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カテゴリー「てんかん」の96件の投稿

2009年11月15日 (日)

小児欠神発作におけるバルプロ酸耐性の危険因子

Risk factors for valproic acid resistance in childhood absence epilepsy.
Seizure. 2009 Oct 15.

小児欠神発作におけるバルプロ酸耐性の危険因子についての論文です。バルプロ酸は小児欠神発作の75%に有効とされる。このスタディの目的は新規に診断された小児欠神てんかん(CAE)に対するVPAの反応と関連した臨床的、社会的な因子を見つけ、これらの因子が長期の発作抑制に影響を与えているかどうかみることである。180人のCAEの小児の医療カルテを後方視的にまとめた。臨床的、脳波的、画像的所見から完全なバルプロ酸による発作抑制と長期のてんかん予後との関係をしらべた。バルプロ酸が効かなかったことに関連する因子を個々に、多変量解析にて同定した。バルプロ酸治療は112人で成功した。バルプロ酸に反応しなかった小児は、全身性の強直間代痙攣GTCSを呈しており、52.9%が治療前発作が日に10回以上認めた。またバルプロ酸に反応しなかった群に対して、反応した群は診断時年齢が高かった。長期発作抑制は、GTCSの存在、初期治療がうまくいかなかったこと、発作コントロールに多剤が必要なことと関連した。結論として、今回のスタディにより臨床発作型はバルプロ酸に対する反応と関連していることがわかった。新規に診断された欠神てんかんの小児の家族への説明の際にこのことは考慮に入れるべきである。

2009年11月 2日 (月)

小児てんかんのカルバマゼピン治療の心臓に対する影響

Cardiac effects of carbamazepine treatment in childhood epilepsy.
Neurologist. 2009 Sep;15(5):268-73.

小児てんかんのカルバマゼピン治療の心臓に対する影響についての論文です。低血圧、徐脈、AVブロックがカルバマゼピン(CBZ)の心臓血管系の影響である。しかしながら心室に対するCBZの直接的な影響は、あまりみかけない。今回もともと心臓疾患のない小児患者の心室機能に対するCBZの影響をしらべ、小児の治療量のCBZが心室機能異常や心電図変化をきたすかどうか決定した。CBZで治療されている40人(31人が男児で9人が女児)のてんかん患児がこのスタディに参加した。脳波、心電図、心エコー、脳CT、を全員に、治療前と治療後3か月、12カ月に行った。収縮期、拡張期の心室中隔厚と左室後壁、左室径をMモードで測定した。収縮期末、拡張期末容積(ml)、収縮容積(ml)、FS、EFを計算して算出した。1年間フォローし、心電図異常は誰もいなかった。左室機能を表すFSとEFは、大きな変化は認めなかった。結論としてCBZはもともと心疾患のようなリスクのない小児てんかん患者には安全な薬と思われる。リスクのあるグループで治療が行われるときは、心機能に対し、リスクを見つけ、観察していくべきだと思われた。

2009年10月27日 (火)

ビガバトリン治療でおきる小児のVacuolar Myelinopathy

Pathological Evidence of Vacuolar Myelinopathy in a Child Following Vigabatrin Administration.
J Child Neurol. 2009 Sep 22.

 ビガバトリン治療でおきる小児のVacuolar Myelinopathy(封入体性髄鞘障害)についての論文です。ビガバトリンはGABAのアミノトランスフェラーゼ阻害薬で抗痙攣薬として用いられる。動物実験では髄鞘内浮腫と白質の封入体と関連があるといわれている。同様の病理像は、この薬で治療された中枢神経系ではまだ報告がない。今回脳性の早産による低酸素性虚血性脳症の四肢麻痺小児が、9か月に始まったインファンタイルスパズムの治療のためビガバトリンを投与された。投与後すぐに重度の神経学的異常を認め、3週間後に亡くなった。神経病理検査では白質の封入体と髄鞘内浮腫を認めた。これは人においてビガバトリン誘発の髄鞘内浮腫をきたした最初の報告である。もともと髄鞘に異常をもつ乳児や小児におけるビガバトリンの安全性について正確に評価する必要がある。

2009年10月25日 (日)

カルバマゼピンもしくはバルプロ酸により治療されている思春期前てんかん小児におけるグレリンレベルの低下

Ghrelin levels are reduced in prepubertal epileptic children under treatment with carbamazepine or valproic acid.
Epilepsia. 2009 Sep 22.

 カルバマゼピンもしくはバルプロ酸により治療されている思春期前てんかん小児におけるグレリンレベルの低下についての論文です。グレリンとてんかんの関係はすでに人で示されているが、その結果は議論の余地がある。肥満の人ではグレリンレベルは低下している。てんかん患者では進行性に治療関連の体重増加を認める。しかしこのメカニズムは十分には解明されていない。今回の研究の目的は、思春期前のてんかん小児においてグレリンの分泌がカルバマゼピンやバルプロ酸による治療で変化するかどうか調べることである。カルバマゼピンやバルプロ酸治療の思春期前の正常体重のてんかん小児では、同じ年で同じような体重のコントロール集団と比べてグレリンレベルは低下している。グレリンはまたバルプロ酸に比べてカルバマゼピン投与の小児でより低い。

 グレリン (ghrelin) は、胃から産生されるペプチドホルモン。下垂体に働き成長ホルモン (GH) 分泌を促進し、また視床下部に働いて食欲を増進させる働きを持つ。GHS-R (growth hormone secretagogue receptor) の内因性リガンドである。グレリンの投与により、体重増加、脂肪組織の増大がみられることから、脂肪細胞が産生する抗肥満ホルモンであるレプチンに拮抗するホルモンであると考えられている。

2009年10月22日 (木)

難治性てんかんの4歳以下の追加治療としてのレベチラセタム効果と安全性

Efficacy and Safety of Levetiracetam as an Add-On Therapy in Children Aged Less Than 4 Years With Refractory Epilepsy.
J Child Neurol. 2009 Sep 24.

難治性てんかんの4歳以下の追加治療としてのレベチラセタム効果と安全性についての論文です。ここ10年レベチラセタムの多くの研究が、4歳以上で行われた。今回4歳以下の難治性てんかんの小児の追加治療としてのレベチラセタムの効果と安全性について評価した。今回の研究における24人の平均のレベチラセタム量は、38.85mg/kg/dayで平均投与期間は40週であった。この研究期間中、レベチラセタムは、2人で発作増悪のため漸減中止となり、別の二人では副作用のため中止となった。レベチラセタム治療は58.3%の患者で効果を認め、20.8%で発作なしとなった。8人では明らかな効果がなく、残りの2人は予期しない反応を認めた。副作用は37.5%の患者に認めたが、すべての副作用は許容内もしくは、時間とともになくなる、もしくは中止により消失した。それゆえレベチラセタムは若年小児の何地点間にも有効で安全であるといえる。

2009年10月13日 (火)

ガストー型の小児良性後頭葉てんかんに対するレベチラセタムによる治療

Levetiracetam monotherapy for childhood occipital epilepsy of gastaut.
Acta Neurol Scand. 2009 Sep 15.

ガストー型の小児良性後頭葉てんかんに対するレベチラセタムによる治療についての論文です。オープンラベルパイロットスタディで新規発症の小児良性後頭葉てんかん、後期発症型であるガストータイプ(COE-G)におけるレベチラセタム単剤治療の効果と耐容性を調べた。COE-G罹患している12人の患者がこの前向き研究に参加した。けいれん発症の年れは6.1歳から16.2歳で平均が10.54±2.77歳であった。レベチラセタム治療は10mg/kg/dayで開始し、漸増し、4週間で最終投与量に達した。20.7~45.2mg/kg/dayであった。6か月の評価で12人中11人でけいれんがなくなり、一人は4回発作があった。脳波では6人が正常化し、2人が不変、4人で散発性の後頭葉異常波を認めた。12か月後の評価では全員が、けいれんなしになっていた。4人で脳波異常が続いており、8人が正常脳波になっていた。18か月後では全員がけいれんなしになっており、10人が脳波でも正常化していた。レベチラセタムによる単剤治療は効果的で、COE-Gの患者で使えると思われた。だが、この所見を確定させるには、前向きで大規模長期の二重盲検試験が必要である。

2009年10月 6日 (火)

Pallister-Killian 症候群の小児の後期発症てんかん性スパズム

Late-Onset Epileptic Spasms in Children With Pallister-Killian Syndrome: A Report of Two New Cases and Review of the Electroclinical Aspects.
: J Child Neurol. 2009 Sep 8.
 Pallister-Killian 症候群の小児の後期発症てんかん性スパズムの新規2症例と電気生理学的所見についての論文です。Pallister-Killian 症候群はまれな多発先天性奇形症候群で、12pの同腕染色体モザイクが原因である。Pallister-Killian 症候群の臨床所見は多様であるが、最も有名な所見は、頭蓋顔面形態異常、四肢奇形、進行性の精神遅滞、重度の筋緊張低下、そしててんかんである。標準的な染色体検査ではほぼ正常となるが、12pの同腕染色体を皮膚線維芽細胞で高頻度で認める。今回Pallister-Killian 症候群で後期発症で薬剤抵抗性のてんかん性スパズムを呈した2男児を報告する。けいれんはPallister-Killian症候群の40%に認めるが、あまり報告されない。てんかん性スパズムは脳奇形、染色体異常、遺伝子症候群の患者では珍しくないが、てんかん性スパズムは行動異常と間違えられやすい。Pallister-Killian 症候群のてんかん性スパズムの電気学的特徴をビデオ脳波や筋電図などで調べれば、この珍しい症候群によるてんかん性スパズムの診断と治療がよりたやすくできるだろう。

2009年10月 3日 (土)

若年性ミオクロニーてんかん(JME)女児の治療第一選択薬(バルプロ酸かそれ以外か)

The first line of therapy in a girl with juvenile myoclonic epilepsy: Should it be valproate or a new agent?
Epilepsia  Published Online: 12 Aug 2009

 若年性ミオクロニーてんかん(JME)女児の治療第一選択薬(バルプロ酸かそれ以外か)についての論文です。JMEは、特発性全般てんかんで全身のミオクロニーけいれんと一般的な強直間代と欠神発作を特徴とする。1990年代に新しい抗けいれん薬が出現する以前は、男女ともにバルプロ酸が第一選択薬であった。しかしながら体重増加や催奇形性などの副作用があることから、代わりとなる女性での第一選択薬が探されてきた。4つの新規てんかん薬(ラモトリギン、トピラマート、レベチラセタム、ゾニサミド)が、JMEの少数の患者たちで、単剤治療もしくは追加薬として用いられてきた。新規てんかん薬は体重増加とは関係のないため、またバルプロ酸よりは催奇形性が低いため、子供を生む可能性のある女性では代わりとなる第一選択薬として推奨されてきている。しかしながら、新規てんかん薬はJMEのすべての発作型に有効ではなく、特発性全般てんかんにおける大規模比較試験では、バルプロ酸のほうがより全般的に発作に有効であるとされた。さらにバルプロ酸はしばしば催奇形性が生じない低用量でも効果的で、徐放剤ではあまり体重増加をきたさないといわれている。現時点でのレビューでは、女児での新規診断JMEの第一選択薬として、新規てんかん薬を勧める証拠、意見とバルプロ酸を勧める証拠、意見の両方があり、折衷方式と結論付けている。

an extended-release preparation:徐放剤

2009年10月 1日 (木)

小児難治性ローランドてんかんの神経外科的治療:Eloquent皮質切除の役割

Neurosurgical management of intractable rolandic epilepsy in children: role of resection in eloquent cortex.
J Neurosurg Pediatr. 2009 Sep;4(3):199-216.

小児難治性ローランドてんかんの神経外科的治療:Eloquent皮質切除の役割についての論文です。今回難治性てんかんの小児のローランド領域の皮質切除の経験をまとめた。後方視的にローランド領域を起始とする難治性てんかんの22人の小児のカルテを用いた。PETもしくはSPECTによる検査を行っていた。21人は侵襲的硬膜下グリッドと深部電極モニタリングを行った。ローランド域のてんかん原性となる部分の切除はすべてのケースで行われた。けいれんはEngel分類に従い、分類した。機能的予後は、有効予後スコアを用いることで、評価した。結果は10人の女児と12人の男児で平均けいれん発症年齢は3.2歳であった。手術平均年齢は10歳であった。手術前けいれん期間は、平均で7.4歳であった。9人が術前に片麻痺を呈した。神経精神検査では、評価が可能な19人では改善を示した。MRI以上は19人で認めた。MEGはすべての患者で施行され、20人で患側のローランド周辺領域の棘波群発を認めた。侵襲的モニター検査の平均期間は4.2日であった。侵襲的モニタリングの期間中、痙攣の平均回数は17回であった。すべての患者で一次運動野、感覚野を巻き込んだ部分の切除が行われた。もっとも一般的な病理型は、皮質異形成で13人に認めた。術後すぐに20人の患者が片麻痺の程度が変化し、軽くなったものもいれば、重くなったものもいた。片麻痺は術後3-6か月ではすべての患者で改善を示した。平均4.1年の経過観察で14人のけいれん予後は、EngelのクラスⅠで、4人でEngelのクラスⅡであった。ローランド域周辺切除によるけいれん予後は、はじめは手術をしたときの小児の年齢とっ関係があった。単変量解析により手術時の年齢は、けいれん予後を予想する統計的に重要な因子であった。難治性てんかんにおけるローランド皮質の切除は、予想される要素のもとで可能である。機能皮質とてんかん原性領域の正確な場所把握により難治性のローランドてんかん小児のけいれん予後を改善することとなる。運動、感覚、言語経路のありうる機能的な後遺症について準備できるよう患者と家族に術前の準備について十分に説明してあげることが重要である。

2009年9月18日 (金)

Ⅰ型DMにおける部分てんかん重積(CSWSによるてんかん性脳症)

Epilepsia partialis continua in type 1 diabetes: evolution into epileptic encephalopathy with continuous spike-waves during slow sleep.
Neurol Sci. 2009 Aug 15.

Ⅰ型DMにおける部分てんかん重積(CSWSによるてんかん性脳症)についての論文です。高血糖状態ではまれであるが、部分てんかん重積を合併することがあり、血糖が改善されると改善する。抗グルタミン酸脱炭酸水素酵素抗体(GAD抗体)が、Ⅰ型DMの発症の自己免疫的機序に重要な役割を呈する。最近GAD抗体は、Ⅰ型DMの有無にかかわらず難治性てんかんの一部と関係があると報告されている。今回Ⅰ型DM発症後5か月で、部分てんかん重積を期待した青年を報告する。GAD抗体は、髄液中オリゴクローナルバンドとともに検出された。彼のてんかんはCSWSを伴う薬剤抵抗性のてんかんとして経過し、重度の行動障害を伴った。代謝異常とGAD自己免疫の両方の役割を考察する。

2009年9月16日 (水)

てんかんに対するケトン食療法の付加治療としての分枝鎖アミノ酸についてのパイロット研究と仮説

Branched Chain Amino Acids as Adjunctive Therapy to Ketogenic Diet in Epilepsy: Pilot Study and Hypothesis.
J Child Neurol. 2009 Aug 17.
 てんかんに対するケトン食療法の付加治療としての分枝鎖アミノ酸についてのパイロット研究と仮説です。今回の研究はてんかんに対するケトン食療法の付加治療としての分枝鎖アミノ酸についてのパイロットフォローアップ前方視研究で、2歳から7歳までの難治性てんかんの17人を対象とした。全員がケトン食療法を行ったが、発作がなくなったものはいなかった。ただうち13人で多少の効果は認めた。分枝鎖アミノ酸を付加することで、3人で発作がなくなり、5人で50-90%発作が減少した。さらにすべての患者で、ケトン食療法での脂肪:タンパク質比を4:1から2.5:1に変更したにも関わらず、ケトーシスはなくならなかった。今回のデータは予備試験のものだが、分枝鎖アミノ酸付加はケトン食療法で有効であり、蛋白:脂肪比を変化させるため、より患者に受け入れやすい食事療法となりうると思われる。

2009年9月10日 (木)

PRES後の内側側頭葉てんかん

Mesial temporal sclerosis after posterior reversible encephalopathy syndrome.
Pediatr Neurol. 2009 Sep;41(3):226-8.

PRES後の内側側頭葉てんかんについての論文です。メソトレキセート髄注とPRESの両方ともに、内側側頭葉てんかんとの合併報告はない。今回、内側側頭葉てんかんの危険因子のないバッキットリンパ腫の男児が、メソトレキセート髄注後8日目にPRESと複雑部分てんかんを呈した。彼は最終的に左内側側頭葉硬化による難治性側頭葉てんかんになった。

2009年9月 7日 (月)

両側スタージウェーバー症候群における長期高用量フェノバルビタール(PB)療法中に認める可逆性昏睡

Reversible Coma Associated With Prolonged High-Dose Phenobarbital Therapy in Bilateral Sturge-Weber Syndrome.
J Child Neurol. 2009 Aug 11.

 両側スタージウェーバー症候群における長期高用量フェノバルビタール(PB)療法中に認める可逆性昏睡についての論文です。高用量PB療法は難治性てんかん重積状態に効果的な治療法である。この療法の利点として、軽度の副作用しかないこと、治療の初期量や最大PB量の上限がないことがあげられる。しかしながらこの両方の安全性はあまり知られていない。今回、両側のスタージウェーバー症候群で難治性てんかんの乳児をが後用量PB療法によって1と2/3ヶ月間昏睡状態となった。患者は血中PB濃度が40以下になった意識を取り戻した。こん睡進行と回復は脳波とABRによって判断した。今回の症例は、重度の脳血管病の患者では、長期の高用量PBは、大脳、脳幹の機能不全を起こすということを示している。この病態の基礎にある代謝、還流異常があるとき長期の高用量PB療法中に神経学的合併症を起こしやすいと思われる。

2009年9月 6日 (日)

若年者における熱性けいれんと認知機能についての研究

Febrile Seizures and Cognitive Function in Young Adult Life: A Prevalence Study in Danish Conscripts.
J Pediatr. 2009 Jun 23.
若年者における熱性けいれんと認知機能についての研究です。この研究の目的は、青年期の熱性けいれんと認知機能との関係を解明することである。これは1977年から1983年までに生まれたデンマーク人の一般住民を母集団とした研究である。熱性けいれんと認知機能との関係を調べるのに、the Boerge Prien 知能検査をけいれんの年齢ごとに適合し、調べた。対象はてんかん歴のない人に限った。18276人の適合した人のうち、507人(2.8%)が熱性けいれんでのカルテがあった。熱性けいれんを起こしていない人に比べ、起こした人が、a Boerge Prien スコアの下位25%にはいる適合有病率は、1.08(95% CI, 0.94-1.25)であった。3か月から1歳未満発症の熱性けいれんの適合有病率は1.38 (95% CI, 1.07-1.79)で、1-2歳発症では、0.98 (95% CI, 0.80-1.18)、3-5歳では1.14 (95% CI, 0.79-1.66)であった。全体的にみて、熱性けいれんと認知機能との関係はないと思われる。
 

2009年9月 1日 (火)

West症候群からレノックスガストー症候群への移行する要因

Factors influencing the evolution of west syndrome to lennox-gastaut syndrome.
Pediatr Neurol. 2009 Aug;41(2):111-3.

West症候群からレノックスガストー症候群への移行する要因についての論文です。この研究はWest症候群からレノックスガストー症候群への移行する要因について調べることである。対象はWest症候群と診断された98人を、少なくとも3年間観察した。観察期間中、West症候群からレノックスガストー症候群への48人が移行した。病因別に、潜因性Westで36人(36.7%)、症候性Westが62人(63.3%)であった。West症候群の患者で31人が抗てんかん薬で、33人がケトン食で、45人がプレドニゾロンによるホルモン療法を、15人でACTH療法。4人で無治療か漢方治療であった。レノックスガストー症候群になるリスクはケトン食療法、プレドニン、ACTH療法またはそれらの組み合わせ群で低かった(P<0.05)。レノックス症候群への移行とWest症候群の年齢、病因は関係がなかった。結論として、ケトン食療法とホルモン療法はWest症候群の患者の脳症を防ぐののに重要な役割を担っていると考えられた。

2009年8月21日 (金)

パナイトポーラス症候群の治療におけるレベチラセタムの効果と安全性

Efficacy and safety of levetiracetam in the treatment of Panayiotopoulos syndrome.
Epilepsy Res. 2009 Aug;85(2-3):318-20.

パナイトポーラス症候群の治療におけるレベチラセタムの効果と安全性についての論文です。パナイトポーラス症候群(PS)は小児の良性部分てんかんでは2番目に多い疾患である。この研究では、この症候群の3人の小児においてレベチラセタム(LEV)の効果を評価する。3人全員(8歳、12歳、10歳)が、突発的な自律神経症状を4年間、6年間、2年間繰り返した。症状の持続期間は数分から5-7日までと様々で、自律神経てんかん重積と思われた。以前バルプロ酸でコントロールされていたが、発作を繰り返すため、追加薬としてレベチラセタム1000-2000mg/日を投与し、その後単剤治療とした。3人ともレベチラセタム単剤となり、3年、3年、2年で発作なしとなった。一人は発作消失2年後にレベチラセタムを中止した。現在、彼は2年間症状がない。レベチラセタムはバルプロ酸が効果のなかったパナイトポーラス症候群の患者3人の自律神経発作に効果的であった。

2009年8月16日 (日)

CHRNA4の1674+11C>T多型と若年性ミオクロニーてんかん

The 1674+11C>T polymorphism of CHRNA4 is associated with juvenile myoclonic epilepsy.
Seizure. 2009 Jul 2.
CHRNA4の1674+11C>T多型は若年性ミオクロニーてんかんと関連するという論文です。神経ニコチン性アセチルコリンレセプターのαサブユニット4遺伝子は特発性の部分てんかんや常染色体優性の夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)とリンクしているが、特発性全般てんかん(IGE)である若年性ミオクロニーてんかん(JME)の形成にも重要な役割を担っている。
今回、ポーランド人におけるJMEのCHRNA4の4つの多型との関連について調べてみた。92人のJME患者と222人のコントロールの健康人を対象とした。それぞれCHRNA4のc.555C>T, c.594C>T, 1674(+11)C>T, 1674(+14)A>Gという4つの多型をPCR-RFLPにより解析した。1674(+11)C>T 多型とJMEとの関係は明らかだった。アレルTはリスクファクターであり、コントロールよりJMEの患者群で高率に認めた(p=0.0299)。1674(+11)CT+TT 遺伝子型の患者は、JMEのリスクが高かった(CT+TT 対 CC:でOR=1.925; 95% CI=1.021-3.629; p=0.0408)。
他のCHRNA4との多型では関連はなかった。CHRNA4の1674(+11)C>T 多型は、てんかんとの関連因子であり、とりわけJMEの患者に高率に認める。これはCHRNA4がてんかん症候群の候補遺伝子の一つであることを示唆する。

2009年8月11日 (火)

環状20番染色体:3小児におけるてんかん発症と神経精神障害との関係

Ring chromosome 20 syndrome: A link between epilepsy onset and neuropsychological impairment in three children.
Epilepsia. 2009 Jul 2.

環状20番染色体:3小児におけるてんかん発症と神経精神障害との関係についての論文です。環状20番染色体症候群はてんかん、軽度から中等度の精神遅滞、外表奇形を特徴とする染色体疾患である。てんかんは、その出現が早期ではないこともあるにも関わらず、この症候群の中心をなす臨床症状である。けいれんはしばしば薬剤耐性である。私たちは、3人の環状20番染色体の小児について報告する。てんかん発症は4歳6か月から9歳10か月で、てんかん重積をきたしたのは6歳10か月から9歳8か月で、重度の精神神経異常を呈した。このてんかん重積は、難治のため数か月続いたが、バルプロ酸とラモトリギンの併用で2人はうまく治療できた。けいれんは止まるとすぐに精神神経障害からの部分的回復をみせた。この臨床像は、突然のてんかん性脳症と考えられる。

2009年7月29日 (水)

乳児重症ミオクロニーてんかんに合併した片側けいれん片麻痺症候群

Hemiconvulsion-hemiplegia syndrome in a patient with severe myoclonic epilepsy in infancy.
Epilepsia. 2009 Jun 26.

 乳児重症ミオクロニーてんかんに合併した片側けいれん片麻痺症候群についての論文です。
今回熱性、無熱性けいれんを乳児より繰り返した2歳の女児を報告する。左または右の片側痙攣と眼瞼と四肢のミオクローヌスに続き全般性強直間代痙攣を繰り返し、抗てんかん薬に抵抗性であった。1歳4ヶ月時にロタウイルスに罹患時に、持続性の右片側けいれん重積になった。左片側の脳浮腫と続く皮質の層状壊死、左半球の進行性萎縮がこの間認めた。彼女は右麻痺と軽度の知的退行を残したが、5ヶ月のけいれん無しの状態の後、全身性または眼瞼のミオクロニーと温水てんかんを来たした。 SCN1Aの解析ではR1892Xのナンセンス変異が見つかった。これは乳児重症ミオクロニーてんかん患者が片側けいれん片麻痺症候群を来たすリスクがあることを示している。乳児重症ミオクロニーてんかんではない片側けいれん片麻痺症候群の患者でもSCN1A変異を調べてみる必要があるかもしれない。

2009年7月27日 (月)

てんかんのイタリア小児におけるセリアック病関連抗体

Celiac disease-related antibodies in Italian children with epilepsy.
Pediatr Neurol. 2009 Jul;41(1):34-6.
 てんかんのイタリア小児におけるセリアック病関連抗体についての論文です。てんかんと遺伝的に疑われる患者のグルテンの消化により誘発される免疫性の脳炎であるセリアック病の関係は、報告により様々である。この研究では272人のイタリアのてんかん小児と300人の健康小児で抗グリアジン抗体と抗トランスグルタミナーゼIgAとIgGを測定し、陽性とボーダーライン検体で抗エンドミジウム抗体を測定した。セリアック病と関係のある抗体の存在率は、正常コントールと変わらなかった。この結果から、イタリアのてんかん小児はセリアック病のリスクグループとは考えられなかった。

2009年7月24日 (金)

Dravet症候群の日本人患者のスチリペントールのオープンスタディ

Stiripentol open study in Japanese patients with Dravet syndrome.
Epilepsia. 2009 Jun 22.

Dravet症候群の日本人患者のスチリペントールのオープンスタディについての論文です。今回Dravet症候群の日本人患者の治療として、スチリペントール(STP)の追加治療の効果について、多施設オープンラベル研究を行った。方法は2006年にこの研究の参加施設を訪れたDravet症候群の患者のカルテを調査し、全身性の強直間代痙攣に対する抗てんかん薬の硬化を調査した。患者は1歳以上で、少なくとも一つのてんかん薬を使用しており、1ヶ月に4回以上の全般性強直間代けいれんがあるものをこの研究の対象とした。スチリペントール追加(50もしくは1000mg/日)開始後4週とさらに長期のけいれん頻度と副作用を開始前と比較した。112人では、これまである抗てんかん薬15種では、たった15%しか50%以上の発作減少を達成できなかった。スチリペントール付加で、全身性のけいれんは23人中14人で50%以上の発作減少を得た。うち二人はけいれん無しとなった。さらに、けいれんの期間は10人で短縮し、けいれん重積は6人で減少した。副作用(食欲低下、不眠、失調、過活動性/易刺激性)は、多くの場合、用量調整で消失した。スチリペントールは、5人の患者で最初の量より、低用量で効果を認めた。CYP2C19変異があってもクロバザムにスチリペントールを追加したところ、効果を認めた患者もいた。結論として日本におけるスチリペントールの初期導入は、患者に有益であると考えられた。

2009年7月23日 (木)

レベチラセタムによる間質性腎炎と腎不全

Levetiracetam induced interstitial nephritis and renal failure.
Pediatr Neurol. 2009 Jul;41(1):57-8.
レベチラセタムによる間質性腎炎と腎不全についての論文です。 17歳の女児が新規発症の複雑部分発作のためにレベチラセタムを開始したところ、10日後に急性の腎不全と間質性腎炎を来たした。彼女はレベチラセタムを中止後、経口ステロイドにより完全に後遺症なく回復した。レベチラセタムは腎優位の排泄として知られているが、これまで小児の腎合併症の報告は無かった。レベチラセタムを服用する小児が腹痛、倦怠、嘔吐、多尿、発疹、じん麻疹を呈したときは、すぐに採血をして腎副作用がないかみるのがよい。

最近レベチラセタムがはやっていますが、重大な副作用報告もあるようですね。

2009年7月22日 (水)

急性のけいれんコントロールとしてのレベチラセタム静注

Role of intravenous levetiracetam in acute seizure management of children.
Pediatr Neurol. 2009 Jul;41(1):37-9.
 急性のけいれんコントロールとしてのレベチラセタム静注についての論文です。けいれん重積は30分以上続くけいれんとして定義される。2006年8月に静注用レバチラセタムが16歳以上の患者で使用できることとなった(日本ではまだ)。小児での静注用レバチラセタムの効果と安全性は不明である。今回後方視的にけいれん重積と急性の痙攣発作に対し、静注用レベチラセタムを使用した小児のデータを分析した。けいれん重積時と急性けいれん発作時に静注用レベチラセタムを使用した患者の電子カルテからデータを得た。32人の患者がけいれんj重積時に25-50mg/kgのレベチラセタム静注を受けた。17人が男性、15人が女性で、すべての患者で静注用レベチラセタムの反応は良かった。けいれん重積は臨床的にも、脳波的にも停止した。18人がホスホフェニトインもしくはアチバンで無効のため、追加としてレベチラセタム静注が行われた。ひどい副作用は無かった。15人の患者がレベチラセタム単剤で退院し、9人は退院後、追加治療としてレベチラセタムを行った。静注用レベチラセタムは、小児のけいれん重積において追加薬としても有効だし、単剤としても有効である。

 静注用の抗けいれん薬なんですね。だんだんと使える薬が増えるのはいいことですね。日本でも早く使用できるようになってほしいです。

2009年7月20日 (月)

ローランドてんかんのけいれんとしての陰性ミオクローヌス

Epileptic negative myoclonus as the presenting seizure type in rolandic epilepsy.
Pediatr Neurol. 2009 Jul;41(1):59-64.

 ローランドてんかんのけいれんとしての陰性ミオクローヌスについての論文です。陰性ミオクローヌスは突然始まる短い筋緊張の喪失とそれによる失立を特徴とする珍しいけいれんである。他のてんかんの特徴的な発作であるが、それは中心側頭部に棘波を持つ良性小児てんかん(ローランドてんかん)とも大きく関連している。ローランドてんかんの患者において、陰性ミオクローヌスはたいてい経過中に認め、特にてんかんの診断がしっかりついたあとにおきる。ここで述べるのは、陰性ミオクローヌスによる失立が現在のけいれんとなるローランドてんかん患者5人である。3人に発達遅滞や神経認知障害を認めたため、実際にはローランドてんかんと診断されていなかった小児では、陰性ミオクローヌスが眠気による失立と間違ってとららえられていた可能性がある。

2009年7月19日 (日)

2次性の部分発火を伴った全身痙攣

Generalized-onset seizures with secondary focal evolution
Epilepsia Volume 50 Issue 7, Pages 1827 - 1832

 2次性の部分発火を伴った全身痙攣についての論文です。国際のけいれん分類では、部分起始けいれんは2次的に全般化することが述べられているが、全身痙攣はそのまま全般化したままだと思われている。今回6人の患者で、全身痙攣として始まったが、その後部分起始の波になった症例を報告する。けいれんは全身性の欠神もしくはミオクロニーで始まり、軽度の自動症を伴う遷延する行動の停止と痙攣後のもうろうが続いた。発作波は全般性の棘徐波で始まり、部分優位になっていった。発作間欠期脳波は全般性のものであった。部分的なMRI異常も認めなかった。4人で複雑部分発作と誤診されていた。全ての患者は最初はけいれんを繰り返したが、欠神ないしはミオクロニーに対する適切な治療薬を用いたところ3人で発作なしに、3人で発作減少となった。部分発作を呈する全般けいれんは複雑部分発作と間違えられやすい。これらのけいれんは全般性の欠神やミオクロニーに対する薬が有効である。

2009年7月16日 (木)

SMEIに対してのベラパミル治療

Addition of verapamil in the treatment of severe myoclonic epilepsy in infancy
Epilepsy Research Volume 85, Issue 1, July 2009, Pages 89-95

 SMEIに対してのベラパミル治療です。今回電位依存性Caチャネルブロッカーであるベラパミルを、4歳と14歳の2人の少女の抗てんかん薬追加治療として用いたので報告する。二人はSMEI、別名Dravet症候群としてフォローされており、それは2q24にあるSCN1Aが原因で起きるチャネロパチーといわれている。両者とも薬剤抵抗性のてんかんで精神遅滞を合併していた。SCN1Aの変異解析では、4歳の少女のほうではエクソン2のミスセンス変異が明らかになった。ベラパミルは両者ともにてんかん重積、ミオクロニー発作、部分全般発作のどれにも迅速に反応を示した。治療効果は14歳の少女のほうで13ヶ月続き、4歳の女児では20ヶ月の経過期間でずっと、今まで継続している。また運動や言語の発達もよくなってきた。ベラパミルは電位依存性Caチャネルブロッカーで脳血管バリアーを通り抜け、

(a)多剤耐性の原因とされている脳を含む正常組織に発現する活性化排泄移送蛋白であるPグリコプロテインを阻害し、

(b)休止期にある細胞の異常なCaイオンの神経細胞への流入を調節することで、異常Naチャネル機能により導入される膜の脱分極を制御している。

 これはSMEIにおける長期にわたるベラパミル治療の最初の報告である。Caチャネルの効果を調節するという機能の解明により、てんかん性チャネロパチーの分子治療の道が開けていくと思われる。

2009年7月12日 (日)

小児難治性てんかんに合併する良性病変

Benign Lesions Accompanied by Intractable Epilepsy in Children
J Child Neurol 2009 24: 697-700.

小児難治性てんかんに合併する良性病変についての論文です。てんかん外科は特に脳に器質的な異常を持つ小児てんかん患者に対して、安全な代価医療として提唱されている。今回難治性てんかんで手術を行った24人の小児を対象とした。男女ともに12人づつで平均年齢は6.5歳であった。けいれんのあった期間は6ヵ月から2年間であった。切除病変の病理組織検査では12人でガングリオグリオーマ、7人で胚芽異形成性神経上皮腫瘍(DNT)、1例で低グレードのグリオーマ、2人で皮質異形成、2人で海綿状奇形であった。18ケースで病変は側頭葉に、6ケースで側頭葉以外であった。平均経過観察期間は4.4年で79%がけいれん無しとなった。神経的後遺症や死亡したものはいなかった。小児部分てんかんに対する手術は、安全で効果のある治療法といえる。

2009年7月 8日 (水)

特発性全般てんかんにおけるNaならびにKチャネル異常

Sodium and potassium channel dysfunctions in rare and common idiopathic epilepsy syndromes
Brain and Development Volume 31, Issue 7, Pages 515-520 (August 2009)

特発性全般てんかんにおけるNaならびにKチャネル異常についての論文です。SCN1Aの変異では、乳児重症ミオクロニーてんかんの80%に認め、KCNQ2ならびにKCNQ3の変異は良性家族性新生児けいれん家系に認め、またそれはローランドてんかんの1家系や特発性全般てんかんの1家系にも認めた。この論文ではSCN1AならびにKチャネルであるKCNQ2とKCNQ3の異常と特発性てんかんの病因についての最近の知見を述べる。乳児重症ミオクロニーてんかん、乳児重症特発性全般てんかん、ミオクロニー失立てんかんは、希な特発性全般性てんかんである。幾分オーバーラップするため、SCN1Aの比較分析はミオクロニー失立てんかん20人と乳児重症特発性全般てんかん18人で行われた。乳児重症特発性全般てんかんのみ3人でこの変異が見つかった。良性家族性新生児けいれんはローランドてんかん家系では過剰表現されているため、良性家族性新生児けいれんの有無に関わらずローランドてんかん58家系で変異の分析を行った。良性家族性新生児けいれんの2ケースにおいて変異が見つかり、良性家族性新生児けいれんはなくローランドてんかんのみの3患者で3つの変異が見つかった。1例では明らかにKの電流振幅は減少していた。ひとつのKCNQ3ミスセンス多型もまた455人特発性全般てんかんのうちの8人で見つかったが、454人のコントロールでは見つからなかった。サイレントKCNQ2多型は両方のてんかんサンプルで過剰表現されていた。これらの所見から、SCN1A遺伝子の変異は主にSMEIの病因と考えられ、まれに乳児重症特発性全般てんかんの原因にもなり、ミオクロニー失立てんかんでは見つからない変異であった。これらはまたKCNQ2やKCNQ3の多型はふつうの特発性全般てんかんの病因に関与していると考えられた。

2009年7月 4日 (土)

ウエスト症候群を呈した全前脳胞症の女児の中心被蓋路病変

Central tegmental tract lesion in a girl with holoprosencephaly presenting with West syndrome.
: Eur J Paediatr Neurol. 2009 Jul;13(4):376-9. Epub 2008 Aug 9.

 ウエスト症候群を呈した全前脳胞症の女児の中心被蓋路病変についての論文です。今回3ヶ月にウエスト症候群に罹患した現在16ヶ月の女児について報告する。MRIでは中心被蓋路を病変を伴う大脳の不完全癒合を呈する全前脳胞症を示した。1歳時でもまだ中心被蓋路病変はT2強調MRIで描出された。中心被蓋路は錐体路の重要な投射系を示し、MRIでの中心被蓋路病変は新生児の低酸素性虚血性脳症やいくつかの先天性代謝異常の患者で希ながら報告がある。正確なメカニズムは不明だが、この患者では中脳と基底核をつなぐ経線維の異常がWest症候群の病因に関与しているものと思われた。

2009年6月26日 (金)

小児難治てんかんの初期予測

Early prediction of refractory epilepsy in childhood.
Seizure. 2009 Jul;18(6):412-6. Epub 2009 Mar 26.

小児難治てんかんの初期予測についての論文です。てんかん診断から6ヵ月以内に、そのてんかんが難治てんかんかどうか予測することを目標とした。研究デザインは、プロスペクティブコホート研究である。1994年から2004年までで当院でみた14歳未満の小児で24時間のうちに2回以上の非誘発性のけいれんを有するものを対象とした。以前に他の病院で評価されたものは除外した。難治性てんかんの定義は2剤より多く使っても、月に1回より多い発作が、18ヶ月以上認めるものとした。難治性てんかんのリスクを、カプランマイヤーの生存曲線を用いて計算した。難治てんかんを来たす因子の単変量分析ならびに多変量分析をCox proportional hazards modelを用いて行った。343人の患者が対象となった。診断時平均年齢は4.8歳であった。平均観察期間は76.2ヶ月で、難治てんかんのリスクは6年で8%であった。特発性ではリスクは2%であった。非特発性の患児では、リスクは診断後最初の6ヶ月でけいれんが1回より多く起きた1歳未満で患児で38%であった。最初の6ヶ月でけいれんが0もしくは1回の1歳未満児では9%であった。1歳以上発症児では、6ヵ月以内のけいれんが1回より多ければ22%、0-1回であれば3%であった。難治性てんかんのリスクは特発性てんかんではとても低かった。残りのてんかん患者にとっても、3つの指標(特発性か症候性か、発症時年齢、発症後6ヶ月のけいれん回数)を適応することで、より正確なてんかんの難治性の予測ができると思われる。

2009年6月21日 (日)

成人部分発作の追加治療に対するルフィナミド治療

Rufinamide for the adjunctive treatment of partial seizures in adults and adolescents: A randomized placebo-controlled trial.
Epilepsia. 2009 Jun 1.

成人部分発作の追加治療に対するルフィナミド治療(無作為プラセボコントロール試験)についての論文です。
目的は16歳以上における繰り返す部分けいれんに対し、ルフィナミド1600mg×2による追加治療の効果ならびに安全性を評価することである。二重盲検プラセボコントロール無作為、パラレルグループ、多施設共同試験で行い、8週間のベースライン期と13週の二重盲検期を行う。ルフィナミド400mg×2もしくはプラセボによる治療を行い、ルフィナミドは1600mg×2まで漸増した。部分けいれんの頻度の変化は最初の評価項目である。2番目の評価項目として全ての部分発作頻度と部分発作50%以上減少割合とした。結果として313人が参加し、156人のルフィナミド群と157人のプラセボ群に無作為に割り付けた。ルフィナミド治療群は、ベースラインと比較して部分発作頻度は20.4%減少し、一方プラセボ治療群は1.6%上昇した。カルバマゼピンの内服をしていない人での事後解析では、発作減少率はルフィナミドで29.2%、プラセボで0.7%であった。一方カルバマゼピンを内服しているヒトでは大きな違いが認められなかった。50%以上部分発作減少割合はルフィナミド治療群では28.2%、プラセボ群では18.6%であった。よく認めたルフィナミドの副作用として、幻暈、嘔気、複視、失調である、漸減し始めの時期に良く認めた。ルフィナミド3200mgの追加治療は、プラセボと比較して効果があるようだ。部分発作の成人では一般に問題なく使える。様々な抗てんかん薬を用いている部分発作の成人にも効果があるかどうか更なる調査が必要である。

2009年6月12日 (金)

バルプロ酸短期投与小児における凝固異常

Valproate-Associated Coagulopathies in Children During Short-Term Treatment.
J Child Neurol. 2009 May 28.

バルプロ酸短期投与小児における凝固異常についての論文です。バルプロ酸は全般性ならびに局在関連性てんかんで最もよく用いられる抗てんかん薬である。バルプロ酸は血小板減少症や血小板機能異常、低フィブリノーゲン血症、vWFの低下などの血液疾患を引き起こすことが知られ、希ではあるが重篤な出血合併症を来たすことがある。また動脈硬化や血栓を引き起こすこともある。しかしこれらの副作用の有病率や合併率についての知識はいまだ欠けている。今回バルプロ酸の初回投与てんかん患者24人に対して、前後の抗凝固因子、ホモシスチン、リポプロテインaの初期効果について評価した。バルプロ酸は第7因子、血小板数、第8因子、プロテインCを減らし、リポプロテインaは増加した。われわれの知る限り、今回の報告がバルプロ酸が短期間投与にも関わらず第7因子が減少させることをいった最初の医学報告である。

2009年6月 7日 (日)

小児のルーチン脳波での過呼吸刺激は有効なのかという

Is Hyperventilation an Effective "Activating" Procedure in Routine Clinical EEG Studies in Children?
J Child Neurol. 2009 May 15.

 小児のルーチン脳波での過呼吸刺激は有効なのかという論文です。基礎波にてんかん性異常波をもつ全般性てんかん275人の小児(3-18歳、平均11年、34.5%)に脳波を施行し、5分間の過呼吸刺激により脳波異常が賦活されるかどうか調べた。275人の脳波を施行したところ、ベースラインと比較して11.6%のみが過呼吸により発作間欠期に、てんかん波の増加を認めた。けいれんのないてんかん発作波は0.7%であった。275人のうち過呼吸中に発作を来たしたものはいなかった。この結果からルーチンの脳波では全般てんかんの小児でさえも脳波賦活法としての自発的過呼吸は疑問視されると思われる。

2009年6月 5日 (金)

てんかん児における睡眠のバルプロ酸の影響

Effects of valproic acid on sleep in children with epilepsy.
Epilepsia. 2009 May 12.

 てんかん児における睡眠のバルプロ酸の影響についての論文です。バルプロ酸治療中の小児の睡眠時間増加が知られている。今回、6ヶ月以上バルプロ酸治療後の睡眠時間と睡眠行動について評価した。バルプロ酸の治療終了前後8-12週で質問紙法と1週間分の日夜の行動表により睡眠について調べた。1.7歳から17.4歳までの46人の小児がこの研究に参加した。質問紙では、バルプロ酸終了前後で就寝、起床時間、睡眠時間、入眠までの時間では大きな違いはなかったが、日中のねむけは、バルプロ酸終了後のほうが改善した。行動表ではバルプロ酸無しでの平均睡眠量は33人で減少し(うち9人は30分以上減少)、13人では増加した(うち一人は30分以上増加)。平均の1日あたりの想定睡眠時間は15.2分減少した。0.3年の間に睡眠期間の生理学的減少が考えられた。また実際の睡眠時間はバルプロ酸終了後で、かなり減少した(-15.2分)。この減少は6歳以上の小児で著明であった。結論として長期治療後のバルプロ酸終了は、6歳以上の小児において睡眠期間の大幅な減少を来たした。この変化は、大多数では少ないが、小児の一部では考慮される問題である。

2009年5月24日 (日)

MMPSI(Malignant migrating partial seizures in infancy)

Malignant migrating partial seizures in infancy: An epilepsy syndrome of unknown etiology
Epilepsia, 05/15/09

MMPSI(Malignant migrating partial seizures in infancy)について論文です。MMPSIは1995年に初めて報告された症候群で、ILAEのてんかん、てんかん症候群分類では、発達期における小児てんかん症候群の中に含まれている。主な臨床的特徴は生後6ヶ月以内にけいれんが発症し、ほぼ持続的な焦点の移動する部分痙攣を呈し、多焦点性の発作時脳波を呈し、進行性の精神運動障害をきたす。原因はよくわかっていない。けいれんはかなり薬剤抵抗性で予後は一般的に重篤である。発症時期に基づき、MPEIは早期ミオクロニー脳症(EME)と乳児早期てんかん性脳症(EIEE)とWest症候群の間に位置する。

2009年5月20日 (水)

後頭葉てんかんを呈したA3243G変異を持つMELAS

MELAS With A3243G Mutation Presenting With Occipital Status Epilepticus.
J Child Neurol. 2009 Apr 29.

後頭葉てんかんを呈したA3243G変異を持つMELASについての論文です。MELASはA3243G変異によっておきるミトコンドリア病である。今回幻視、頭痛、左後頭葉原発の非痙攣性てんかん重積を呈しその後多焦点性のけいれんに進行した患者を報告する。彼のMRIは最初、軽度T2で高信号を呈しただけであったが、その後全体に広がった。MRIでは血管領域とは関係のない拡散制限を示した。神経画像と脳波での文献的考察を加える。後頭葉てんかん患者ではMELASも疑うべきである。

2009年5月13日 (水)

難治性てんかんに対するプレガバリンの予備試験

Pregabalin: preliminary experience in intractable childhood epilepsy.
Pediatr Neurol. 2009 May;40(5):347-50.

難治性てんかんに対するプレガバリンの予備試験についての論文です。プレガバリンは新しいてんかん薬で、シナプス前Caチャネルに作用し、神経伝達物質の放出を調節している。今回薬剤抵抗性のてんかん治療中の小児を対象に前方視的、オープンラベル試験を行った。
4-15歳の19人の小児(平均9.7歳。2.9SD)が対象となった。大方は日単位のけいれんがあり、多剤併用していた。58%が症候性てんかんで、74%は認知異常を呈していた。けいれんは9人で混合性のもので、4人はレノックスガストー症候群であった。プレガバリンは150-300mg/日で行った。プレガバリンによって、一人はけいれん無しとなり、7人(37%)が50%以上減少した。日ごとのけいれんの割合は、プレガバリン以前が74%であったが、後は37%になった。副作用は6人で、ねむけ、体重減少、幻暈、行動変化があった。薬は5人で効果がないため中止し、二人はミオクロニーてんかんが増悪した。プレガバリンは難治性てんかんの追加治療として有用である。この薬はミオクロニーてんかんは注意して使うべきだ。長期効果や耐容性を調べるためのさらなる試験が必要である。

2009年5月 9日 (土)

若年性ミオクロニーてんかんの診断のためのビデオ脳波モニタリング

The value of video-EEG monitoring to diagnose juvenile myoclonic epilepsy.
Seizure. 2009 Mar;18(2):94-9. Epub 2008 Aug 5.

 若年性ミオクロニーてんかんの診断のためのビデオ脳波モニタリングの価値についての論文です。従来の脳波の診断精度は、せいぜい約50%であった。今回正確な診断と臨床応用のためビデオ脳波モニタリング(VEM)の診断精度を調べた。VEMを行った若年性ミオクロニーてんかん(JME)の55人全員のデータを臨床経過、脳画像、ビデオ脳波所見に従い、解析した。発作発症年齢は10歳から25歳である。VEMを行った年齢は15歳から46歳で57%が発作がつかまった。うち20人はミオクロニー発作単独で、一方3人で全身痙攣単独であった。両方認めたのが6人であった(21%)。16人はけいれんがなく非発作時のみの異常であった。 非対称性のミオクローヌスや偏向発作のような非典型的な発作はビデオモニタリング中18人で認めた。興味深いことに3人が視覚前兆をうったえていた。VEMの期間は1-6人であった。けいれんのあるなしに関わらず、全体の88%が脳波異常を呈し、JMEに矛盾しないものであった。VEM以前に従来の脳波で正常な10人中9人で、VEM平均1日間で発作間欠期、もしくは発作時の脳波異常を認めた。1もしくは2日のビデオ脳波モニタリングはJMEの正確な診断では必要で、 特に非典型的な発作型や従来の脳波では正常な例では適切な検査となる。

versive seizure:偏向発作とか回転発作とか言われるもの。

2009年5月 7日 (木)

前頭葉てんかんの失立発作コントロールのために脳磁図と外科手術を繰り返したという

Repeat magnetoencephalography and surgeries to eliminate atonic seizures of non-lesional frontal lobe epilepsy.
Epilepsy Res. 2009 Apr;84(2-3):263-7. Epub 2009 Mar 17.

 前頭葉てんかんの失立発作コントロールのために脳磁図と外科手術を繰り返したという論文です。7歳の少年が、3歳から難治性の首振り発作と失立発作を繰り返したが、重度の行為障害のため持続脳波モニタリングは適さなかった。4度の脳磁図を行った。手術前、脳梁離断術、左前頭葉皮質切除+MST、MEGスパイク残存病変切除により発作はなくなった。難治性の残存左前頭葉てんかんの患者にMEGを繰り返すとてんかん原性の位置が特定できる。

2009年5月 4日 (月)

急性で遷延性の強直間代けいれんのに対するパラアルデヒドの直腸投与

Review of the efficacy of rectal paraldehyde in the management of acute and prolonged tonic-clonic convulsions.h Dis Child. 2009 Apr 13.

 急性で遷延性の強直間代けいれんのに対するパラアルデヒドの直腸投与についての論文です。この研究の目的は急性で遷延性の強直間代けいれんの治療に対する直腸パラアルデヒドの効果と安全性について調べることである。パラアルデヒドに関しては以前筋肉注射に関する報告があり、その安全性と効果には限られたデータしかない。この研究には4つの病院が参加してくれた。強直間代痙攣の治療の際にパラアルデヒドを使用した情報を1年以上集めた。データは他のけいれんのタイプや非けいれん性のてんかん重積で直腸パラアルデヒドを投与した例を含めなかった。患者は30人で、53のけいれん例を対象とした。患者の年齢は5ヶ月から16年で、平均6.1年で中央値が5.9年であった。てんかんの診断は、35例でされていた。パラアルデヒドの平均使用量は0.65ml/kg で、SDは 0.22 ml/kg, 95%信頼区間は+/- 0.06ml/kg中央値は 0.79ml/kgであった。直腸パラアルデヒドは53けいれん中33回で治療されていた。35けいれんであらかじめてんかんの診断がされていたが、パラアルデヒドは26けいれんを屯坐させた。けいれんが終わるかどうかとパラアルデヒドの量には違いはなかった。どのエピソードでも呼吸抑制はなかった。この研究では直腸パラアルデヒドが急性遷延性強直間代けいれんに対して効果的でかつ安全であるという意見をサポートする証拠となった。パラアルデヒドが重積発作を含む遷延する強直間代けいれんの治療として確証づけているようだ。

2009年5月 3日 (日)

ラモトリギン治療後の致死的臓器不全

Life-threatening organ failure after lamotrigine therapy.
Pediatr Neurol. 2009 May;40(5):392-4.

ラモトリギン治療後の致死的臓器不全についての論文です。今回、バルプロ酸からラモトリギンへ変更した2週後に熱、発しん、横紋筋融解、多臓器不全を呈した痙攣の11歳女児を経験したので報告する。私たちの知っている限り、この患者は小児の文献の中でラモトリギンに対する重度の致死的過敏反応を示した。バルプロ酸にラモトリギンを併用するときは十分注意が必要であり、ラモトリギンに対して過敏反応を呈した時には、すぐにラモトリギンを中止して対症療法を行うべきである。

こういう話を聞くと気軽にラモトリギンへの変更ができなくなりますね。

2009年5月 2日 (土)

良性家族性新生児けいれんの新規変異例

Benign Familial Neonatal Convulsions: Novel Mutation in a Newborn.
Pediatr Neurol. 2009 May;40(5):387-391. Links

 良性家族性新生児けいれんの新規変異例についての論文です。良性家族性新生児けいれんはまれな常染色体優性の新生児てんかん症候群である。生後1週以内に発症し、たいてい数回発作を起こすが、良性の経過をたどる。診断は家族歴と臨床所見で決める。変異遺伝子は20q13にあり、電位依存性Kチャネル遺伝子(KCNQ2)である。患者は分娩異常なく出生し。生後2日目にけいれんを発症した。全般性強直けいれんは非対称性で、1日に20回異常認めた。血液検査やMRI検査の結果、異常を認めなかった。心エコーでSmall VSDを認めたがけいれんとは関係がなかった。脳波で中心部に非特異的、高振幅鋭棘波をまれに認めた。フェノバルビタールとフェニトインの使用でけいれんは続いた。日齢12には別の抗けいれん薬であるビガバトリン使用し、けいれんは減少した。血液からKCNQ2の新規変異がみつかった。患者は生後3カ月時には薬物治療により機会発作となった。良性家族性の新生児けいれんは新生児に生じ、独特のけいれんパターンと家族歴を呈する。遺伝カウンセリングと診断が必須である。

2009年4月28日 (火)

てんかん薬に抵抗性の痙攣性てんかん重積に対するミダゾラム静注

Intravenous midazolam in convulsive status epilepticus in children with pharmacoresistant epilepsy.
Epilepsy Behav. 2009 Apr;14(4):661-4. Epub 2009 Feb 21.

てんかん薬に抵抗性の痙攣性てんかん重積に対するミダゾラム静注についての論文です。小児の難治性のてんかん重積に対して最初の治療としてのミダゾラムが効果が報告されているが、初期量、連続法、効果判定のタイミング、中止のタイミングはミダゾラム使用に関する特別なプロトコールで様々である。1-15歳の治療抵抗性小児てんかん重積76例におけるてんかん重積(5分以上持続する全般発作と定義)に初期治療としてのミダゾラムをおこなったところ、1、ミダゾラム0.1mg/kg静注(5分ごとMAX5mg)にて91%がコントロールできた。2、3回静注で89%のエピソードはコントロールできた。3、コントロールできる治療量としては、報告より少なく平均 0.17mg/kgであった。次の抗けいれん薬を必要としたのは9%であった。4、副作用は呼吸抑制が13%、呼吸補助が3%であった。

2009年4月26日 (日)

自律神経発作重積とパナイトポーラス症候群の若者は胃腸障害と誤診される

Misdiagnosis due to gastrointestinal symptoms in an adolescent with probable autonomic status epilepticus and Panayiotopoulos syndrome.
Epilepsy Behav. 2009 Apr;14(4):703-4. Epub 2009 Feb 20.

 自律神経発作重積とパナイトポーラス症候群の若者は胃腸障害と誤診される。パナイトポーラス症候群は良性のてんかん発作で、健康な小児に自律神経発作が起きる。吐き気やむかつき嘔吐などがよく認めたり、先行したりする。非典型的な発作徴候や持続期間のため誤診が大きな問題となっている。今回経験した女児は難治性で非常に長い嘔吐発作によって数回入院し、幼年時より数年にわたり胃腸炎の検査を受けてきた。これまで診断は、精神的なものから機能的胃腸異常、周期性嘔吐症などであった。自律神経発作重積、パナイトポーラス症候群は考えられなかった。

 てんかんならカルバマゼピンで治ることも多いわけですから、これからは周期性嘔吐症の診断の際は眼球変異の有無や脳波検査なども必要ですね。

2009年4月24日 (金)

妊娠中のてんかん薬服用の子供の認知機能

Cognitive function at 3 years of age after fetal exposure to antiepileptic drugs.N Engl J Med. 2009 Apr 16;360(16):1597-605.

妊娠中のてんかん薬服用の子供の認知機能についての論文です。先天奇形をきたす量よりも少量の抗てんかん薬を動物胎児に暴露させると、後に認知異常や行動異常がおきうる。しかし人間ではよくわかっていない。1999年から2004年までてんかん薬単剤(カルバマゼピン、ラモトリジン、フェニトイン、バルプロ酸)で治療している妊婦さんを対象とし、英国と米国の前方視的、観察的多施設共同研究を行った。一次的分析では子宮内での抗てんかん薬暴露の薬ごとの6歳時点での神経発達の比較を行った。このレポートは、3歳時点での309小児における認知機能の中間分析の結果を示す。3歳時点では子宮内でバルプロ酸に暴露された小児が他の薬群よりも優位にIQのスコアが低かった。母のIQや抗てんかん薬量、妊娠週数、葉酸投与の有無で調整したあとの平均IQがラモトリジン101、フェニトイン99、カルバマゼピン98、バルプロ酸92であった。平均して、バルプロ酸に暴露された小児はラモトリジン暴露の小児よりIQで9低く (95% 信頼区間, 3.1 to 14.6; P=0.009)、フェニトイン暴露小児より7ポイント低く(95% CI, 0.2 to 14.0; P=0.04)、カルバマゼピン暴露小児より6ポイント低い(95% CI, 0.6 to 12.0; P=0.04)。バルプロ酸使用とIQとの関係は量依存であった。小児のIQは、カルバマゼピン、ラモトリジン、フェニトイン曝露の小児では、かなり母のIQと相関したが、バルプロ酸では関係なかった。子宮内バルプロ酸曝露は他のてんかん薬と比較して、3歳時点での認知機能を悪くするリスクとなりうると思われる。この事実からも、妊娠可能女性の抗てんかん薬第一選択薬として使われないよう推奨される。

2009年4月21日 (火)

小児の前頭葉起始欠神発作

Frontal-onset absences in children: Associated with worse outcome? A replication study.
Seizure. 2009 Jun;18(4):275-8. Epub 2008 Dec 19.
小児の前頭葉起始欠神発作(予後不良?複製研究)についての論文です。今回30人の小児欠神発作と診断された小児の脳波的特徴について報告する。脳波に従い、30人の小児を二つのグループに分けた。グループAは発作時脳波が一次的な全般性棘徐波である古典的欠神の11人、グループBは脳波で前頭葉起始とされた小児19人である(前頭葉グループ)。前頭葉グループでは、より頻繁に複雑型欠神を認めた。多くの小児はバルプロ酸単剤治療に反応したが、発作フリーのためにエトサクシミドは前頭葉グループの3小児で加えられた。前頭葉グループではまた、学習障害や行動障害が認められた。この研究はLagaeらの以前の研究と大方同じものである。前頭葉欠神は小児欠神てんかんの特徴のあるサブタイプであるようだ。

2009年4月19日 (日)

ウエスト症候群に対する高用量プレドニゾロン

High-dose oral prednisolone for infantile spasms: An effective and less expensive alternative to ACTH

Epilepsy & Behavior
Volume 14, Issue 4, April 2009, Pages 674-676

 インファンタイルスパズム(ウエスト症候群)に対する高用量プレドニゾロンについての論文です。ウエスト症候群の治療に、決まったものはなく、多くの研究でホルモン療法が推奨されている。アメリカではACTH筋注療法が、そのコストと副作用にも関わらず広く受け入れられている。2004年度版UKISSにしたがい、2007年9月からACTHの代わりに高用量経口プレドニゾロン(40-60mg/日)療法を行った。新規発症で以前にインファンタイルスパズムとして治療された15人中10人が2週後には発作は消失し、4週後に再発した。インファンタイルスパズムの潜因性の小児の多くは症候性のケースよりも発作消失が多かった。発作消失はACTHで治療された最近の15人の中13人に効果を認め、これはプレドニゾロンと同程度であった。経口プレドニゾロンはACTHよりも副作用がより少なく(53%対80%)で、より安価(200ドル対70000ドル)であった。今回のことで私たちは、インファンタイルスパズム患者には標準治療として経口プレドニン療法を勧める。

 ずいぶん高用量ですね。ふつうWest症候群になる子は5-7kgくらいですので、10mg/kg/日になります。2mg/kg/dayではしたことがあるのですが、10mg/kg/dayとなると副作用が増えそうなもんですが、そうでもないんですね。

2009年4月 1日 (水)

トピラメートによる尿路結石(歩行障害児の場合)

Urolithiasis with topiramate in nonambulatory children and young adults.
Pediatr Neurol. 2009 Apr;40(4):289-94.

 歩行できない小児と青年におけるトピラメートによる尿路結石についての論文です。尿路結石は小児ではあまり認めないが、できるとしたら結石形成に代謝性の要因がある時などである。トピラメートという抗てんかん薬は、ちょさによると服用患者の1.5%に腎結石を呈すると言われている。しかしいくつかあるもともと持っているリスク因子があるともっと頻度が高くなる。今回後方視的に、歩行のできない神経的に障害をもった児でトピラメート服用についての調査をしてみた。3つのグループに分けた。抗てんかん薬を非服用群、トピラメート以外の抗てんかん薬服用群、トピラメート治療群である。トピラメート単独もしくは多剤療法をしている24人中13人(54%)が、平均36.4か月間後に尿路結石を呈した。今回の結果は長期にわたる歩行障害や神経障害では、他で報告されているよりもトピラメートの腎結石のリスクがより高いことがわかった。

2009年3月27日 (金)

インファンタイルスパズムの予後に関する後方視的研究

A retrospective study on aetiology based outcome of infantile spasms.
Seizure. 2009 Apr;18(3):197-201.

インファンタイルスパズムの予後に関する後方視的研究です。この後方視的研究の目的はインファンタイルスパスムの原因を振り返り、その予後を調べることである。1990年~2003年に私たちの病院でおきたインファンタイルスパズムと診断されたすべての小児を対象とした。原因有無で、治療、長期のてんかんや認知機能についてカルテで調べた。95人中80人が対象となった。50人が症候性のスパズムで、ほとんどが新生児障害や結節性硬化症による皮質形成の異常であった。進行性脳病変を呈する症候性の患者では、ビガバトリンが54%に、ACTH/プレドニゾロンが62%に反応を示した。いっぽう他の原因での症候性患者では、ビガバトリンが83%に、ACTH/プレドニゾロンが63%に反応を示した。潜因性のスパズムでは両剤同程度であった。潜因性スパズムの小児以外では、正常発達はきわめてまれである。しかし今回の結果では、診断までに平均30日以上というバイアスがはある。今回の患者で後にレノックスガストー症候群になったものはいないが、一人が多焦点性の難治性てんかんになった。インファンタイルスパズムの病因と予後は変わってきている。予後を改善するには、診断の遅れを減らし、てんかん的な予後だけではなく、認知的な予後も調べるような前方視的な二重盲検無作為臨床試験を立てる必要がある。

2009年3月26日 (木)

驚愕てんかんと歩行誘発けいれん

Startle epilepsy associated with gait-induced seizures: Pathomechanism analysis using EEG, MEG, and PET studies
Epilepsia Published Online: 12 Mar 2009

驚愕てんかんと歩行誘発けいれんとの関係(脳波、MEG、PETでの病態解析)についての論文です。今回3歳の時から驚愕誘発痙攣をもつ女児を報告する。このけいれんは抗てんかん薬に反応乏しく、副作用のためフェニトインをやめた9歳に増悪した。この間、彼女は支えにてようやく数歩歩くことができる状態で、突然の脱力発作を呈していた。非発作時の脳波では正中中心頭頂部に棘波が頻発し、驚愕後と歩行誘発けいれんの発作時脳波では、最初振幅の減衰についで頭頂部鋭波が出現した。それは強直またはミオクロニー発作時に先行した。MRIでは所見はなかっが、MEGとPETでは一次運動野や補足運動野、補足感覚野を含む両側傍中心溝回と両中心旁葉、左楔前葉にてんかん原性のつよい場所を認めた。この病態生理について議論する。

2009年3月23日 (月)

小児初回痙攣後に眼科的検査は必要か

Is there a need for ophthalmological examinations after a first seizure in paediatric patients?
Eur J Pediatr. 2009 Mar 7.

 小児初回痙攣後に眼科的検査は必要かという論文です。てんかんに対する国際Ligaの推奨にも関わらず、初回痙攣で入院した小児に対して多くの病院ではルーチンで眼科的診察を行っている。初回痙攣後の眼科診察の有用性を証明する研究はないため、今回眼科診察の評価を行ってみた。1999年から2005年8月までに無熱性のけいれん、非けいれん発作を起こした1ヶ月から18歳のまでのLeipzig小児病院に入院したすべての小児を調査した。初回痙攣から72時間以内に眼科診察を受けたすべての小児をこの研究の対象とした。合計310人が対象となった。310人中270人は特に問題がなかった。83人が屈折異常や斜視が見つかった。18人に視神経委縮、3人に先天性の眼筋麻痺、3人に奇形が見つかった。16歳女児が、後頭葉のグリオーマのために同盟四半盲を呈し、この腫瘍がけいれんの原因だとわかった。11歳女児は初回強直間代けいれんによっておこされた落下により脳は異常なかったが網膜出血をきたした。眼科診察は直接的にけいれんの診断や治療方針決定に影響は与えない。初回痙攣の小児に対しすべてにルーチンで眼科診察を行うことは、けいれんの診断に対し、より多くの利益があるとは言えない。

 日本ではルーチンで眼科医に見てもらうことはしてないですね(うちだけか?)。年齢が小さく、精神遅滞があり、代謝疾患などが疑われるときには眼科医に見てもらっています。

2009年3月21日 (土)

てんかん小児におけるラモトリギン単剤治療

Efficacy and safety of lamotrigine monotherapy in children and adolescents with epilepsy.

Eur J Paediatr Neurol. 2009 Mar;13(2):141-5. Epub 2008 Jun 27.

てんかん小児におけるラモトリギン単剤治療の効果と安全性についての論文です。ラモトリギン(LTG)はてんかんの広域治療薬である。単剤治療は、コンプライアンス、低副作用、低相互作用、低催奇形性、低コストの面から多剤療法より望ましい。この研究の目的はてんかん小児コホートにおけるLTG単剤治療の効果と安全性を評価することである。後方視的に2001年から2006年に私たちの施設でLTG単剤治療を行った小児の記録をまとめた。年齢層、けいれんのタイプ、けいれんの原因、発症年齢、LTG開始年齢、LTG以前の抗てんかん薬の数、LTG量、経過観察期間、治療に対する反応、副作用といった情報を集めた。72人の小児が対象となった。12.1歳で37.5%に知的障害を合併していた。てんかん発症年齢は平均5.7歳(0~16)であった。23%が症候性部分てんかん、15.5%が特発性部分てんかん、19.4%が症候性全般てんかん、41.6%が特発性全般てんかんであった。LTGが26.4%で第1選択のの単剤治療として使われ、73.6%が第2選択薬であった。LTGの平均使用量は5.5mg/kg/day(1.1-13.7)で平均観察期間は33ヶ月であった。けいれんに対する効果は、けいれん無しが42%、75-90%減少が17.4%、50-74%減少が11.6%、25-49%が10%であった。16%が発作は変化なく、3%が悪化した。最もよく認めた副作用は発疹であった。6人がLTGを副作用のため中止した。スティーブンスジョンソン症候群の患者はいなかった。まとめると小児てんかんにおいて部分てんかんにも全般てんかんにも、単剤治療としてLTGは効果的であるといえる。

 最近日本でもラミクタールが発売になりましたね。なんでも効きそうなイメージがあります。催奇形性も少ないようですので、バルプロ酸に変わるなんでも薬として期待しています。

2009年3月18日 (水)

ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰ欠損症による大田原症候群

A case of Ohtahara syndrome with mitochondrial respiratory chain complex I deficiency.
Brain Dev. 2009 Feb 20.

ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰ欠損症による大田原症候群(OS)についての論文です。大田原症候群は、その病因から早期ミオクロニーと鑑別できる新生児、乳児期早期のてんかんをきたす難治性てんかんとして知られている。今回、ミトコンドリア呼吸鎖複合体欠損症によるOSを経験した。ケトン療法とミトコンドリアカクテル治療によりけいれんは完全にコントロールされ、治療開始後3ヶ月でサプレッションバーストは完全に消失した。この症例によりミトコンドリア呼吸鎖複合体欠損のような特別な代謝異常によってもおきる可能性があり、ケトン療法、ビタミン、コエンザイム治療、抗酸化治療により治療できる患者もいることを示している。

2009年3月16日 (月)

温水によるてんかん発作とマッキューンアルブライト症候群

Hot water epilepsy and Mccune-Albright syndrome: A case report.
Seizure. 2009 Mar;18(2):161-2. Epub 2008 Aug 15.

 温水によるてんかん発作とマッキューンアルブライト症候群(MAS)についての論文です。今回希な難治性のてんかんで温水てんかんとMASを合併している15歳児を経験した。これはGsα遺伝子の減数分裂後の体細胞におきる変異のためにおきる希な病気で、細胞のモザイクが関係する。MASの主な臨床形は骨、皮膚、内分泌におき、他の非内分泌器管にはめったにおきない。GNAS1発現が脳でおきているかどうかはわからない。今回温水てんかんとMASとの関係は偶然によるものかもしれないが、MASの表現形の多様性のひとつとしててんかんもあるという可能性もある。

2009年3月13日 (金)

若年発症の部分てんかん:外科手術のタイミングのジレンマ

Early-onset symptomatic focal epilepsy: a dilemma in the timing of surgery.
Epileptic Disord. 2008 Dec;10(4):356-61.

若年発症の部分てんかん:外科手術のタイミングのジレンマについての論文です。今回乳児期にスパズムを呈し、左の部分てんかんを呈した6歳の男児例について述べる。2ヶ月のMRスキャンで、右の部分皮質形成異常を指摘されたが、11ヶ月時の再検では縮小しているように見えた。最初の抗てんかん薬の反応はよく、そのときは手術は延期された。その後、けいれんは出たり出なかったりで、発達も全般的に良好であった。しかし、最終的には抗てんかん薬の変更にもかかわらず発作は増えていき、発達遅滞も認めてきた。外科手術が再考されMRI再検では、その病変部位は同定できなかった。6歳半のときに右皮質の機能画像などの更なる検査を行い、硬膜下電極による発作時の脳内脳波を施行した。これをもとに右下皮質の部分葉切除を行った。術後4年経つが発作はなく、発達も認めている。

 皮質形成異常が画像上だんだん目立たなくなるのに、発作は増えていくことがあるんですね。部分てんかんであれば、やはり最後まで外科手術の可能性は捨てずにさらなる検査をするのも大切ですね。

2009年3月 7日 (土)

ラスムッセン脳症患者の多くは髄液中のIgG、CD4+T細胞、TNFα、グランザイムBが上昇している

A substantial number of Rasmussen syndrome patients have increased IgG, CD4(+) T cells, TNFalpha, and Granzyme B in CSF.
Epilepsia. 2009 Jan 19.
 ラスムッセン脳症患者の多くは髄液中のIgG、CD4+T細胞、TNFα、グランザイムBが上昇しているという論文です。今回小児ラスムッセン脳症(RS)患者の髄液中の免疫分子を調べ、その変化について議論した。RSの27人の患者(平均発症年齢が7.5歳+/- 5.6)でから髄液を集めた。細胞数、蛋白、糖、アルブミン、クロール、IgGレベルを従来の方法で測定した。CSF中のリンパ球表面マーカーがcell sorterにより調べた。髄液中のグランザイムB、IFNγ、IL-4、TNFα、IL-12はELISAにより定量化した。GluRε2に対する自己抗体はイムノブロットにより測定した。最初のCSF検査によれば、IgGはp < 0.01、CD4(+) T細胞はp = 0.02、TNFαはp < 0.01、 グランザイムBはp < 0.01でそれぞれコントロールより上昇を認めた。 白血球数、IFNγ、IL-12、グランザイムBは特に発症初期で上昇していた。CD4+T細胞、CD8+T細胞、CD3+T細胞、IgG、TNFαは病期に関わらず上昇してした。総蛋白レベルとアルブミンレベルは、進行期に上昇していた。GluRε2に対する自己抗体IgGは初期で患者の50%に検出し、陽性率は進行期に比べて低かった。今回のデータはラスムッセン脳症の進行において、CD4+T細胞とCD8+T細胞が変化していく複雑な病態生理学的メカニズムを示している。初期に致死的なサイトカインが出て、進行期には減少する。

2009年3月 1日 (日)

乳児良性ミオクローヌスのスペクトラム:102人の患者の臨床的、神経生理学的特徴

The spectrum of benign myoclonus of early infancy: Clinical and neurophysiologic features in 102 patients.
Epilepsia. 2009 Jan 19.

 乳児良性ミオクローヌスのスペクトラム:102人の患者の臨床的、神経生理学的特徴について論文です。正常乳児におきる一過性非てんかん性の突発的な動きを含むこの症候群のスペクトラムを広げるために臨床的、神経生理学的に分析により102人の乳児良性ミオクローヌス(BMEI)の特徴を調べた。アルゼンチンの一つのセンターとイタリアの2つのセンターで短い発作性異常運動を呈する正常神経精神運動発達の乳児を含む患者を集めた。睡眠中のみにおきる運動異常の小児は省いた。異常な発作間欠期もしくは発作時のEEGの患者もまた省いた。経過観察期間は2-40年であった。102人(60人が男児)の乳児に診断基準と満たした。1-12ヶ月時に発症し、平均月齢は6.2ヶ月であった。非てんかん性発作性運動異常は以下のように定義した。
1、ミオクローヌス
2、スパズム、短い強直運動
3、震え
4、無動、陰性ミオクローヌス
5、それらの組み合わせ
 
 多くの運動異常は覚醒時のみにおき、数日間繰り返した。102人中45人(44.1%)で発作は群発した。臨床的、筋電図解析により、この症候群のスペクトラムは以前考えれていたよりも広く、さまざまな一過性運動異常とさまざまなEMGパターンとの関係により、これが正常乳児におきる発作性のさまざまな運動異常を含む良性の症候群であるということを示している。

※BMEIは覚醒時におきる一過性の運動異常として知られています。発達は正常で脳波異常もなく自然消退します。群発するところや発作型が点頭てんかんに似ていますが、脳波異常がないことが一つの鑑別点となります。

2009年2月23日 (月)

特発性全般性てんかんの中に隠れているGlut1欠損症

Glut-1 deficiency syndrome masquerading as idiopathic generalized epilepsy.
Epilepsia 2008 May 9

特発性全般てんかんとグルコーストランスポータータイプ1欠損症(Glut1欠損症)についての論文です。短い欠神発作と機会ミオクローヌスを乳児期から呈し、特発性全般性てんかんと診断されいた小児が、その後軽症のGlut1欠損症であることがわかった。Glut1欠損症とてんかんの他の症例報告とは違い、この少年は正常発達、正常頭囲、正常の神経所見であった。若年でのてんかん発症とその後の食事前の軽度意識障害、非典型的な持続する脳波異常と学習困難から診断へといたった。ケトン食療法によりけいれんや神経生理学的な改善が得られた。

食事前のけいれん発作頻回のときは、たとえ軽くてもGlut1欠損症を疑うべきなんですね。

2009年2月21日 (土)

重度の常染色体優性の夜間前頭葉てんかんと精神障害、知的障害との関係

Severe autosomal dominant nocturnal frontal lobe epilepsy associated with psychiatric disorders and intellectual disability.
Epilepsia 2008 Dec 49(12):2125-9

常染色体優性の夜間前頭葉てんかん(ADNFLE)は、いくつかの合併症をもった比較的良性てんかん症候群である。今回精神障害、行動障害、認知障害を伴う非典型的な重症のADNFLEの二家系を経験した。2家系のうち17人の患者の臨床データを集め、マイクロサテライトマーカーや連鎖解析、候補遺伝子のシークエンスを行った。この2家系の重度ADNFLEの表現型としてしばしば治療に難渋し、患者の24%に痙攣重積がおきている。精神、行動異常は53%に認め、知的障害は24%、発達障害は2人に認めた。nAChRのα4、α2、β2サブユニットには変異は認めなかった。1家系でnAChRサブユニット遺伝子とは関係のない15q24にリンクを認めた。重度のADNFLEは、医学的、精神的、知的な障害を持っている。この重度のADNFLEの分子機序はよくわからないが、nAChRサブユニットとは別の機序でおきていると思われる。

2009年2月20日 (金)

新規てんかん小児の認知機能の変化

Growing up with epilepsy: A two-year investigation of cognitive development in children with new onset epilepsy.
Epilepsia 2008 Sep 10
新規てんかん小児の2年間での認知機能の変化についての論文です。新規発症のてんかん小児の認知機能異常を正常児と比較し、その特徴を明らかにすることが今回の目的である。2年間の認知機能の発達を8-18歳の正常児(48人)と新規てんかん児(52人)で調査した。認知機能の発達をてんかん診断時の二つの神経行動異常(ADHD)の有無で分けて調べた。各群は、知能、学習達成度、言語、記憶、実行能力、精神運動速度など神経生理学的な能力で比較した。神経行動異常のない新規てんかん小児は、すべての神経生理学要素の基礎値と成長速度、経過について正常コントロールと同等であった。一方神経行動異常のある群はすべての認知要素、特に実行能力において基礎値や経過は悪かった。てんかん発症時の神経行動異常の存在は、発症の前後の異常認知発達の主なリスクとなると思われた。

 てんかん自体といいうよりも、ADHDなどの合併がよくないのですね。ADHDの子がてんかんになったときは注意してみていく必要があります。

2009年2月 8日 (日)

小児の脳波の睡眠遮断の効果

Effects of sleep deprivation on the pediatric electroencephalogram.
Pediatrics. 2009 Feb;123(2):703-8.

 小児の脳波の睡眠遮断の効果についての論文です。一般的な脳波検査ではてんかんの診断が目的である。不運なことにルーチンの外来患者さんの脳波検査では、てんかん患者さんでさえも半分は正常である。これを避けるために、実用的ガイドラインでは睡眠と睡眠遮断時脳波が勧められる。今回の目的はこの小児での睡眠、睡眠遮断での効果を評価することである。今回0-18歳の206人を対象に一般脳波と睡眠脳波での無作為盲検比較試験を行った。脳波では神経科医の臨床診察の後で、1回以上のけいれんと不明確なひきつけ患者さんを対象に行った。最初のアウトカムは正常のルーチンの脳波と睡眠賦活脳波の比較で行った。他の臨床因子と睡眠の影響を評価するためにロジステック回帰解析を用いた。
睡眠賦活脳波は前日あまり寝てない(4.9と7.9時間)と脳波中はよく寝れた(73%と55%)。脳波の診断効率の上昇率は軽度であり、正常睡眠脳波で56%、正常一般脳波検査で68%であった。さらに脳波中の睡眠によって診断効率は上がらなかった。睡眠賦活脳波は脳波以前にけいれんと臨床的に診断をうけた小児でかつ3歳以上の児では、有意なものであった。すいみん遮断は脳波中の睡眠がなくてもけいれん小児の脳波の有用性を増やしてくれる。一般脳波検査と比較すると、一人のてんかん児を診断するのに必要な睡眠賦活脳波が必要な数はおよそ11である。

2009年1月29日 (木)

15q13.3の微小欠失で特発性全身性てんかんのリスク

15q13.3 microdeletions increase risk of idiopathic generalized epilepsy.
Nat Genet. 2009 Jan 11.
15q13.3の微小欠失で特発性全身性てんかんのリスクが増加するという論文です。今回特発性全般てんかんの1223人中12人にCHRNA7を含む15q13.3の微小欠失を認めた。これは3699人の正常コントロールにはなかった。今回の例は特発性全般てんかんのみで知的障害や自閉症、統合失調症などのこれまでに15q13.3微小欠失で認めていた他の臨床症候は伴わなかった。今回の結果は、15q13.3の微小欠失がてんかん全体の今までで最もよくある危険因子であることを示している。

2009年1月23日 (金)

アマンタジン大量投与よるけいれん重積児

Status Epilepticus in a Pediatric Patient With Amantadine Overdose
Pediatric Neurology Volume 40, Issue 2, Pages 120-122 (February 2009)

アマンタジン大量投与よるけいれん重積児に対する論文です。0.8-1.5gのアマンタジンを内服した2歳男児がけいれん重積を起こした。1時間後、興奮、発汗、嘔吐を認めた。2時間後に小児救急病院に入院となった。全身痙攣から重積を起こし、7時間にわたり交代性の全身強直間代けいれん、部分けいれんがおきた。他の初期徴候として、洞性頻脈と反応性両性散瞳を認めた。全ての徴候が20時間内におさまり、回復もよい。その小児は3日目に退院となった。

2009年1月21日 (水)

熱性けいれん:IL1βとIL1受容体アンタゴニスト多型

Febrile Seizures: Interleukin 1β and Interleukin-1 Receptor Antagonist Polymorphisms
Pediatric Neurology Volume 40, Issue 2, Pages 113-116 (February 2009)

熱性けいれん:IL1βとIL1受容体アンタゴニスト多型についての論文です。IL-1β511C>TとIL1Rアンタゴニストのイントロン2のタンデムリピート多型と小児の熱性けいれんとの関連性を調べるために、熱性けいれん児90人とけいれんや神経異常のない健康児106人を調べた。多型はRFLPとアガロースゲル電気泳動法を用いて分析した。IL-1βの遺伝子タイプは、患者のグループではCCが22.4%, CTが52.2%, TTが23.3%であり、正常児グループではCCが38.7%, CTが50.95%, TTが10.4%であった。TT遺伝子型は、正常児グループよりも患者グループのほうでよく認め、Tをもつ頻度は患者グループでかなり高かった。IL1RアンタゴニストVNTRの3つのグループRN1/1, RN1/2, RN2/2の間では、RN2/2とRN2アレルの両方の頻度が患者グループで高かった。またRN2アレルの頻度は、コントロールよりも高く、IL-1β511C>TとIL1Rアンタゴニストのイントロン2のタンデムリピート多型は熱性けいれん児との関連があるように思える。

Restriction fragment length polymorphism(RFLP): 制限酵素断片長多型。人の集団の遺伝的座位の対立形質が異なるように(polymorphism)、DNA の特定の制限酵素部位でも多型がある訳である。RFLPはエキソン、イントロン、側面配列(flanking sequences), 及び全てのDNA 配列において認められる(Cruse 1995) 。RFLPのDNA 配列の違い(variations)はメンデル遺伝する。従ってこのRFLPは遺伝性疾患の遺伝子欠陥部位を診断したり、遺伝子地図( 連鎖地図 linkage map) の研究にも使用されている。

VNTR:数塩基~数十塩基からなる配列が繰り返し存在するもので、ゲノム中に数百~数千箇所ある。この繰り返しの数が個体によって異なる(つまり多型が見られる)。ゲノム中で目的とする遺伝子の位置を明らかにするためのマーカーとして連鎖解析等に用いられてきたが、最近では、より多く分布するSTRPを用いることが多い。

2009年1月20日 (火)

バルプロ酸治療のてんかん児における血栓のリスクファクター

Thrombophilic Risk Factors in Epileptic Children Treated with Valproic Acid
Pediatric Neurology Volume 40, Issue 2, Pages 102-106 (February 2009)

バルプロ酸治療のてんかん児における血栓のリスクファクターについての論文です。バルプロ酸が血栓症と関連があるという報告は少ない。今回てんかんと診断され、バルプロ酸単剤治療を新しく開始する21人の小児(1-13歳)に血栓症のリスクを調査してみた。以前に抗けいれん薬で治療された小児はいなかった。バルプロ酸を開始する前に、ホモシスチン、リポプロテイン(a), VIII因子, IX因子, プロテインC, プロテインS,ATⅢ、活性化プロテインCを全ての患者で測定し、バルプロ酸開始後9ヶ月後と1年後にも測定した。血栓遺伝子変異(Ⅴ因子LeidenとプロトロンビンG20210A変異)もまた治療前に全患者で調べた。治療後にリポプロテイン(a)レベルの上昇とフィブリノーゲンの低下がみられ統計学的に有意であった。プロテインCレベルの減少とホモシスチンレベルの上昇もまた認められたが統計学的差はなかった。血栓のリスクファクターを認めても治療後に実際に血栓を起こしたものはなかった。バルプロ酸はリポプロテイン(a)のレベルを上げ、フィブリノーゲンを下げる。これは梗塞や他の血栓疾患のリスクを上げると思われる。バルプロ酸治療に関連する血栓因子のレベルや活性の変化による臨床的副作用はなかった。そのためバルプロ酸開始以前に血栓関連因子検査が全ての患者に必要であるとは限らない。しかし以前に梗塞や血栓によるイベントがあった小児にバルプロ酸治療を開始する時は注意が必要である。

Factor V Leiden (R506Q) とは・・・(日本血栓止血学会のホームページより)
凝固系第V因子の一種の多型です。
506番目のアルギニンがグルタミンへ変異している第V因子変異分子(R506Q)でFactor V Leidenと 呼ばれています。この変異分子は正常の第V因子と同等の凝固活性がありますが、506番目のアルギニンが グルタミンへと変異したために、プロテインC/プロテインS凝固制御系に抵抗性になって、必要以上に凝固系が進行し血栓形成傾向が強くなります。
北欧系の人々の約10%弱がこの多型を持っているといわれており、血栓症患者では20-60%の頻度で Factor V Leiden (R506Q)遺伝子を持っているという調査結果が出ています。
黒人やアジア人はこの多型は持っていません。
その代わりに、日本人の血栓 症患者ではプロテインC/プロテインS凝固制御系の活性低下が多い調査結果が出ています。
欧米人と日本人血栓症患者における、このような調査結果は、体内における適切な血栓形成に果たしているプロテインC/プロテインS凝固制御系の重要さを示唆していると考えられます。

2009年1月19日 (月)

部分てんかん小児におけるカルバマゼピンの血清脂質への影響

Effect of Carbamazepine Therapy on Serum Lipids in Children With Partial Epilepsy
Pediatric Neurology Volume 40, Issue 2, Pages 94-97 (February 2009)

 部分てんかん小児におけるカルバマゼピンの血清脂質への影響についての論文です。血清脂質の変化は、動脈硬化を引き起こす。抗てんかん薬は血清脂質を変化させる。部分てんかんの小児の血清脂質におけるカルバマゼピン療法の影響とカルバマゼピン濃度による変化について前方視的に調査した。29人の部分てんかんと診断された小児に14日間以内にカルバマゼピンを投与した。血清脂質は投与時と3ヵ月後に測定した。カルバマゼピン濃度は3ヵ月後に測定した。平均総コレステロールは投与時は130.2で、投与3ヵ月後は144.8と著明に増加していた。LDLやVLDL、中性脂肪もかなり変化した。HDLに対する総コレステロール比やHDLに対するLDL比もまた著明に増加した。HDL自体は変化がなかった。3ヶ月時に平均カルバマゼピン濃度は6.5であった。血清脂質の変化はカルバマゼピン濃度とは相関しなかった。カルバマゼピン療法は血性脂質を上げ、動脈硬化の危険性をあげる。
 

 確かにテグレトールでの中性脂肪やコレステロールが上昇することを経験します。HDLは変わらず、LDLや総コレステロールがあがるのは、あまり好ましくありませんね。

2009年1月13日 (火)

バルプロ酸(VPA)からトピラメート(TPM)への変更

Conversion from valproic acid onto topiramate in adolescents and adults with epilepsy. Acta Neurologica Scandinavica Published Online: 30 Dec 2008

 青年期、成人期のてんかん患者のバルプロ酸(VPA)からトピラメート(TPM)への変更についての論文です。VPAからTPMへの変更した際の効果や副作用について調査した。多施設、オープンラベル、シングルアームの非介入試験をVPA単剤もしくは多剤からTPMに変更したてんかん患者さんを対象に行った。TPMは追加薬として用い、1日1回25mgから始めた。投薬量は25mgづつ1-2週間隔で漸増し、50-200mgで維持した。臨床評価に基づいてVPAを減量のタイミングを決めた。質問はけいれんのタイプと頻度、TPMの量、QOL、自己満足度、副作用について行った。147人の患者(59%が女性、平均年齢41歳)が、効果不十分や慣れのためVPAからTPMに変更した。観察期間は平均20.3週で、16.3%の患者さんが脱落した。主な理由が副作用であった。最終的に、TPM単剤治療への変更は70%で行われ、平均投与量は150mgであった。変更後8-20週で75%の患者さんが50%以下にけいれんが減少し、51%の患者さんがけいれん完全抑制となった。QOLIE-10のすべての項目で、以前と比べてQOLは改善した。最も多かった副作用は体重減少で4.8%、痺れや倦怠感が4.1%、言語障害や頭痛が2.7%であった。結論として、VPAで充分な効果のない患者に、TPMに変更するとけいれんコントロールがよくなり、QOLが改善することがわかった。

Single arm clinical trial:「比較対象をおかない臨床試験」
Open label 盲検化なしの

2009年1月 2日 (金)

非家族性新生児痙攣のKCNQ2新規変異

A de novo KCNQ2 mutation detected in non-familial benign neonatal convulsions.
Brain Dev. 2009 Jan;31(1):27-33. Epub 2008 Jul 21.

非家族性新生児痙攣のKCNQ2新規変異についての論文です。まれな家族性の特発性てんかんの遺伝子異常としてKチャネル遺伝子であるKCNQ2の変異が上げられる。しかし一般的なてんかんでは遺伝子異常があまりわかっていない。たとえば散在性特発性てんかんは家族性てんかんと表現形が似ているが、遺伝子異常はわかっていない。今回、非家族性の良性新生児けいれんの女児に遺伝子異常がけいれんの原因となっているかどうか調べた。彼女に良性家族性新生児乳児痙攣の候補遺伝子であるKCNQ2,3,5,KCNE2,SCN1A,SCN2Aといった遺伝子異常を調べた。また変異の同定されたチャネルの電気生理学的特性を調べた。 ウエスタンブロット法と免疫染色で変異チャネル分子の細胞内外の局在を調べた。結果としてこの女児にKCNQ2の新規のヘテロ変異(c.910-2delTTC or TTT, Phe304del) を見つけた。変異は血統分析により新規であるとわかった。変異はKCNQチャネルの障害に関与していた。
変異のチャネルは細胞表面に発現していた。KCNQ2のPhe304欠失は、Kチャネルの機能不全を来たすが、他の細胞表面にあるチャネルを変化させることはない。今回のことで、遺伝性特発性てんかんに関与する遺伝子が、非遺伝性の特発性てんかんにも関与していることがわかり、より一般的な特発性てんかんの分子メカニズムが判明していくと思われる。

家族性だとチャネル異常がよく言われますが、散発性でも関与している例があるのですね。チャネロパチーの研究も面白そうだと思います。ちなみにKCNQ1はQT延長症候群(重篤な不整脈)の原因遺伝子であります。

2008年12月29日 (月)

熱性けいれん後の酸素状態

Oxidant status in children after febrile seizures.
Pediatr Neurol. 2009 Jan;40(1):47-9.

熱性けいれん後の酸素状態についての論文です。小児の熱性痙攣後の酸素状態を評価するために61人の小児を調べた。31人の熱性けいれん児と30人の正常児である。赤血球マロンジアルデヒド、グルタチオンペルオキシダーゼ、スパーオキサイドディスムターゼ値をすべての患者で測定した。熱性けいれんグループで赤血球マロンジアルデヒド、グルタチオンペルオキシダーゼはかなり高く、スパーオキサイドディスムターゼは低かった。熱性けいれんはかなりの酸素ストレスを引き起こし、この3つの酸素状態の変化が熱性けいれん後に起きる細胞障害の一過程であると思われる。

2008年12月27日 (土)

迷走神経刺激療法と発作頻度低下以外の利点

Vagus nerve stimulation for refractory epilepsy in children: More to VNS than seizure frequency reduction
Epilepsia Published Online: 15 Dec 2008

難治性てんかん児に対する迷走神経刺激療法(発作頻度低下以外の利点)についての論文です。迷走神経刺激療法(VNS)は難治性てんかんの追加療法として使用頻度が増えている。小児のVNSの研究は主に発作頻度減少であり、臨床症状の詳細はあまり語られない。今回難治性てんかんの児へのVNSを施行し、VNSのさらなる詳細について得られたので報告する。26人にVNSを行い、18ヶ月フォローした。臨床症状、発作タイプ、発作症状、てんかん症候群、けいれん発作頻度やけいれんの重篤さに対するVNSの効果について調べた。54%の患者がVNSに反応し、50%以上のてんかん発作減少となった。レノックスガストー症候群で強直発作の患者は78%とより反応がよかった。9人中7人に効果があった。てんかん重積発作は減少もしくはなくなった。50%以上てんかん発作減少したものは、さらにてんかんの重症度、期間、回復時間の全てで減少した。50%以上てんかん発作減少したひと全員としなかった3人で意識状態がよくなった。VNSによりてんかん発作頻度が減少したばかりでなく、発作重症度、回復時間、日中脱力発作の消失、重積のための入院が減少し、患者さんのQOLが向上した。

2008年12月21日 (日)

パナイトポーラス症候群のびまん性起始を呈した発作時脳波

Diffuse Onset of Ictal Electroencephalography in a Typical Case of Panayiotopoulos Syndrome and Review of the Literature.
J Child Neurol. 2008 Dec 10.

 パナイトポーラス症候群のびまん性起始を呈した発作時脳波についての論文です。パナイトポーラス症候群はよくある良性の小児自律神経局在てんかんである。一般的には後頭葉てんかんとして知られているが、実際はいろいろな焦点を持つことが知られている。発作時脳波は発作焦点を決める王道だが、パナイトポーラス症候群では発作が単発でまれなため、7症例しか発作時脳波が報告されていない。発作開始は前頭部と後頭部で後頭部のほうが多い。今回4歳発症のパナイトポーラス症候群の8歳女児で、5回の夜間自律神経発作を呈したため報告する。最終発作は脳波で捕らえることができ、発作波はびまん性起始を呈した。一方いくつかの間欠期脳波では多焦点性のスパイクを呈した。この症例により不安定な中枢性自律神経システムを生み出すびまん性で多焦点性皮質てんかん原性といったパナイトポーラスの病因理解が進むと思われる。

2008年12月17日 (水)

トピラメートによる発汗減少の電気生理学的検討

Electrophysiological Study in 2 Children With Transient Hypohidrosis Induced by Topiramate.
Clinical Neuropharmacology. 31(6):339-346, November/December 2008.

トピラメートにより引き起こされた一過性の発汗減少の2小児の電気生理学的検討についての論文です。発汗減少はしばしば高熱と関連があり、小児で多く、広域の抗てんかん薬であるトピラメートのまれで一過性の副作用として報告がある。この研究の目的はトピラメートで治療している子どもの発汗減少の皮膚神経支配機構につて調べることである。方法としてトピラメートで治療されている発汗減少の2人の小児に対し、神経生理学的検査を行った。トピラメート治療群とコントロール群で電気生理学的データを記録した。交感神経皮膚反応もトピラメート治療中と中止後で測定した。トピラメートで発汗減少を来たした2人では電気生理学的検査では、βもδの感覚神経の機能は異常なかったが、交感神経皮膚反応は欠如しており、中止後は正常に回復した。トピラメートは汗腺のレベルで一過性に特異的に炭酸脱水素酵素阻害を行い、末梢神経には影響を及ぼしていないことがわかった。

神経作用ではなく、汗腺のレベルでのブロックだったんですね。多汗症などにも応用できるかもしれません。

2008年12月 8日 (月)

小児てんかんのケトン食療法

An overview of the ketogenic diet for pediatric epilepsy.
Nutr Clin Pract. 2008 Dec-2009 Jan;23(6):589-96.

小児てんかんのケトン食療法についてのレビューです。てんかんは世界で最も有名な神経疾患であり、その有病率は1%とされる。好発年齢は小児期か高齢者で、成人期は少ない。これまでのてんかん治療として薬物療法や外科治療、迷走神経刺激療法などある。これらの治療にも関わらず、25%の子どもがけいれんのコントロールができていない。ケトン食療法は1921年以来使われているが、難治性の患者の多くに適応される。1998年にBlue Cross Blue Shieldによって1084人の小児患者の19の研究のメタアナルシスを行った。けいれんのコントロールにおけるケトン食の効果は次のようなものである。16%がけいれんがなくなり、90%以上減少したのが32%、50%以上減少したのが56%であった。ケトン食は高脂肪、中程度の蛋白、低炭水化物である。この組み合わせは持続的なケトーシスを生み出し、メカニズムは不明だがけいれんを抑える。効果を得るには厳格な食事療法が必要とされる。最近ではケトン食の自由度の高いものが生み出され、子どもも大人も利用している。副作用になりうるため、代謝的に調節された食事療法のすべての方法は医学的に行われなければならない。このレビューの焦点はケトン食の小児の適応についてである。

2008年11月29日 (土)

急性脳症を来たしたネコひっかき病

Cat scratch disease presenting as acute encephalopathy.
Emerg Med J. 2008 Oct;25(10):703-4.

急性脳症を来たしたネコひっかき病の症例報告です。9歳の少年が急性の髄膜脳炎を来たし、その後複雑部分発作を呈し、バルトネラ感染もしくはネコひっかき病の症状とわかった。4週間後に一回発作を起こしたが、カルバマゼピンで1年間発作なしの状態である。しかしながらカルバマゼピンを中止した6ヵ月後に脳波異常を伴うデジャブと欠神発作を起こした。カルバマゼピンを再開したところ、症状は消失した。

ネコひっかき病が中枢神経系にも悪さをするのですね。

2008年11月18日 (火)

Glut1欠損症を引き起こすT295変異の機能の研究

Functional studies of the T295M mutation causing Glut1 deficiency: glucose efflux preferentially affected by T295M.
Pediatr Res. 2008 Nov;64(5):538-43.

 Glut1欠損症を引き起こすT295変異の機能の研究(糖流出に対するT295M変異の影響)です。グルコーストランスポータータイプⅠ欠損症は乳児けいれんや後天的小頭症、発達遅滞、髄液糖減少(<40mg/dL)といった特徴の病気であり、グルコース再取り込みが減少する(56.1 +/- 17%正常比)。以前に比較的軽度なGlut1欠損症の二人の患者でGLUT1遺伝子のT295Mのヘテロ変異と正常のグルコース取り込みを呈した症例を報告した。アフリカツメガエルの卵母細胞の発現においてT295M変異の病因を調べた。糖フリーの条件の下でのT295M変異Glut1のVmaxとKmはWT values (7443 pmol/min/oocyte and 90.8 mM)と比較して著明に減少した。ウエスタンブロット解析と共焦点研究でT295M変異蛋白の細胞膜への取り込みがみられた。M295の側鎖はこのGlut1分子モデルにおける糖流出の細胞外ゲートをブロックすると予想される。T295M変異が特にGlut1構造を特異的に変化させ、流入よりも流出を阻害するようなると結論付けた。これらの所見は低髄液糖と正常の糖取り込みという一見Glut1欠損症の所見と矛盾する所見を説明している。

 かなり難しい内容でいまいち理解できませんでした。

ちなみにzero-trans assayという分析方法があって、糖フリーの細胞への目的の糖の流入と糖フリーの培地への目的の糖の流出を測定し、それによってKm値やVmax値を出す測定法のようです。

2008年11月13日 (木)

乳児てんかんのGABA-A受容体の性質

GABAA receptor properties in catastrophic infantile epilepsy
Epilepsy Research Volume 81, Issues 2-3, October 2008, Pages 188-197

悪性の乳児てんかんのGABA-A受容体の性質についての論文です。皮質異形成による悪性のてんかんは、抗てんかん薬の治療に抵抗する。多くの治療が抵抗性であるが、少なくともGABA-Aの神経伝達を阻害するなにかがあると考えられている。薬剤抵抗性がGABA-A受容体機能の変化と関係あるかどうか調べるために、最近4人のインファンタイルスパスムと皮質異形成による難治てんかん患者から脳組織を摘出し、GABA-A受容体の割合を測定してみた。てんかん原性皮質からの組織を別の剖検のコントロールの組織と比較した。この研究を行うためにアフリカツメガエル卵母細胞に脳細胞膜抽出物を挿入してみたところ、卵母細胞の細胞膜内にヒトのGABA-A受容体が取り込まれた。2電極のvoltage-clamp 法を用いてGABA-A受容体の薬理学的性質を分析してみた。受容体の親和性や逆転電位、電流減衰、電流低下はてんかん乳児と変化がなかった。ベンゾジアセピン系やバルビツール系による電流増強もまた変化がなかった。しかしながらてんかん乳児において神経ステロイドによるGABA-Aの電位増強量は著しく減少し、亜鉛による電流阻害は増強された。これらの所見は皮質異形成による悪性の乳児てんかんの薬剤抵抗性の原因となっている可能性があり、治療への応用が期待される。

わからない電気性理学的用語がたくさん出てきて大変でした。ステロイドがGABA-Aに作用しづらくなるということでしょうか。難しいですね。

2008年11月11日 (火)

小児てんかん患者と脂質異常

Lipid Profile, Apolipoproteins A and B in Children With Epilepsy
Journal of Child Neurology, Vol. 23, No. 11, 1275-1281 (2008)

小児てんかん患者に於ける脂質とアポプロテインAとBについての論文です。この研究では、小児特発性てんかん患者についての脂質系、内頚動脈の壁厚について測定、評価することである。22人の特発性てんかん小児でカルバマゼピンかバルプロ酸を内服している。TG、TCHO、LDL、HDL、アポプロテインA1、Bと内頚動脈の壁厚について測定した。コントロールと比べてカルバマゼピン内服患者ではTCHOとLDL、HDLの上昇、アポプロテインA1の低下を認めた。バルプロ酸患者ではコントロールと比べ、TCHO、LDL、アポプロテインA1は減少しており、カルバマゼピン内服患者と比べるとTCHO、HDL、アポプロテインA1は減少していた。内頚動脈内壁厚はどのグループ間でも変化はなかった。動脈硬化指数は変化がないが、低アポプロテインA1は冠動脈疾患のリスクとなりうることが示唆された。

2008年10月25日 (土)

デフラザコートと難治性てんかん

A comparative study of hydrocortisone versus deflazacort in drug-resistant epilepsy of childhood.
Epilepsy Res. 2008 Sep;81(1):80-5.

 ステロイドは難治性のてんかんの治療に対しよく使われる。デフラザコートはプレドニゾロンと同等の効果を有するが、副作用が少ない。この研究ではまず薬剤抵抗性のてんかん児におけるデフラザコートとプレドニゾロンの効果、安全性、発作再発率を比較した。ここまでは薬剤抵抗性の35人のてんかん児に対するオープンで非盲検で無作為臨床試験とした。これは12ヶ月間継続し、グループ1(16人)は6ヶ月間ハイドロコルチゾンを服用、グループ2(19人)は全研究期間デフラザコートを服用した。薬剤の効果や耐容性は治療開始6ヶ月後に行った。けいれん再発率は開始12ヶ月後に行った。6ヵ月後ハイドロコルチゾンは44%の人で有効(50%以上けいれん頻度の減少)であった。デフラザコートは47%で有効であった(P=0.9)。副作用はハイドロコルチソン使用している人の37%に認め、デフラザコートでは誰も認めなかった(P=0.002)。研究終了時でけいれん再発率はグループ2よりグループ1のほうがかなり高かった(P=0.04)。ハイドロコルチソンは重度の薬剤抵抗性小児てんかんの治療として有効であるが、その効果は一過性である。デフラザコートはてんかん性脳症の治療手段として考慮すべきである。この薬はハイドロコルチゾンと同様に効果的で、より少ない副作用のため長期間の治療でも使用できるからである。

 デフラザコートは効果はプレドニンと変わらず、副作用が少なく再発も少ない。これまで副作用のためにプレドニゾロンをためらってきた人にはいい薬ですね。ネットで調べるとネフローゼでも同じような論文がありました。早く日本でも発売されないのですかね。

2008年10月23日 (木)

オキシカルバマゼピンと骨代謝異常

Evaluation of bone turnover in epileptic children using oxcarbazepine.
 Pediatr Neurol. 2008 Oct;39(4):266-71.

 オキシカルバマゼピンを服用しているてんかん児の骨代謝の評価について論文です。この研究は、オキシカルバマゼピンを単剤使用している思春期前後のてんかん児の骨代謝の評価に関するものである。34人の骨密度、血清骨形成マーカー、ホルモンマーカーが正常の新規診断された小児患者を集めた。25水酸化ビタミンDのレベルが、服用後にかなり減少した。GGT(gamma-glutamyl transferase)や血清リン、ALP、オステオカルチン、PTH、カルシトニンは上昇した。しかしオステオカルチンとGGTレベルは統計的にベースラインと大きな変化を認めた。薬剤誘発の骨減少症は3人の患者で認められ、その骨密度のZスコアは-2.0以下であった。一方、これらの患者の治療前のZスコアは-1.5であった。オキシカルバマゼピン治療18ヶ月後では骨代謝のわずかな副作用を認めたが、その程度は正常の骨密度の子どもにとっては、わずかであった。骨代謝の変化は骨代謝の減少を説明するのに必ずしも充分ではないが、骨減少症の患者はオキシカルバマゼピン治療(特に長期投与になるときは)開始以前に注意深く観察する必要がある。

オキシカルバマゼピンはまだ日本では使われてません。骨代謝に影響するてんかん薬があるんですね。

2008年10月18日 (土)

水頭症とCSWS

Epileptic encephalopathy with continuous spikes and waves during sleep in children with shunted hydrocephalus: a study of nine cases.
Epilepsia. 2008 Sep;49(9):1520-7.

 水頭症のためシャントした小児におけるCSWSを伴うてんかん性脳症についての論文です。けいれんとCSWSと精神運動発達遅滞を伴う早期発症の水頭症の9人について報告する。9-16歳の6人の男児と3人の女児(平均11.3歳)についての報告である。すべての患者は診察、脳波、神経画像、神経生理検査を最初に行った。抗てんかん薬は9人全てで投与されており、発作や脳波所見に従い、変更していた。てんかんの発症は8-60ヶ月で平均は19.6ヶ月、中央値は14ヶ月である。局所的なけいれんを呈するが、2次性の全般化はあったりなかったりであった。9人全てに6歳から13歳の間(平均10.4歳で中央値は8歳)は、多動や攻撃性、社会性の欠如を認めた。9人のうち3人に注意不足や言語障害、見当識障害を認めた。2人には陰性ミオクローヌスを認めた。脳波はCSWSを呈していた。治療はすべての患者で反応した。再発したものはなく、7人はけいれん無しにとなった。2人は2-5年のフォロー中、散発的な部分運動発作が続いた。早期発症の水頭症の子どもにおいて、特に行動、言語障害や運動障害を呈するものは、CSWSの可能性を考慮するべきである。こういった子には定期的に睡眠脳波をとるべきである。この特別な脳波異常を早期に見つけることで、進行性の認知異常を避ける適切な治療を早めに開始することができる。

水頭症の子で軽度の発達障害などあれば、常にCSWSを念頭に脳波をとっていけばいいのですね。

2008年10月10日 (金)

入浴関連発作

Bath-induced paroxysmal disorders in infancy.
 Eur J Paediatr Neurol. 2008 Jun 19.

 乳児のお風呂と疾患に関する論文です。乳児や新生児の普通の沐浴が発作性の疾患のきっかけになることがある。体温よりも高い高温の風呂よりもむしろ普通の温度(36-38度)の風呂による乳児の沐浴について調べた。4つの基本的な診断カテゴリーについて調べた。入浴てんかん、交代性片麻痺、hyperekplexia(ビックリ病)、発作痛である。入浴てんかんはよく知られており、高温風呂によるてんかんとはほぼ間違えなく違ったものである。以前から水性じん麻疹と関連のある発作は、遺伝性のある入浴てんかんであったと思われる。反対意見もあるが、入浴誘発乳児失神の信頼できる報告はない。乳児の入浴誘発発作の機序は依然わからないが、すべてが自律神経に関係しており、すべてではないが一部はチャンネル異常と思われる。

 入浴関連発作というものがあるのですね。沐浴していたら急に・・・。こわいです。気をつけて沐浴しないといけないですね。よくSMEなどである高温の風呂によるてんかん誘発とはちがう遺伝的なものなんですね。

2008年10月 8日 (水)

てんかん重積に対する迷走神経刺激療法

Vagus nerve stimulation for refractory status epilepticus. Eur J Paediatr Neurol. 2008 Jun 26. てんかん重積に対する迷走神経刺激療法についての論文です。難治性の非痙攣性てんかん重積の患者さんに迷走神経刺激療法が奏効し、長期の経過を観察できたので報告する。患者は生後8日目に右内頸静脈血栓と右視床の出血の既往がある7歳の女児で、生後13ヶ月からてんかんをわずらっている。6歳のときに難治性の非痙攣性てんかん重積状態が出るようになった。迷走神経刺激装置ははチオペンタール昏睡11日後に埋込んだ。迷走神経刺激3日後チオペンタール昏睡から離脱でき、脳波は刺激後1週間で正常化した。13ヶ月の経過観察後でも患児はけいれん無しの状態であり、抗てんかん薬も一部減らしてきている。難治性の非けいれんてんかん重積をもつ7歳女児において迷走神経刺激療法によって長期間の発作なし状態にできた。

2008年10月 3日 (金)

家族性のガストータイプ後頭葉てんかん

Late-onset childhood occipital epilepsy (Gastaut type): a family study.
Eur J Paediatr Neurol. 2008 Sep;12(5):421-6.

ガストータイプのてんかんについての論文です。後期発症の小児良性後頭葉てんかん(ガストータイプ:LOCOE)は長期予後のよくわかっていないまれな特発性てんかんである。幻覚と非発作時の後頭葉の棘徐波複合がこの症候群の脳波と臨床的な主な所見である。LOCOEは遺伝的素因と患者自身の問題の両方が言われてきた。ここで2家族におけるLOCOEの脳波と臨床的な特徴を報告する。私たちの所見が正しいことを証明するためにさらなる研究が必要ではあるが、私たちが研究した一つの家族で2世代にわたりLOCOEを呈したことは、以前立てたLOCOEの常染色体優性遺伝モデル仮説を裏付けることとなる。もちろん、より大きな家族での証明が連鎖解析研究の前段階となる。

ガストータイプには遺伝性があるものがあるんですね。僕はまだガストータイプのCEOP自体をまだみたことが無いです。

2008年9月29日 (月)

複雑型熱性けいれん後の海馬硬化

Development of hippocampal sclerosis after a complex febrile seizure.
 Eur J Pediatr. 2008 Jul 17.

複雑型熱性けいれん後の海馬硬化への進展についての論文です。海馬硬化の原因として遷延する熱性けいれんは議論が分かれるところだが、てんかん外科による統計分析とデータからみると因果関係があると思われる。3歳の男の子が一過性の痙攣後弛緩性麻痺を伴った最初の熱性けいれんを起こした。MRIでは両側海馬は異常を認めなかった。4歳のときに長い熱性けいれんを起こした。すぐMRIを施行したところ、右の海馬がT2WIとFLAIRで信号の増強を認めた。DWIでも同部位が高信号になっており急性の神経障害が考えられた。6週後に右の海馬は依然T2WIでは高信号であったが、拡散強調画像でははっきりしなかった。2回目の熱性けいれんの16ヵ月後にMRIを施行したところ、右の海馬は依然高信号であったが、そのサイズは減少し典型的な海馬硬化を示していた。このケースでは長い局所的な熱性けいれん後に海馬硬化になったもので、それ以前には海馬の異常もなく家族歴もなかった。これは長い熱性けいれん単独でも海馬硬化の原因となりうることを示している。

 こういうのをみると複雑型の熱性けいれん児のご家族には将来の海馬硬化→側頭葉てんかんの話はしておくべきかなと思うことがあります。でも実際は熱性けいれん2回くらいだと言いづらいことも多いです。みなさんはどうしているのですかね。

2008年9月20日 (土)

思春期前はバルプロ酸と体重増加は関係がない

Pediatr Neurol. 2008 Sep;39(3):177-80. Links
Lack of valproic Acid-associated weight gain in prepubertal children.

 思春期前の子どもにおいてバルプロ酸関連の体重増加は認めないという論文です。バルプロ酸で治療されている思春期前の子どもは過体重にならないかどうか評価してみた。この研究はてんかんをの子どもで調査時に12歳以下の子どもを対象にバルプロ酸かカルバゼピン単剤療法に関連した体重増加を調べてみた。バルプロ酸治療群31人、カルバマゼピン治療群49人で治療年数や平均年齢は大差なくした。この研究の初めと終わりのBMIを測定し身長に対する体重増加があったかどうか評価してみた。McNemar検定の結果によるとバルプロ酸を飲んでいる子どもでは体型の変化はなく(P = 0.15)、いっぽうカルバマゼピンを飲んだ子どもでは体重増加を認めた(P = 0.03)。バルプロ酸を飲んでいる子どもでは明らかな体重増加はなく、むしろカルバマゼピンを飲んでいる子どもの群で体重増加が認められた。

 担当患者でデパケンを飲んでから食欲が亢進し体重が増えたのは、たまたま成長期にぶつかったからだったんでしょうか。テグレトールではあまりそういう感じを受けなかったのですが...。バイアスがかかったいたのでしょうか。今後の体重の動きを見ていきます。
 

2008年9月19日 (金)

熱性のミオクローヌス

Febrile myoclonus: an underreported, benign condition in infancy often misinterpreted as febrile seizures.
Pediatr Emerg Care. 2008 Sep;24(9):618-20.

発熱時のミオクローヌスについての論文です。報告は実際より少なく、乳児において良性の運動であるが、熱性けいれんと間違えられやすい。Massive myoclonic jerksはしばしば発熱期間に劇的にしばしば呈するが、あまり報告はなく、たいていは熱性けいれんと関連があるといわれている。熱性のミオクローヌスは熱性のミオクローヌスはたいていは神経学的な異常を伴わない良性の運動である。しかしながら患者さんにとっては必要のない検査や治療されることもあり、重要なことかもしれない。だから救急医やプライマリケア医は両親や付き添いの人を安させ、不当な入院や髄液穿刺や脳波といった検査を避けることが重要である。私たちは熱性のミオクローヌスの3ケースを報告し、それについてまとめてみた。

 確かに発熱時のミオクローヌスはよく見かけ、親からもけいれんがおきたといってよくよばれます。

 ちなみにMassive Myoclonic Jerkについて調べたところ・・・
 Lennox(1945)は、広義の小発作テンカンの中に、小発作(Petit Mal),ミオクロヌス発作(Myoclonic Epilepsy)および無動性発作(Akinetic Epilepsy)の三つを分け、これを小発作3型(Petit Mal Triad)とした。その後、Lennox & Davis(1950)は、小発作3型を検討しなおし、より幼弱者にみられるMassive Myoclonic Jerkという1型をつけ加えて、小発作4型(Petit Mal Quartette)として総括した。
 

2008年9月18日 (木)

熱性けいれんと亜鉛濃度

Zinc concentration in serum and cerebrospinal fluid simultaneously decrease in children with febrile seizure
Acta Padiatrica Published Online: 15 Sep 2008

 熱性けいれん児の血清と髄液の亜鉛濃度の低下についての論文です。熱性けいれんのメカニズムは多要因であり、いまだにはっきりとわかっていない。今回けいれんのない発熱と比べて、熱性けいれんでの血清と髄液の亜鉛濃度の変化についての横断的研究を行った。亜鉛濃度を50人の熱性けいれんの子どもと30人のけいれんのない発熱の子で血清と髄液で原子吸光光度計を用いて測定した。2グループの亜鉛レベルの比較分析はSPSS/Windows 12.0という統計ソフトで解析した。熱性けいれん児における平均血清、髄液亜鉛濃度は、464.60 ± 64.57 と 46.28 ± 7.46であり、けいれんのない発熱児の亜鉛濃度の749.33 ± 73.19 と 111.28 ± 19.11 より低かった。どちらもp < 0.001という明確な差を認めた。血清や髄液の亜鉛濃度は年齢や発熱期間では差はなかった。髄液の亜鉛は熱性けいれんのエピソードから12時間を超えてルンバールをすると上昇していった。結論として血清や髄液の亜鉛は熱性けいれんでけいれんのない発熱より低下していた。さらなる研究では、今回の結果を裏付けたり、または反論したりする大規模なサンプルで、地理的にも様々な場所で行う多施設共同研究が望まれる。世界的にみて亜鉛補充がけいれん予防となる統一強化プロトコールが重要である。

 熱性けいれんだと亜鉛が下がるのですね。亜鉛補充で熱性けいれんが予防できると確かにいいです。

2008年9月17日 (水)

抗てんかん薬子宮内暴露と発達障害

Neurodevelopmental delay in children exposed to antiepileptic drugs in utero: a critical review directed at structural study-bias.
J Neurol Sci. 2008 Aug 15;271(1-2):1-14. Epub 2008 May 13.

抗てんかん薬の行動異常に対する催奇形性の論文です。抗てんかん薬に子宮内でさらされると先天奇形(催奇形性)が引き起こされることについてはすでに1968年には知られていた。とくに子宮内でフェニトインにさらされると胎児ヒダントイン症候群として1975年に最初に報告された。1984年にはDiLibertiは子宮内でバルプロ酸に暴露された児で大奇形を含む含まないに関わらず形態的な顔貌異常といった小奇形の一群を胎児バルプロ酸症候群として
提唱した。その後、その一部として中枢神経系の異常も知られるようになった。発達異常、教育異常、行動異常が、抗てんかん薬、特にバルプロ酸に子宮内で暴露された人で起きるかどうかについての疑問はてんかんを持つ多くの女性にとって両親や小児科医を含めて、重要な問題となっている。MEDLINEやそれに類似するデータベースを用いて、56の研究を集めてきた。集めた研究では明確な結論は導き出せなかった。抗てんかん薬、特にバルプロ酸に子宮内でさらされた結果、発達異常、行動異常、学習障害が引き起こされる可能性は真剣に考慮される必要がある。しかしながら各々のリスクに対するエビデンスは、今回は認めなかった。さらにはバルプロ酸に対する特定の増加リスクは構造的にバイアスがかかっている。この分野の大きな問題は、方法論、特に神経発達遅滞とてんかん薬子宮内曝露との間を複雑にする重要な複合要因の存在である。われわれは行動的な催奇形性についての研究のためのガイドラインの一つを提唱する。

 デパケン服用母体からの出産はたまに経験します。体表奇形や内臓器系はスクリーニング検査をするのですが、将来の広い意味での発達障害については、あまり考えませんでした。これからはこのことも注意しながらフォローしていきます。

2008年9月15日 (月)

グルタミン脱水素酵素変異とミオクロニー欠神てんかん

Myoclonic absence epilepsy with photosensitivity and a gain of function mutation in glutamate dehydrogenase.
Seizure. 2008 Oct;17(7):658-664. Epub 2008 Mar 5.

光過敏性をともなうミオクロニー欠神発作とグルタミン脱水素酵素の機能獲得型変異についての論文です。グルタミン脱水素酵素(GDH)の活性型変異は新規もしくは常染色体優生遺伝だが高インスリン高アンモニア症候群において認める。てんかんはGDHの変異と関連があるとの報告をしばしば認め、てんかんのタイプとの関係は明らかでなかった。ここで私たちはGDHの優生遺伝変異を伴った家族を報告する。母、兄、2人の妹でミオクロニー欠神発作を呈し母と一人の妹のみ完全な高インスリン高アンモニア症候群を呈した。二人の妹はミオクロニー欠神を呈し、てんかんは1歳で発症した。いっぽう兄は6歳発症である。3人の子供全員が脳波にて光刺激によって全般的Sp&Wvと多棘波の連発を認めた。母の脳波は光刺激では正常であった。MRIやMRSでは異常なかった。GDH変異の直接的な影響により、おそらくは高インスリン高アンモニアとの関係からこのてんかんの病態生理を説明できるだろう。

2008年9月14日 (日)

てんかんと光感受性

Epileptic Disord. 2008 Jun;10(2):136-43.
Photosensitivity in epileptic syndromes of childhood and adolescence.

小児てんかんにおける光感受性をていするてんかんについての論文です。光感受性は脳への外部からの光刺激に対する反応でグレードとして1-4まである。10歳までによく認める。この研究は小児てんかんにおける光感受性を調べるものである。キールにおける最大の小児病院の小児神経科において全ての治療を要する患者を対象に後方視的におこなった。一般的なてんかん症候群566人の臨床データと脳波を分析し、特に光感受性を調べた。EEGは標準的な間欠的光刺激を行い、最低でも2回は行った。光刺激を呈した患者は大人よりも小児の群で多く認め、これまでの報告と一致していた。全般てんかんの46%が光刺激を示し、部分てんかんでは20%であった。全般性特発てんかんIGEでは光刺激に反応しやすく、覚醒時大発作てんかんで74%、若年欠神てんかんで56%、若年ミオクロニーてんかんで56%、小児欠神てんかんで44%である。部分てんかんではローランドてんかんで23%、症候性部分てんかんで16%、一方、新生児けいれんや熱性けいれんなどの機会けいれんではおよそ23-40%であった。光刺激による突発波(グレード3-4)は部分てんかんよりもIGEでしばしば認めた92%。また女性のほうが優位であり、全てんかんの27-37%を占めた。光刺激はIGE、部分てんかん、機会けいれんのいずれでも認めるが、グレード3、4のものは特にIGEでよく認めた。

光感受性は若い人では、わりと多く認めていたのですが、てんかんの種類により違っていたのですね。光刺激による突発波は特発性全般てんかんに多いのは、よく知られたことです。

preponderance :優位

2008年9月 9日 (火)

ピリドキシン依存性けいれん

Clinical features and the management of pyridoxine-dependent and pyridoxine-responsive seizures: review of 63 North American cases submitted to a patient registry.
Eur J Pediatr. 2008 Sep 2. [Epub ahead of print]

ピリドキシン依存性、ピリドキシン反応性けいれんの臨床像と治療についての論文です。
ピリドキシン依存性けいれん(PDS)はの臨床研究を行うために、アメリカとカナダでの患者の希少疾患調査票を用いておこなった。1999~2007年に11ヶ月から40歳までの63人が登録されていた。PDSと診断された全ての登録患者は内科医によって臨床的診断基準をみたした。70%の患者が新生児痙攣の既往があり、発症から診断までは平均313日であった。ピリドキシンによる治療量はさまざまで1日あたり50から2500mgであった(1.4~67.8mg/kg/day)。47人がピリドキシン単独治療でけいれんなしの状態になっており、8人が他のてんかん薬との併用でけいれんコントロールが出来ている。残りの8人がピリドキシンや他のてんかん薬にもかかわらずにてんかんのコントロールはつかなかった。ピリドキシンを追加薬として用いている人もいれば、かえって痙攣を誘発したひともいた。またピリドキシン依存性よりはピリドキシン反応性のひともいた。4人の成人と7人の学童は発達的に問題なかったが、残りの人は神経発達に問題があった。25人が行動異常に対して薬物療法をしていた。新生児期や幼少時に難治のけいれんのフォローしていた内科医は、原因がPDSであることを考えない。ゆえに見過ごされたり、後になって診断や治療することとなる。PDSの診断は現在は遺伝的、生化学的にできるため公式なPDSのスクリーニングプロトコールが必要とされる。また臨床的にPDSと以前に診断された患者も確定診断のための検査を受けるべきである。

ピリドキシン依存性けいれんです。ALDH7A1遺伝子の変異でおきることがわかっています。後半にでてきた遺伝的検査とはこれをさすのでしょう。

facilitate:手助けする

2008年8月31日 (日)

てんかん薬と尿pH

Effect of antiepileptic drug polytherapy on urinary pH in children and young adults.

Childs Nerv Syst. 2008 Aug 14. [Epub ahead of print]

小児におけるてんかん薬多剤併用と尿pHに関する論文です。抗てんかん薬多剤併用療法と尿pHの関係を単剤療法と比較してその効果や相違点を調べた。7ヶ月から35歳までの271人の抗てんかん薬多剤併用療法患者からの尿を調べた。2剤併用は215人。3剤は45人、4剤は10人、5剤は一人であった。併用薬剤が多いほどpHはアルカリ性に傾いた(p < 0.0001)。バルプロ酸を含む多剤併用ではp < 0.05で、アセタゾラミドを含む多剤併用ではp < 0.03で尿はアルカリに傾いた。ゾニサミドやカルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、クロナゼパムでは尿pHは変化がなかった。特にバルプロ酸やアセタゾラミドを含んだり、多剤を併用している人では尿pHをモニタリングするべきである。

特にデパケンを飲んでいるてんかん患者さんでは半年に一度尿検査はしているのですが、pHまでは気にしてなかったです。結石とかと関係するのかな。今度注意深くみてみたいです。

4日前から今日まで夏休みでした。久々に子供たちに会えました(短期の単身赴任なんです)。前3編は夏休み前に、この抄録のみ本日やっています。明日から9月頑張ります。大事なのは今出来ることをすること、そして毎日続けること。

2008年8月28日 (木)

ケトン食療法の効果

A blinded, crossover study of the efficacy of the ketogenic diet.
Epilepsia. 2008 Aug 19. [Epub ahead of print]

 ケトン食療法の効果に関する盲検交叉研究に関する論文です。使用されてから80年以上経つのに、ケトン食療法では盲検試験が行われたことがない。今回難治のレノックスガストー症候群の20人に36時間絶食しその後1日あたり60gのブドウ糖もしくはサッカリンを含んだ液体での古典的ケトン食を与えた。家族と内科医はグルコースかサッカリンかどちらの液体かは知らされておらずケトン体のレベルも知らされていない。。6日間それを行い、その後交代し、また絶食から行った。24時間脳波を治療前と各治療後に施行した。グルコース治療群とサッカリン治療群との間で親が報告するけいれんは低下した。1日あたり平均で1.5回の差であった。EEG異常の減少では差はなく1日あたり平均7回くらいであった。ケトーシスはグルコース添加治療群では完全には除外できなかった。

 結局明らかな痙攣は減少するみたいですが、脳波上のイベントは変わりないみたいですね。機会があれば行ってみようと思います。

2008年8月25日 (月)

熱性けいれんと致死率

Death in children with febrile seizures: a population-based cohort study.
Lancet. 2008 Aug 9;372(9637):429-30.

熱性けいれんをしたことのある子の致死率についての論文です。

熱性けいれんの子どもの致死率の大規模スタディはない。デンマークで28年にわたるfollow upできた熱性けいれん後の致死率について大規模コホートスタディを実施した。1977年1月1日から2004年12月31日までデンマークで1,675,643人の子どもが生まれ、健康状態と死亡原因の情報を得た。子どもたちは3ヶ月から死んだり、移住したりするまでfollow upした。また2005年8月31日までfollow upした。最初の熱性けいれん後の全ての原因がはっきりしている死亡を生存率分析により推測した。さらにコホート内ケース・コントロール研究であるネスティド・ケース・コントロール研究を用いて、、なくなった8172人の子どもの熱性けいれんと神経的異常について、その対象群のものといっしょにカルテを回収した。全体としては8172人の子どもが亡くなり、51215人の熱性けいれんの子どもがおり、うち232人がなくなった。熱性けいれん群の亡くなった人は80%以上が発作から最初の1年以内であり、90%異常が2年以内であった。それ以降は一般の致死率と変わりなかった。熱性けいれんから2年以内の人10万人いたら132人が亡くなっており、熱性けいれんを起こしたことのない人10万人では67人が亡くなっている。ネスティド・ケース・コントロール研究では単純型の熱性けいれんでは、致死率は一般大衆とさほど変わりなく(1.09)、複雑型熱性けいれんでは致死率が上がる(1.99)。この結果は、あらかじめ持っている神経的異常や引き続き起こるてんかんによりある程度説明できる。熱性けいれんを起こした子どもであっても、長期の致死率は上がらない。しかし複雑型熱性けいれんから2年間はやや致死率が増加する程度である。熱性けいれん後の死はたとえハイリスクの子どもであってもまれであり安心してよいものである。

熱性けいれんがあったって致死率はそう変わらないのですね。今までなんとなく親に説明していましたが、根拠となる論文だと思います。

2008年8月20日 (水)

felbamate

2日目です。病院泊まりだったので、昨日の夜書いて、今朝またかいてます。

Efficacy and safety of felbamate in children under 4 years of age: a
retrospective chart review.
Eur J Neurol. 2008 Jul 9.

4歳以下の子に抗てんかん薬であるfelbamateを使用し、その効果と副作用を調べたものです。

4歳以下の53人にfelbamateを投与した。4ヶ月で発作回数が50%以下になったのものを有効とし、副作用は家族に報告してもらった。結果は41%が有効で、59%が無効であった。単変量解析で、年上ほど、てんかんの発症から期間が短いほど、てんかん発作の頻度が少ないほど効果的であった。felbamate以前に用いた抗てんかん薬により、felbamateの有効性が左右される。以前に用いたのが3剤以上より3剤未満のほうが有効であった。副作用は30%で認めたが、それにより中止したものはいなかった。felbamateは4歳以下の子どものてんかんには有効であり、追加薬として推奨される。

Na+チャネルブロッカーなんですね。おそらくはまだ日本での治験は始まっていないらしいです。

2008年8月19日 (火)

ブログを始めたきっかけは・・・

 小児科医になり、はや7年。地方の病院周りでまだまだ専門の勉強とはほど遠い環境です。

 あせりはありますが、今しか学べないこともあるので、まあしょうがないかな。みんなより出遅れ気味ですが、いつかは神経の勉強をしに国内留学したいと思っています。

 そんな僕ですがモチベーションを保つために、毎日1個づつ小児神経に関する自分の興味のあった英語論文の抄録(全文は大変なので)を紹介していきたいと思います。抄録の簡単な内容とそれに関する僕の感想を述べていきます。自分の勉強のためが主なので、あまり皆さんの参考にならないかもしれませんし、時には間違った解釈をしていることもありますが、その辺は大目にみてください。

 あとたまには身の回りのことも書いていこうと思います。

 大事なのは続けること。毎日1個づつ、留学まで続けたら数百個は読めるかな。そんな膨大な夢を描きつつ、始めたいと思います。

さっそく今日の論文

1、 A case-control evaluation of the ketogenic diet versus ACTH for new-onset
infantile spasms.
Epilepsia. 2008 Apr 10. [Epub ahead of print]

 新規発症のinfantile spasmsに対して、ACTH療法とケトン食療法を比べた論文です。治療開始1ヶ月の有効は、ケトン食13人中8人、ACTHは20人中18人。有効までの日数はケトン食4日に対し、ACTHは6.5日。1ヶ月の時点で脳波が正常であったのはACTHのほうが多かったが、ケトン食で効果のあった8人はその後の2-5ヶ月でみんな脳波は正常化したとのこと。副作用はケトン食が31%、ACTHが80%、再発率はケトン食が12.5%、ACTHが33%とケトン食のほうがよかった。よってケトン食では約2/3の患者さんで効果がありACTHよりは副作用や再発率が少ない、ACTHのうほうがすぐに脳波を正常化させる。2週間で効かなければ次の方法(ACTHやトピラメート)ということでケトン食を第一選択にしてみるのがよい。

 ACTHは数回経験があるけどやっぱりいつも使うときはドキドキします。ケトン食は経験がないけど、試してみる価値ありそうです。