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2009年11月15日 (日)

小児欠神発作におけるバルプロ酸耐性の危険因子

Risk factors for valproic acid resistance in childhood absence epilepsy.
Seizure. 2009 Oct 15.

小児欠神発作におけるバルプロ酸耐性の危険因子についての論文です。バルプロ酸は小児欠神発作の75%に有効とされる。このスタディの目的は新規に診断された小児欠神てんかん(CAE)に対するVPAの反応と関連した臨床的、社会的な因子を見つけ、これらの因子が長期の発作抑制に影響を与えているかどうかみることである。180人のCAEの小児の医療カルテを後方視的にまとめた。臨床的、脳波的、画像的所見から完全なバルプロ酸による発作抑制と長期のてんかん予後との関係をしらべた。バルプロ酸が効かなかったことに関連する因子を個々に、多変量解析にて同定した。バルプロ酸治療は112人で成功した。バルプロ酸に反応しなかった小児は、全身性の強直間代痙攣GTCSを呈しており、52.9%が治療前発作が日に10回以上認めた。またバルプロ酸に反応しなかった群に対して、反応した群は診断時年齢が高かった。長期発作抑制は、GTCSの存在、初期治療がうまくいかなかったこと、発作コントロールに多剤が必要なことと関連した。結論として、今回のスタディにより臨床発作型はバルプロ酸に対する反応と関連していることがわかった。新規に診断された欠神てんかんの小児の家族への説明の際にこのことは考慮に入れるべきである。

2009年11月14日 (土)

神経筋疾患の若年患者の痛み

Pain in youths with neuromuscular disease.
Am J Hosp Palliat Care. 2009 Oct-Nov;26(5):405-12.

神経筋疾患の若年患者の痛みについての論文です。神経筋疾患(NMD)の42人の小児の痛みの有病率と特徴を、人口データと機能データを含む詳細なインテーク面接と構造化質問票により総合評価を行った。慢性の痛みを訴える若年者はさらに痛みの特徴、場所を聞き、強さを11ポイントスケールと修正Brief Pain Inventory (BPI)により評価した。24人の男児と18人の女児で、年齢は9歳から20歳であった(M = 14.8, SD = 2.96)。患者には14人がDMD、6人が緊張型筋ジストロフィー、2人がベッカー型筋ジストロフィー、2人gな肢帯型ジストロフィー、2人が先天性筋ジストロフィー、1人が顔面・肩甲・上腕筋ジストロフィー、他の15人が他のNMDに分類された。21人が歩行可能で、26人が電動車イス、9人が手動式車イスで、3人が松葉杖、一人が歩行器であった。23人の若年者が慢性疼痛を訴えていた。現在の痛みの強さは1.3(0-6段階)でここ一週間での平均的痛み強度は2.39(0-7段階)、平均痛み時間は8.75時間であった。下肢の痛みを最も多く訴え、83%が治療を要した。このスタディで示すように、痛みはNMDの若年者の大きな問題である。これらのデータは痛みの評価と治療がNMDの若年者のケア標準の重要部分にする必要があることを示している。

2009年11月13日 (金)

CLN8の新規変異には後期発症乳児神経セロイドリポフスチノーシスの臨床的、民族的多様性がある

Novel CLN8 mutations confirm the clinical and ethnic diversity of late infantile neuronal ceroid lipofuscinosis.
Clin Genet. 2009 Oct 6.

CLN8の新規変異には後期発症乳児神経セロイドリポフスチノーシスの臨床的、民族的多様性があるという論文です。神経セロイドリポフスチノーシス(NCLs)は遺伝性ライソゾーム蓄積病の一つで、小児期発症の神経変性疾患の一つである。これまで10のNCL分類が知られており、自己染色性の蓄積物、発症年齢、臨床症状によって分けられていた。CLN8は最初、フィンランド人で進行性のてんかんと精神遅滞と呈する後期発症型の原因遺伝子として同定された。その後、CLN8変異はトルコ、イスラエル、イタリアの患者でも見つかり、より進行性の視力低下、てんかん、失調、精神遅滞を呈した。今回ドイツ(c.611G> T)とパキスタン (c.709G> A)人でCLN8の新規変異を見つけたので報告する。これによりCLN8の多様性は多くの民族で起きているというこれまでの考えを裏付けるものであった。今までのところ、CLN遺伝子の大欠失はCLN3遺伝子のみで報告がある。今回、CLN8の大欠失c.544-2566_590del2613をトルコ人家族でみつけ、若干他のものより重症の表現形を呈した。これにより後期乳児型NCLの臨床症状と特徴的な封入体を持つ患者では、民族にかかわらず、CLN8の変異スクリーニングをすべきであると思われた。

2009年11月12日 (木)

小児ハンチントン病患者の早期検査の賛否両論

Early Testing for Huntington Disease in Children: Pros and Cons.
J Child Neurol. 2009 Oct 6.

小児ハンチントン病患者の早期検査の賛否両論についての論文です。今回若年時にハンチントン病と診断された2人の小児について報告する。小児もしくは胎児の早期の検査は、大人になってハンチントン病と診断するよりも、より複雑な医学的、精神的な問題を小児自身と家族に起こす。小児もしくは若年性のハンチントン病のリスクのある小児は、症状が進行し、他の類似疾患が除外され、この病気だとほぼ確定的になるまで検査はするべきでないと思われる。テストを考慮する際は、多職種でのアプローチによりテストにおけるリスクと利益についての家族教育、最終診断がなされた時のコーピング技術の改善が必須である。

※コーピングとは、「問題を上手く処理する」という意味のcopeから来ている言葉で、特にストレスに上手に対処するため心をコントロールするテクニックのことを指します。

2009年11月11日 (水)

ADHDと境界型人格障害の思春期女児の喫煙におけるメチルフェニデート治療の影響

Influence of methylphenidate treatment on smoking behavior in adolescent girls with attention-deficit/hyperactivity and borderline personality disorders.
Clin Neuropharmacol. 2009 Sep-Oct;32(5):239-42.

ADHDと境界型人格障害の思春期女児の喫煙におけるメチルフェニデート治療の影響の論文です。喫煙とニコチン依存はADHDの小児人口の中で広く流行っている。今ADHDと境界型人格障害(ADHD/BPD)を持つ思春期女児の喫煙におけるメチルフェニデート(MPH)治療の影響を評価した。14-19歳の12人のADHD/BPDの思春期女性スモーカーが、MPHにより8週間治療をうけた。ADHDの重症度はADHD-RSにより評価し、喫煙行動はFagerstorm Test for Nicotine Dependence(FTND)により評価した。ADHD症状はかなりの改善を認めた(ADHD-RSで治療前が平均33.1標準偏差6.8に対し、治療後は平均19.9 標準偏差6.8でtが6.875, dfが11, Pが0.0001であった。FTHDでの評価でも低下を認めており、治療前で平均4.1標準偏差2.6に対し、治療後は平均2.0で標準偏差1.9, tは4.056, dfは11, Pは0.0019であった。MPH治療後のおけるADHD-RSとFTNDの変化率には大きな相関は認めなかった(r = 0.09935, P = 0.7587)。結論としてメチルフェニデートはADHD/BPDの思春期女児スモーカーにおける喫煙行動を弱める働きがあるといえる。

2009年11月10日 (火)

ベーチェット病(小児の血管病変の治療)

Behcet disease: treatment of vascular involvement in children.
Eur J Pediatr. 2009 Sep 13.
ベーチェット病(小児の血管病変の治療)についての論文です。ベーチェット病は、いかなるサイズの動脈と静脈に影響を与える一次性の血管炎である。
今回、血管病変をもつ7人の小児患者の治療戦略について報告する。7人全員が16歳以前にベーチェット病の国際基準を満たした。一人のみ女児であった。血管病変は以下のとおりである。2人で表在の静脈塞栓、2人で動脈もしくは静脈の塞栓、一人が肺動脈の瘤を伴う動脈病変、二人が中枢神経における静脈洞の塞栓であった。ベーチェット病診断後の血管病変期間の中央値は4カ月で(3-24ヶ月)、3人の患者で診断と同時であった。全員でコルヒチンとステロイドを投与された。静脈系における塞栓を伴う人はアザチオプリンを追加し、一方肺動脈もしくは冠状動脈病変を伴うときは、シクロフォスファミドを全量で150-180mg/kgを静脈もしくは経口投与し、その後アザチオプリン6カ月にした。肺動脈病変を持つ患者以外全員が、良好に抗凝固療法のコースを終えた。これらの患者は少なくとも18カ月の期間観察され、血管病変の再発を来たしたものは誰もいなかった。一人はさらなる治療を要する重症のブドウ膜炎を発症した。結論として、血管病変はベーチェット病の患者で注意深く観察しなければならない。効果的な治療は現在の患者を病状のない状態にすることが可能である。

2009年11月 9日 (月)

新生児の声帯麻痺

Neonatal Vocal Cord Paralysis
NeoReviews Vol.10 No.10 2009 e494

 新生児の声帯麻痺についての論文です。新生児声帯麻痺は、乳児期の急性、慢性の呼吸異常の重要な原因である。両側声帯麻痺の乳児は正常な啼泣にもかかわらず、著明な呼吸不全を呈しており、重症例では緊急の気管切開が救命のため必要なこともある。片側の声帯麻痺は大抵、乳児の声異常の大きな原因となるが、呼吸不全は軽度である。声帯麻痺の多くは、心臓手術の際に左反回神経を傷つけたためにおきる医原性のものである。声帯麻痺はまた先天的、神経疾患によってもおきる。声帯機能不全は大抵時間とともに良くなるが、完治は年単位である。声帯麻痺をもつ乳児は、誤嚥や人工呼吸器機関の遷延、呼吸疾患、慢性の摂食障害などの危険がある。軟性の気管支ファイバーや直接喉頭鏡を用いた定期的声帯機能の一連の検査は、気道を観察するのに、経過とともに麻痺が改善していくのをみるのに重要である。声帯麻痺の乳児はまた将来の内科的、外科的な治療の必要を決めるためにも頻回の観察が必要である。

2009年11月 8日 (日)

レット症候群の寿命

Longevity in Rett Syndrome: Analysis of the North American Database.
J Pediatr. 2009 Sep 19.

レット症候群の寿命についての論文です。今回の目的はレット症候群の寿命について大規模コホートにより調べることである。研究デザインは北アメリカレット症候群データベースによりアメリカとカナダのレット症候群の大規模コホートにおける寿命を調べた。このデータベースは1928人の情報を含み、典型的なレット症候群が85.5%、非典型的なレット症候群が13.4%、レット症候群ではないがMECP2遺伝子の変異例が1.1%である。カプランマイヤー分析で寿命を解析した。初期の10年での集団は最近の集団よりも高い生存率で、ほとんどが中年まで生きていた。典型的なレット症候群と非典型的なレット症候群で全体の生存率を比較すると、典型的なレット症候群のほうが、観察期間での致死率が高かった。
レット症候群でMECP2遺伝子変異が同定された群とされていない群で生存率を比較すると、されていない群のほうが致死率は高かった。この分析ではレット症候群での寿命における強いエビデンスができ、レット症候群の女性たちの長期にわたるケアの計画の必要を示せた。初期の10年での集団で認めた不釣り合いな生存率の高さは、診断前に死んでしまうということが原因と思われ、また非典型的なレット症候群で認めた不釣り合いな生存率の高さは、非典型的な理由がより軽症である(たとえば喋れたり、遅発発症)ということが原因であると思われた。

2009年11月 7日 (土)

マイコプラズマ肺炎関連のオプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)3例

Mycoplasma pneumoniae associated opsoclonus-myoclonus syndrome in three cases.
Eur J Pediatr. 2009 Sep 24.

マイコプラズマ肺炎関連のオプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)3例についての論文です。OMSはあらゆる年齢、特に乳児おきるまれな後天的運動障害である。正確な病因はよくわかっていないが、傍主要症候群と感染関連免疫異常が中枢神経の異常を引き起こしている強い証拠がある。マイコプラズマ肺炎は免疫関連神経疾患のいくつかで認められている。しかしながらマイコプラズマとOMSの関係は、いまだよくわかっていない。今回、肺炎マイコプラズマ感染後に起きた思春期のOMSの3ケースを提示する。一峰性の経過と完全回復から考えると、若年成人の感染後のケースでは予後はよいと思われる。これは治療戦略に影響を与えると思われる。OMSは、マイコプラズマ感染関連神経合併症の一つに加えるべきである。にもかかわらず、神経芽腫はOMSのすべてのケースで除外されなければいけない。

2009年11月 6日 (金)

277人の双生児における自閉症の特徴と一致

Characteristics and concordance of autism spectrum disorders among 277 twin pairs.Arch Pediatr Adolesc Med. 2009 Oct;163(10):907-14.

277人の双生児における自閉症の特徴と一致についての論文です。自閉症スペクトラム疾患(ASD)の遺伝的特徴を調べ、卵性、性別、ASDの特異的診断による双生児間での他の特徴を調べることが目的である。研究デザインは横断研究で、アメリカにおけるインターネットによる自閉症登録者で調査した。277人(210人の二卵性、67人が一卵性)の双生児のペアで18歳以下で、少なくとも一人はASDであるペアを対象とした。卵性と性別での違いでの双生児の診断、自然歴、標準化自閉症スクリーニングの結果の一致を調べた。ペアでのASDの一致率は二卵性で31%で、一卵性で88%であった。双生児男女別でみると、女性一卵性では100%、男性一卵性では86%であり、男子男子の二卵性では40%に対し、少なくとも一人が女性の二卵性では20%と低かった。双生児の片方がASDと診断されてから次が自閉症と診断される割合は、一卵性のほうが二卵性より7.48倍高かった。自閉症と診断された二卵性双生児では一卵性よりも早異年齢から親は心配し、より早く知的障害と診断される。一卵性双生児では、双極性障害やアスペルガー症候群を合併しやすく、とくに後者での一致率は高い。親の報告による自閉症スクリーニングの結果では、90%以上でASDとされた。二卵性に比べ一卵性のほうがASDの一致率が高いことが今回のデータで明らかになった。全体的に高機能精神疾患の合併、アスペルガー症候群の一致率が二卵性よりも一卵性で高いのはまた、いろいろなASDにおいても異なる遺伝性があることを示唆する。一人のASDをもつ一卵性双生児の家族に対しては、もう片方は12カ月過ぎてからASDと診断されることはないといえる。またインターネットのASDの親の報告は信頼できる。

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