2009年12月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ

カテゴリー「脳炎・脳症」の29件の投稿

2009年12月 5日 (土)

プロバイオティックスの使用により起きた乳酸菌脳症

A case of D-lactic acid encephalopathy associated with use of probiotics.
Brain Dev. 2009 Nov 14.

プロバイオティックスの使用により起きた乳酸菌脳症に関する論文です。5歳の女児が間欠的失調の精査目的で入院した。彼女は生後小腸を部分切除しており、短腸症候群であった。神経徴候が現れる2週間前に、下痢のため正規量の2倍のラクトミンを処方された。血清D乳酸レベルが5.537mmol/lとなりD乳酸血症と診断された。ラクトミンは中止され、重炭酸塩と経口の抗生物質で治療された。患者に与えたプロバイオディックスが、おそらくD乳酸血症の原因であり、短腸症候群の患者では、避けるべきだと思われた。

最近のJ Child Neurolのタイトル

47XXYはアイカルディ症候群の遺伝的マーカーか?
「アイカルディ症候群の男性症例」の意見に対する回答
絨毛膜羊膜炎による虚血性周産期梗塞
ガストー型の小児後頭葉てんかん。まとめと頭痛や他のてんかんとの鑑別
家族性腫瘍症候群における神経腫瘍
小児てんかんに対するルフィナミドの安全性と耐容性(7つのスタディの分析)
スフィンゴリピッド活性化プロテインB欠損症(MLD様):9人のサウジ患者と文献的考察
うつは神経疾患である。
前大脳動脈還流系の梗塞とワーラー変性にも関わらず、片麻痺と空間無視から回復した小児
ホンジュラスにおける代謝遺伝病のろ紙血検査の有用性
非ケトン性高グリシン血症関連の難治てんかん2症例に迷走神経刺激術を施した効果
小児脳腫瘍の診断と治療
小児脳腫瘍患者の晩期治療影響
小児脳腫瘍患者の神経的後遺症
歴史的観点からみた中枢神経胚細胞腫瘍の分類、臨床所見、治療
上衣腫

2009年12月 1日 (火)

再発性ADEMの小児患者の長期予後

Long-Term Prognosis of Pediatric Patients With Relapsing Acute Disseminated Encephalomyelitis.
J Child Neurol. 2009 Oct 6.

再発性ADEMの小児患者の長期予後についての論文です。急性散在性脳脊髄炎(ADEM)に関する長期予後データは知られているが、はっきりとした定義がないため、その病状の範囲は広いものとなっている。国際小児多発性硬化症研究グループの定義を用いて、ADEM小児の長期予後を特に再発群に対して調べてみた。中枢神経系の炎症性脱髄を初めて起こした86人のうち、33人(38%)が、今回の研究グループのADEMの基準を満たし、うち9人が再発症例であった。再発症例の平均経過観察期間は12.8年で、ADEM全症例の平均経過観察期間は9.2年であった。再発リスクは27%であるが、ADEMから多発性硬化症へのリスクは6%と低いものであった。最初の3年間は再発が多いが、長期に観察すると全再発症例で予後はよかった。

最近のPediatric Neurologyのタイトル

ロタウイルスによる脳梁一過性病変
Andersen-Tawil症候群患者でKCNJ2遺伝子の新規変異が見つかる。
小児のビンクリスチン誘発片側眼瞼下垂
脳腫瘍関連の2次性チックとトゥーレット症候群
一次性頭蓋内脳実質外テント上非典型的横紋筋様腫瘍
失調のない急性の眼球運動失行としての単独眼瞼下垂と抗GQ1b抗体陽性
髄液ネオプテリンとCryopyrin 関連周期熱症候群
神経線維腫症における巨大嚢腫
多種のてんかん症候群における年齢依存性局所性棘波
バルプロ酸投与中の代謝変化
良性局所性てんかん性異常波をもつ小児欠神てんかん
CD40リガンド欠損の神経的後遺症と画像との関係
台湾の小児におけるけいれん性てんかん重積の分析
拡散強調画像は小児脳損傷の発見を予測する
正期産分娩時仮死後の異常神経予後の範囲
染色体マイクロアレイの解釈
重度の脳異常発達にもかかわらず温存された皮質脊髄路と手の機能
迷走神経刺激装置のある患者さんへのMEG分析
脳死から可逆的所見を示した10か月児

2009年11月23日 (月)

若年小児のNMDA受容体抗体脳炎の広域スペクトラム

Expanding Spectrum of Encephalitis With NMDA Receptor Antibodies in Young Children.
J Child Neurol. 2009 Oct 15.
若年小児のNMDA受容体抗体脳炎の広域スペクトラムについての論文です。今回亜急性のNMDA受容体抗体脳炎の2症例について報告する。一人は神経芽腫と関連のある傍腫瘍症候群で、もうひとつが腫瘍とは関係のないものである。この病気は元来、傍腫瘍症候群として若年女性の卵巣奇形腫に認めるものとされていた。両小児の臨床症状は、これまでのこの病気の年長の患者の症状に似ていた。精神発達遅滞、行動障害、けいれんなどである。今回の一人は、小児神経芽腫におけるNMDA抗体関連傍腫瘍脳炎の最初の報告例である。今回報告した2例は以前報告されたどの症例よりも若年である。最近の報告例と同様に、NMDA抗体関連脳炎の症候のスペクトラムはおそらく以前考えられていたよりも広いものだとこの報告は示している。

2009年9月24日 (木)

小児、思春期の抗NMDA受容体脳炎

Anti-N-methyl-D-aspartate receptor (NMDAR) encephalitis in children and adolescents.
Ann Neurol. 2009 Jul;66(1):11-8.
小児、思春期の抗NMDA受容体脳炎についての論文です。18歳以下の患者の抗NMDA受容体脳炎の臨床的特徴を調べた。筆者個人の経験や、参照文献から調べた。抗体は、NR1を異所性に発現するHEK283細胞を用いた免疫化学やELISAによってなされた。のべ8か月で抗NMDA受容体脳炎の81人の患者(12人が男性)を集めた。32人(40%)が18歳以下で、最年少が23か月、平均が14歳で。6人が男性であった。卵巣奇形腫が18歳より上の女性の56%に認め、18歳以下では31%。14歳以下では9%であった。男性患者では一人も腫瘍はなかった。32人の18歳以下の患者のうち、87.5%が行動、人格の変化を伴い、時にけいれんや睡眠障害も呈した。9.5%はジスキネジアやジストニア、3%で言語減少を認めた。入院後、53%が重度の言語障害を呈した。77%がけいれんを、84%が多動を、86%が自動運動を、23%が低換気となった。免疫療法への反応はゆっくりで多様であった。74%が、免疫療法や腫瘍摘出後に完全もしくは大方の回復を認めた。神経症状の再発は25%に認めた。最後の観察時点では、卵巣奇形腫摘出後の患者(5/8)では、卵巣奇形腫がなかった患者(4/23; p = 0.03)よりも、完全回復が多かった。抗NMDA受容体脳炎は小児でも徐々に診断されるようになり、全患者の40%にのぼる。若年患者では、あまり腫瘍関連ではないようだ。行動、言語障害、痙攣、異常運動などがよく認める症状である。成人と表現形は似ているが、自律神経障害や低換気は小児ではあまり認めないか、認めるとしたら重度である。
   

2009年9月13日 (日)

扁桃ヘルニアと水頭症を呈した急性小脳炎

Acute cerebellitis presenting as tonsillar herniation and hydrocephalus.
Pediatr Neurol. 2009 Sep;41(3):200-3.

扁桃ヘルニアと水頭症を呈した急性小脳炎についての論文です。急性の小脳炎はまれな炎症症候群で、しばしば急性発症の小脳の機能異常が特徴となる。今回急性の小脳炎をていした5歳女児と11歳男児を経験した。両者ともに扁桃ヘルニアと水頭症を呈した。原因は5歳女児のほうがマイコプラズマ感染で、11歳男児は不明であった。女児はステロイドと利尿薬、ビブラマイシンで保存的に治療された。男児は脳室切開術が必要とされた。両者ともに完全に回復し、予後は良好であった。

2009年9月11日 (金)

劇症型小脳炎(致死的で臨床的に単独の症候群)

Fulminant cerebellitis: a fatal, clinically isolated syndrome.
Pediatr Neurol. 2009 Sep;41(3):220-2.
劇症型小脳炎(致死的で臨床的に単独の症候群)についての論文です。急性の小脳炎は、臨床的に単独の症候群で、しばし小児期に生じ、ウイルスや自己免疫の機序が考えられる。報告ではこの症候群は、さまざまな経過をたどるが、たいていは予後良好である。小脳が腫脹し、水頭症や脳幹の圧迫を伴う急性の小脳炎では、例外的に致死的となる。今回9歳の男児が、急性の劇症型の小脳炎を呈し、脳幹部の腫脹のため亡くなった。CTやMRIでは急速の病気の進行を認めた。この致死的な状態に関する疫学、臨床経過、治療方法について短くまとめた。

2009年8月30日 (日)

一過性脳梁膨大部病変は脳症の徴候かという

Is a reversible splenial lesion a sign of encephalopathy?
Pediatr Neurol. 2009 Aug;41(2):143-5.

一過性脳梁膨大部病変は脳症の徴候かという論文です。一過性脳梁膨大部病変は、さまざまな感染症と関連がある軽度脳炎脳症の患者に認められる。定義上、脳炎、脳症の報告例全員で神経的兆候を示し、多くはけいれんや軽度の意識障害、傾眠であった。今回、インフルエンザAに罹患した8歳男児を報告する。彼は神経症状を示さずに、MRIで、偶然に一過性の脳梁膨大部病変を呈した。この症例は一過性の脳梁膨大部病変が、神経症状を示さない熱性疾病でも起きることを示している。それゆえ内科医は、ただ単にMRIでの脳梁膨大部病変のみでは、患者を脳症として診断治療をすべきではないと思われた。

2009年8月19日 (水)

神経代謝病に似ている乳児における鉛脳症

Lead Encephalopathy in an Infant Mimicking a Neurometabolic Disorder.
J Child Neurol. 2009 Jul 25.

 神経代謝病に似ている乳児における鉛脳症についての論文です。7か月の小児が発達の遅れ、痙攣、知覚異常、嘔吐を呈した。上の兄弟が同じような主訴でなくなっていた。小球性低色素性貧血と腕の写真での濃い骨端線から鉛脳症が考えられた。脳のMRIでは、両側の脳室周囲と皮質下白質のびまん性の脱髄を認めた。そのようなびまん性変化はこれまでに報告がない。この子供の父親は家で不法な鉛酸蓄電池の製造を行っていた。この子供は、環境からの暴露源を取り除くとともにキレート療法を受けたところ、劇的に回復した。今回の重要な点は、原因のよくわからない脳症の鑑別診断の際には詳細な仕事歴を聞いて、鉛中毒を考えることである。

2009年7月11日 (土)

SSPE患者の脳症ならびにミオクローヌスに対しレベチラセタムが効果的であったという

Successful Treatment of Encephalopathy and Myoclonus with Levetiracetam in a Case of Subacute Sclerosing Panencephalitis
J Child Neurol 2009 24: 763-767.

 SSPE患者の脳症ならびにミオクローヌスに対しレベチラセタムが効果的であったという論文です。SSPEは麻疹ウイルスの持続感染によりおきる中枢神経の進行性変性疾患である。患者はたいていミオクローヌスと脳症を呈する。現在のところ治療手段は見つかっていない。今回12歳のSSPE患者が急性の脳症ならびにミオクローヌスを呈した。脳波では特徴的な全般性の周期性異常波を呈した。レベチラセタムはミオクローヌスにも脳症に対しても劇的に効いた。4日間効果が続いた。EEG所見も同様に改善していた。レベチラセタムはSSPEのミオクローヌスなりびに脳症といった症状に対する対症療法である。この患者においては脳波も改善させた。以上よりミオクローヌスと関連あるとされる全般性周期性異常波はSSPEの脳症とも関連していると推測している。

2009年6月22日 (月)

両側の視床壊死を伴うADEM

Acute Disseminated Encephalomyelitis With Bilateral Thalamic Necrosis.
J Child Neurol. 2009 Jun 3.

 両側の視床壊死を伴うADEMについての論文です。急性散在性脳脊髄炎は、白質を障害する中枢神経の単相性の炎症性脱髄疾患で、希であるが灰白質も障害される。両側の視床病変を小児のADEM患者の12%に認めたという報告がある。多くのケースでは、予後の良い臨床経過をたどり、完全にその障害部位は回復する。今回、両側視床障害を呈したADEMで、重度の神経学的後遺症を残した症例を呈示する。このADEMの患者にとって視床壊死により回復不能な重度の神経障害を呈したと考えられた。視床障害の有無は予後不良因子であると思われた。