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カテゴリー「頭痛」の15件の投稿

2009年10月28日 (水)

小児の1次性頭痛の治療(フランスにおける多施設研究)

Treatment of primary headache in children: a multicenter hospital-based study in France.
J Headache Pain. 2009 Sep 22.

小児の1次性頭痛の治療(フランスにおける多施設研究)についての論文です。この6カ月間で、一次性の頭痛をもつ小児、思春期患者398人に対して前方視的、多施設共同研究により、小児神経科における頭痛治療のデータを集めることが目的である。小児神経科受診前後で治療内容を比較した。小児神経科紹介前は、発作時の治療としてパラセタモールが82.2%で最も多く、NSAIDsが53.5%であった。10.3%が予防投与を受けていた。頭痛の診断で発作時と予防治療内容に差はなかった。小児神経科紹介後はパラセタモールは3/4のケースで、NSAIDsに変更され、1/4はトリプタンになった。小児神経科紹介前と比べ、紹介後は予防投与をうけている小児の数は倍ほどになり、精神療法やリラックス療法の数もそれぞれ5倍、23倍となった。特異的治療は、一次性の頭痛ではあまり知られていないと思われる。

referral 専門医などへの紹介

2009年10月20日 (火)

小児片頭痛における予防薬とサイトカイン、レプチンレベル

Prophylactic drugs and cytokine and leptin levels in children with migraine.
Pediatr Neurol. 2009 Oct;41(4):281-7.

小児片頭痛における予防薬とサイトカイン、レプチンレベルについての論文です。この研究の目的は、片頭痛で4つのうちの1つの予防治療を行った後の数種のサイトカイン(TNFα、IL-1β、IL-6)レベルとレプチンのレベルを評価し、その値と臨床症状との関係を見ることである。ぜんぶで77人の小児が発作予防薬を飲んでおり、シプロヘプタジン、アミトリプチリン、プロプラノロール、フルナリジンであった。サイトカインとレプチンの血清レベルは治療前と開始後4か月で測定した。結果は頭痛発作の薬、重症度、期間とPedMIDASスコア、サイトカインレベル、レプチンレベルで比較した。4つの薬は頻度や期間が減少したばかりでなく、その重症度もPedMIDASスコアも改善した。薬の中では他のものよりサイトカインを減少させる薬はなかった。シプロヘプタジンとフルナリジンはレプチンのレベルを上昇させた。これらのデータから、サイトカインは臨床症状と関連し、片頭痛の症状の客観的評価の助けとなると思われる。私たちが知る限り今回の研究は、小児の片頭痛において発作予防薬の効果とサイトカイン、レプチンレベルを比較した最初の研究といえる。

2009年9月 4日 (金)

小児の眼筋麻痺型片頭痛後の持続するアディー瞳孔

Residual and persistent Adie's pupil after pediatric ophthalmoplegic migraine.
Pediatr Neurol. 2009 Sep;41(3):204-6.
小児の眼筋麻痺型片頭痛後の持続するアディー瞳孔についての論文です。今回、7歳の時に典型的な前兆を伴う片頭痛で発症した眼筋麻痺型片頭痛の9歳女児を経験したので報告する。3回目の眼球麻痺型片頭痛発作のあと、アディー瞳孔のみが遷延した。2年間経過観察したが、11歳時に行った神経学的検査では完全に異常はなかった。しかしながらアディー瞳孔は持続していた。アディー緊張性瞳孔は外眼筋の病気と関係があるが、この患者ではすべて除外された。緊張性瞳孔を示したメカニズムは十分には解明されていない。これは持続するアディー瞳孔を後遺症として認めた眼筋麻痺型片頭痛の最初の報告である。病態について考察をした。
   
 アディー瞳孔とは、散瞳、対光反射消失、輻輳で徐々に縮瞳を呈する病態で緊張性瞳孔ともいい、若い女性に多く、一側性で急性に発症する。毛様体神経節以降の節後線維障害であるが、原因は不明。

2009年8月12日 (水)

CACNA1A遺伝子のS218L変異と軽度頭部外傷後の脳浮腫と初期痙攣

Early seizures and cerebral edema after trivial head trauma associated with the CACNA1A S218L mutation.
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2009 Jun 10.

 CACNA1A遺伝子のS218L変異と軽度頭部外傷後の脳浮腫と初期痙攣(ESCEATHT)との関係についての論文です。目的は、CACNA1A遺伝子のS218L変異の臨床的な範囲を調べることで、特に若年性頭部外傷症候群と軽度頭部外傷後の脳浮腫と初期痙攣に注目した。ESCEATHTの2人の患者について、Cacna1Aのすべてのエクソンをシークエンスした。両患者ともに片側麻痺性の頭痛と失調を呈していた。その後、S218L変異の文献を調べた。両患者ともCACNA1A遺伝子の弧発例であった。さらに文献から、11人のCACNA1AのS218L変異の保持者を見つけた。あわせて13人のS218L変異保持者のうち、12人が失調もしくは小脳症状を呈した。9人が軽度頭部外傷後に片麻痺性片頭痛を呈した。3人でESCEATHTの症状がすべてそろっていた。7人がけいれん(うち4人が外傷後)、5人がMRIやCTで脳浮腫を認めた。CACNA1A遺伝子のS218L変異は家族性の片麻痺性片頭痛、失調、ESCEATHTと関連がある。
S218L変異保持者で完全型ESCEATHTの表現形となるものは少なく、たいていは一つか数個の症状を呈する。S218L変異は、皮質拡延性抑制(CSD)の傾向を強めることとなり、片頭痛だけではなく、頭部外傷後の脳浮腫やけいれんにおいても、CSDが関与していると提案する。この症状の組み合わせは説明のつかない若年性頭部外傷症候群の一部をなすため、似たような分子メカニズムがこの病気にあるとも思われる。

片頭痛の機序のひとつに神経説があり、CSD(Cortical Spreading Depression:皮質拡延性抑制)によるものとされています。CSDは大脳皮質においてニューロンとグリアの活性化が細胞外にイオンと神経伝達物質を放出しながら、ゆつくり拡散していく現象ですが、これにより動脈の血流が著しく上昇し、その状態が約1時間持続します。増加した血流は三叉神経の関与により次第に低下しますが、その結果、活性化された三叉神経血管系により、神経ペプチドの放出、髄膜血管の拡張、疼痛を促進して頭痛が起こります。

2009年7月31日 (金)

救急部での小児の頭痛とCT

Headache in young children in the emergency department: use of computed tomography.
Pediatrics. 2009 Jul;124(1):e12-7.

 救急部での小児の頭痛とCTについての論文です。この研究の目的は頭痛を主訴に救急センターを受診した小児の急性期にCTが有用かどうかしらべることである。今回2003年7月1日から2006年6月30日で頭痛を主訴とした2歳から5歳までの364人のカルテを調べた。現病歴と検査所見により2次性の頭痛患者(VPシャントや既知の脳腫瘍、感冒や発熱、髄膜炎、外傷などの急性期疾患)を見つけた。残りの人から、頭痛歴、神経所見、血液検査、画像検査、最終的な診断と治療を調べた。現病歴と身体所見では306人が2次性の頭痛であった。これらの72%が急性の熱性疾患、上気道感染で頭痛を訴えていた。中枢神経系病変や全身疾患のない58人のうち、28%がCTをとられていた。彼らのうち一人で異常な結果、脳幹のグリオーマがみつかった。その患者はその日の神経診察でも異常所見を呈していた。16人中15人でCTでは、診断や治療方針に影響を及ぼさなかった。一次性の頭痛の59%において、家族歴は認めなかった。頭痛があるが、神経診察で異常のない救急センター受診小児ではCTは診断や初期治療に影響を及ぼさないといえる。

2009年7月15日 (水)

発作性緊張性頭痛の小児の気質

Temperament traits of children with episodic tension-type headaches
European Journal of Paediatric Neurology
Volume 13, Issue 4, July 2009, Pages 327-331

 発作性緊張性頭痛の小児の気質についての論文です。頭痛とストレスの間の関係が議論になっている。ストレスへの弱さは各人の気質と関係する。今回の研究の目的は、発作性の緊張性頭痛における小児の気質の役割を評価することである。Gdansk医科大学の神経科を受診した6-16歳の120人の小児を対象とした。全ての小児が発作性緊張性頭痛と診断された。頭痛のない年齢をあわせた60人をコントロールグループとした。問診、EAS気質調査、ストレス反応スケールで評価した。結果は、統計解析を用いて評価した。結果は発作性緊張性頭痛の小児の気質は頭痛無しのコントロール群とは異なっていた。特徴として、気質の不安定性たとえば高感情、過渡の恐れ、活力低下、臆病などがみられた。結論として発作性緊張性頭痛は頭痛なしの小児とは違う気質を持っているようだ。

2009年6月17日 (水)

肥満と小児片頭痛との関係

Obesity and paediatric migraine.
Cephalalgia. 2009 Jun 1.

 肥満と小児片頭痛との関係についての論文です。この研究の目的は小児片頭痛の重症度に肥満が影響するかどうか調査することである。4-17歳124人の患者(77人が女児で、36人が前兆を伴い、平均年齢が12.9歳±2.8歳)を対象とした。頭痛回数と持続時間、痛みの程度、随伴症状を肥満、過体重、正常体重で比較した。肥満の割合は17.7%であった。痛みの程度と持続時間はグループ間で差はなかったが、肥満グループでは、他のグループ宵より頻度が多かった(5.3 +/- 2.4, 4.4 +/- 2.4, 3.8 +/- 2.4 発作/月, P = 0.01)。またBMIと発作回数には正の相関を認めた(P = 0.026, r = 0.20)。肥満は片頭痛関連徴候(前兆や光過敏、悪心嘔吐)に影響は与えない。この研究では、肥満は小児では片頭痛の頻度と相関がありそうである。

2009年4月 3日 (金)

片頭痛発作重積としてのParry-Romberg 症候群

ParryーRomberg Syndrome Presenting as Status Migrainosus

Pediatr Neurol. 2009 Apr;40(4):321-3.  

片頭痛発作重積としてのParry-Romberg 症候群についての論文です。Parry-Romberg 症候群は原因不明のまれな症候群で、皮下組織、骨格筋、骨を含む顔面半分の委縮とさまざまな眼球や中枢神経の異常を呈する。いくつかの調査では三叉神経の自律神経線維障害が原因とされた。さまざまな中枢神経症状が報告されており、てんかんや片麻痺などである。これらの症状は同側の顔面領域(まれに対側の)と関係があり、数例ではラスムッセン脳症のようになった報告もある。多くの臨床像は限局性強皮症やen coup de sabre 症候群と重なるところがあり、それらはおもに顔面半分の皮膚と皮下組織の萎縮による限局炎症を特徴とする。そのようなオーバーラップが診断を難しくさせる。さらに中枢神経合併はen coup de sabre 症候群でも報告があり、さらに誤診を招く。こられ二つの疾患間の違いは議論の的になっている。重度の片頭痛重積発作を呈したen coup de sabre 症候群の小児について詳しく述べる。病理学的臨床的、神経画像的所見でParry-Romberg症候群と診断した。この診断はこの二つの症候群間の類似、矛盾、そして混乱の中でなされた。 ネットで調べると・・・ Parry Romberg Syndromeは別名進行性顔面半側萎縮症ともいい、顔面半側の組織が進行性に萎縮していく原因不明の稀な疾患です。顔面では、上顎や鼻唇溝や口唇などから始まることが多く、時には他部位にまで拡大することもあり、5-10%は両側性に生じます。組織は皮膚、皮下脂肪、筋、骨まで侵すことがあり、部位では舌、歯肉、軟口蓋、外鼻軟骨、耳介、咽喉頭などを侵す。眼症状(眼球陥凹、異色症、ぶどう膜炎、瞳孔障害、眼瞼下垂など)や髪(睫毛消失や眉毛消失、白髪、脱毛)、神経学的異常(頭痛、片頭痛、三叉神経痛、患側大脳半球の萎縮、皮質の石灰化、癲癇、頭蓋内血管異常を含む)を伴うこともあります。時に患部皮膚は色素沈着になったり脱色素斑になることもあり、限局性強皮症と関連性があるとの意見もあります。 思春期前後に発症することが多く、罹患率に男女差ありません。病状の進行が止まらない場合や、緩慢でゆっくり症状が固定する場合や、進行が急速だが急激に症状が停まる症例もあります。症状が固定しても、その後に再燃することもある。稀に家族性の場合があり、常染色体優性遺伝です。 微小血管外科手術を用いた遊離組織移植(筋・骨移植も含むことあり)による再建が治療となります。

2009年2月18日 (水)

小児片頭痛予防に対する大量リボフラビン療法

High-dose riboflavin for migraine prophylaxis in children: a double-blind, randomized, placebo-controlled trial.
J Child Neurol 2008 Nov 23(11):1300-4

小児片頭痛予防に対する大量リボフラビン療法についての論文です。これは小児片頭痛予防に対する大量リボフラビン療法を評価する最初の研究である。48人の小児に対するリボフラビン1日200mg対プラセボの無作為二重盲検試験で行った。最初の効果判定として4週ごとの片頭痛の回数が50%以上減少した人の割合で行った。他に片頭痛の平均重症度、片頭痛の平均持続時間、嘔気嘔吐の回数、鎮痛剤の使用、副作用についても調べた。片頭痛の50%以上減少はプラセボで21人中14人に、リボフラビン大量で27人中12人に認めた。一次的、二次的結果でもリボフラビン大量とプラセボでは特に違いは認めなかった。この結果からリボフラビンは小児片頭痛を予防するのに効果的ではないとした。プラセボ群で有効が多かったのは他の研究でも認めた。

2008年12月28日 (日)

家族性迷走神経性失神と片頭痛

Familial vasovagal syncope associated with migraine.
Pediatr Neurol. 2009 Jan;40(1):27-30.

 家族性迷走神経性失神と片頭痛との関係です。失神はあらゆる年代におきるすぐに回復する突然の短い意識消失で特徴付けられる。迷走神経失神はもっとも有名なタイプで、静脈の血液貯留と異常な自律神経反応のためにおきると考えられている。およそ20%のケースで家族歴がある。迷走神経性失神は片頭痛の患者に多く認めるといわれている。今回、3世代にわたり迷走神経性失神と片頭痛を合併した家族について報告する。詳細はカルテと母からの問診から得た。21家族から情報を得た。片頭痛と診断された14家族のうち11家族が迷走神経失神を持ち、迷走神経失神と診断された12家族のうち11家族が片頭痛を呈した。最初の失神の年齢は2-7歳で、最初の片頭痛の年齢はほぼ10歳以下であった。性差がないことが多く、これは二疾患の共通の病態生理であり、おそらくは常染色体優生遺伝と考えられる。さらなる調査で遺伝的つながりを突き詰めていく必要がある。

2008年12月 5日 (金)

片頭痛とヒトウロテンシンⅡ

Possible Pathogenic Link Between Migraine and Urotensin-II
Journal of Child Neurology, Vol. 23, No. 11, 1249-1253 (2008)

今回片頭痛患者とコントロールでの血中ヒトウロテンシンⅡの濃度を測定し、これが片頭痛と関係あるかどうか調査した。27人の片頭痛患者と27人のコントロールで調べた。片頭痛患者とコントロール群で静脈血を2回測定し、ヒトウロテンシンⅡの血中濃度を調べた。片頭痛患者でのヒトウロテンシンⅡの平均濃度は発作時で0.483, 間欠時で0.493, コントロール群では 0.737 pg/mLであった。コントロール群でのヒトウロテンシンⅡは有意に高かった。性別、年齢、片頭痛のタイプや持続時間などで比較したが、大きな違いはなかった。片頭痛患者のヒトウロテンシンⅡがコントロールに比べて低いのは、これが病因になっている可能性がある。

ウロテンシンという物質があります。調べたところウロテンシンは、魚類の尾部脊髄にある神経内分泌器官であるウロフィーシスから分泌されるペプチドホルモンであり、ウロテンシンIとウロテンシンIIの存在が知られる。最近、ヒトウロテンシンIIは、エンドセリン-1よりも強力な血管収縮作用を持つことが判明した。他方、ヒトウロテンシンIIは、対象となる血管によっては、血管内皮細胞からのNOなどの血管拡張性物質の放出を介して、血管を拡張する。高橋らは、ウロテンシンIIがヒト血中に存在することを世界ではじめて明らかにし、慢性腎不全や糖尿病において血中ウロテンシンII濃度が上昇していることを報告した。また、ウロテンシンIIは、種々腫瘍の培養細胞に受容体とともに発現しており、細胞増殖を刺激する。

→片頭痛では下がるのに慢性腎不全や糖尿病ではウロテンシンがあがるのですね。

2008年11月 8日 (土)

CACNA1Aの新規変異

Pediatr Neurol. 2008 Nov;39(5):363-4.
Stepwise Developmental Regression Associated With Novel CACNA1A Mutation.

進行性の退行を来たし、カルシウムチャネルα1サブユニット(CACNA1A)の新規変異のある子の症例報告です。CACNA1Aの変異により家族性片麻痺性片頭痛、反復性失調症Ⅱ型やSCA6型がおきるといわれている。今回精神遅滞と小脳萎縮のある11歳女児がけいれん、失調、頭痛、意識低下、運動退行を呈したので報告する。CACNA1Aの解析をしたところ、これまでに報告のない712番目のアミノ酸がイソロイシンからバリンに変わる新規変異が見つかった。

 カルシウムチャネル異常でいろいろな症状を呈するのですね。以下家族性片麻痺性片頭痛についてのまとめです。

家族性片麻痺性片頭痛
  (Familial Hemiplegic Migraine ,FHM)
FHMは国際頭痛学会の分類 では前兆を伴う片頭痛(MA)の一種として分類されている.

診断基準は
1)前兆を伴う片頭痛(MA)の診断基準を満たす
2)前兆として片麻痺を含むが,遷延してもよい
3)第1度近親者に少なくともひとりの同様の発作をもつものが存在するものと規定されている.

症状は家系により差がみられ,眼振や小脳萎縮がみられる家系やけいれんや意識障害を伴う家系がある。原因の一つとして19番染色体上のP/Q-type Ca2+ channel α1 subunit (CACNA1A)の点変異により生じることがわかった。CACNA1Aの変異を有する者の89%に片麻痺を伴う片頭痛発作があり,約3分の1の者は昏睡や遷延性の片麻痺を伴う激しい片頭痛発作を呈していた.頭位変換下向き眼振が特徴的に見られ,小脳性運動失調や小脳萎縮が見られることから,脊髄小脳変性症との関連が注目されており,特にSCA6と関連がある。頭位変換下向き眼振の発現機序としては,小脳プルキンエ細胞の脱抑制が原因と推定されている。

2008年10月31日 (金)

睡眠頭痛

Relapsing remitting hypnic headache responsive to indomethacin in an adolescent: a case report.
J Headache Pain. 2008 Sep 30.

思春期の再発性の睡眠頭痛に対するインドメタシン療法の症例報告です。睡眠頭痛は睡眠に関連するまれな一次性頭痛で、普通は60歳以上に起きる。ここで4年間にわたる左側優位の睡眠頭痛を呈した19歳男性を経験した。彼は睡眠頭痛のIHS診断基準を満たす最年少の少年である。彼は再発と寛解を繰り返した。頭痛は毎晩同じ時間に起きた。それは非拍動性の中程度から重度の30分から5時間続き、たいていは睡眠後3時間でおきた。彼はインドメタシンに反応(就寝前75mg)した。緩解になる量を見つけるために、しばしばインドメタシンを漸減してみた。

ひさびさに頭痛に対する話題です。
睡眠時頭痛はまれな疾患で , 「目覚まし頭痛」ともいわれ ,1988 年に Raskin によってはじめて報告された。病態は不明な点が多い。

ICHD- II による診断基準
 A. B ~ D を満たす鈍い頭痛
 B. 睡眠中にのみ起こり、覚醒をきたす
 C. 次の特徴のうち少なくとも 2 項目を満たす
   1.1 ヶ月あたり 15 回を越えて起こる
   2. 覚醒後 15 分以上持続する
   3. 初発年齢は 50 歳以上
 D. 自律神経症状がなく、悪心、光過敏、または音過敏のうち2つ以上を示さない
 E. その他の疾患によらない

2008年9月26日 (金)

片頭痛と筋緊張性頭痛に対するメラトニン療法

Melatonin to prevent migraine or tension-type headache in children.
Neurol Sci. 2008 Sep;29(4):285-7. Epub 2008 Sep 20.

小児の片頭痛と筋緊張性頭痛に対するメラトニン療法についての論文です。私たちは原発性頭痛の小児のメラトニンによる予防の3ヶ月間の非盲検試験を実施した。頭痛の予防薬を飲まずに1ヶ月すごしてもらい、その後3ヶ月間3mg経口就寝前にメラトニンを服用してもらった。22人の子供のうち13人が前兆のない片頭痛、一人が前兆のある片頭痛、8人が筋緊張性頭痛であった。試験が終わったときに21人中14人がベースより50%以上頭痛頻度が減少した。4人は頭痛が無くなった。1ヶ月間メラトニンを服用した後一人は過度の日中の眠気のため、中止した。次なる研究は子供における原発性の頭痛を防ぐメラトニンの本当の効果を評価する無作為2重盲検試験が望まれる。

2008年8月21日 (木)

スマトリプタンと髄膜炎頭痛

Subcutaneous Sumatriptan Relieved Migraine-Like Headache in Two Adolescents With Aseptic Meningitis.
Headache. 2008 Jun 10. [Epub ahead of print]

非細菌性の髄膜炎に伴う片頭痛様の頭痛にスマトリプタンの貼付薬が効いたという論文です。スマトリプタンは片頭痛の急性発作に用いられるが、くも膜下出血や髄膜炎の頭痛にも効果がある。2例の非細菌性の髄膜炎の思春期患者さんにスマトリプタンの貼付薬をつかったら効果があった。

スマトリプタンとは商品名イミグランのことです。5-HT(1B/1D)受容体作動型片頭痛治療剤です。脳の血管拡張により片頭痛が生じます。SAHや髄膜炎の頭痛も同じ機序なのでしょう。であればスマトリプタンが効くと思います。

alleviate:和らげる