチゾールレベルの上昇と小児のIQの低下との関係

Elevated maternal cortisol levels during pregnancy are associated
with reduced childhood IQ.
Int J Epidemiol. 2009 May 7.

妊婦のコルチゾールレベルの上昇と小児のIQの低下との関係についての論文です。動物モデルでは母体のコルチゾールレベルとその子供たちの行動には因果関係があると推測されているが、人では結論が出ていない。今回、妊娠後期における母体コルチゾールと小児のIQの関係を、本人と兄弟について調べてみた。collaborative
Perinatal プロジェクトのメンバーである832人の小児が研究に参加した。1959年から1966年に妊娠後期の集めた母体血清からフリーコルチゾールを分析した。7才時点におけるWICSのVIQ、PIQ、全IQと母親のコルチゾールとの関係を調べた。妊娠経過と家族特性を合致させた。74人の同胞についても同じ調査をした。母のコルチゾールレベルは、全IQ、特に言語IQと負の相関を示した。コルチゾールが一番低い母と比べて、最も高い母から生まれた児の言語IQは3.83低かった(95%信頼区間ー6.44~ー1.22)。兄弟のうち、コルチゾールの最も高い母から生まれた児は他のものに比べ、言語IQは5.5ポイントも低かった。この所見により人も動物も胎内で高コルチゾールにさらされると、出生後の環境に関わらず子供の認知機能に影響をすることが示唆された。